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異世界ってあったんだー!!

『なろう』で初投稿。

書き溜めはないので本気で気ままに更新します。


「おめでとー!!!」


「……はい?」


突然目の前に現れたのは両手を広げこちらを見ている少年。

…誰?



てかここどこよ。

見渡してみても周囲には何もなく只々真っ白な世界。

考えてみる。

今日は大学の研究室に行き、いつものように実験に追われ、レポートを簡単にまとめて教授に見せ調整し、帰宅したのが日付を越える少し手前。

風呂に入り夕飯は食べずに眠りについたのは確か1時少し前。


……わかった。これは夢だ。


「ちがーう!これは夢じゃなくて現実!!」


「わっ」


目の前の少年が腰に手を当て頬を膨らませ此方を見ていた。

んー?げんじつぅ〜?


「そ、現実。って言ってもここは現実でもあり夢の中でもあるんだけどね」


「わけわからん」


いや、分からんよ。

まぁ、床に座っているこの状況で一応太腿をつねってみたが痛かったから現実なのか。しかし、夢でも痛覚を感じたと言っていた友人もいる。いや、あれは只の阿呆かも。


「…ちょっ、現実逃避しないで。戻ってきて、話聞いて」


なにやら悲しそうなので話を聞くことにしよう。


ていうか、ものすごい今更なんだが、思考読まないでくれないかな。


「え」


「ん?」


「……いまさらぁ〜」


おい、そこケタケタ笑うな。


「…うん、ごめんごめん、それで話聞いてくれる?」


聞くしかないだろー。ちゃっちゃと話しなさい。



「じゃあ

君は選ばれた!

これから異世界に行ってもらう!

楽しんで!」



「オイこら待てぇぇぇぇえええ!!!!!」




………叫んでしまったのは仕方ないと思う。

なんだこいつ。キョトンとすんな。まじで。ん?いや、あぁ、夢か。


「だから、夢じゃないって〜」


なんだこいつ〜まじで〜。


だがしかしだがしかし。

この常日頃からアホの子と呼ばれていた私のこと。

なんということでしょう。何故か納得しております。流石私。


……いや、なんでだ。


とは思っても何となく分かってる。


情報が足りなすぎて現実味がない。

今私たちが住んでいる世界は情報に溢れている。

例えば誰がどこでいつ何をして何で、そんな細かい情報を集めようと思えば集められる。ま、やったらアウトな部分もあるけど。


その世界にいると、情報が足りないとロクに想像できないし分からないのだ。

情報社会にいた分の嵯峨かなと思ってる。


とりあえず、聞こう。じゃなきゃ何が何だが分からん。



「て、訳で話せ」


「いや、脳内聞ける事に対する順応が早い」


何だよ、どーせ読んでたんだろーが、ケッ。


「読んでたけどー、そーだけどー」


「それで異世界に行けと言ってたな」


「うん。その通り。君は選ばれた。異世界に行ってもらう」


「まずその選ばれたって何」


分からない事は初めから一つ一つ聞く。

私のモットーだ。


「そうだね。君は異世界を信じるかい?この世界とは違う。別の星、別の宇宙に存在するどこかを」


「信じる」


即答する。信じるよ。誰かがあると言ったなら。

でも出来ればそれを証明しうる確証も欲しいけど。

私は理系の大学に通い、今も勉強中の身。でも、だからと言って夢物語をすべて否定はしない。というか、したくない。

今までの発見だったそうだ。電気もガスも光も、今存在するものでも昔は未知のものだった。それこそ夢物語と思われるような。

でもそれを夢と思わず、まず、信じる。存在すると。そして研究して調べる。

そうして様々な発見をし、応用させ、実用させたのが今現在の文明だ。


だから、ただ自分が見てないから触ってないから実証できないからと言って全てを否定したくない。

否定してしまうとそこで終わってしまうから。そんなの悲しいではないか。折角新しい知識、新しい常識が見えるかもしれないのに。



……脱線した。

そういうわけで、私は、とりあえず、異世界を信じる。どの銀河に存在してここから見えるのかとか、何光年くらいなのかとか、本当に違う宇宙があるのかとか聞きたいけど、とりあえず抑えて信じる事にする。




…んで、なんだっけ?


「うん、おかえり。なんか無駄に長かったね。

話を戻すと、その異世界に行ってもらう」



無駄というな。

んー…それはつまり…。


「この地球から別の世界へ行ってもらう。もちろん地球には戻っては来れない。なお、これは既に決定事項」


…うん…うん……うん?


「戻ってこれない?この世界に?」


「そう。君の魂は既に身体から離れて、この空間に来た時点で異世界に行くことが決定した」


「…戻れ…ない」


…つまりもう家族にも友人にもあの研究室の人達(アホども)にも会えない?

今日、いや、昨日か?昨日まで一緒に研究してたアイツらや、たまに集まって本について語った友人や、毎日どんなに遅くても帰ったらおかえりって言ってくれてた家族にも?もう会えない?



………あー、何か分かんない、分かんないけど分かってきた。

そうか、そうかぁ…。


「急に連れてきたのは、ごめんね」


本当だよ。あー、ばーか。

あーーー、まじかぁーーー。

折角就活終わって内定貰ってあと研究だーって思ってたのになー。溜めてた本が山積みだからそろそろ読むぞーって思ってたのになー。あ、部屋片付けしてない。


…それも全部できないのか。


………………。






………………………よし。


今、自分は何をしている?

この真っ白な世界で、目の前の少年から異世界移住のお話を聞いている。

まだ情報が足りない。そう、足りない。


とりあえず全部聞こう。


「ごめん、戻った。まだ途中だ。全部聞こう。さぁ、話せ!」


「おかえり。早かったね。大丈夫?」


普通もっと取り乱すのかな。混乱はしてるけど、まだするべき時ではないと思うから。まだ大丈夫。


「じゃあ、話すね。

君には僕の作った世界、『リナール』に行ってもらう。さっきも言ったけど、これは決定。そして、もう地球には戻ってこれない。

行ってもらうと言っても、特に何かを望んでいるわけじゃないんだ。これはただのバランス調整。人類の数、とかではなくて、エネルギー的な問題ね。あ、ここは説明できないからつっこまないで。

それで、そのエネルギーの観点から見て、君を含めた数人を移すのが一番効率が良く被害が少ないと結論付けられた。よってその中の一人として君が選ばれた。

ここまでいい?」


「…あぁ、とりあえず」


聞きたかったけど聞けないと言われたから。

エネルギーってなんぞや。肝心な所が分からないけど、仕方ない。気になるのは他にもあるがとりあえず全部聞こう。

続けて。


「こちらとしては、君達の望みを何でも叶えてあげる。それこそ何でも、ね」


…ふむ。


とりあえず、異世界に行く、というのだと頭が混乱するので、外国に移住する、という考えて想定して考えてみる。連絡の取れないどこかも分からない場所に行くと。


……いや、死んじゃう。

だって、この現代、この安全な国の国民ですよ。

全くもって何も分からないところに放り出されたら即効でお陀仏だ。それこそ病原菌とかそんな細かい物で。


ここは何でも叶えてくれるって所を、有効活用したほうがいいな。うん。


「…僕が言うのも変だけど君順応性すごいね。普通もっとさ」


「分かってるよ、そこが私の阿呆な所だから」


ザ・現☆実☆逃☆避!


…で、も、大事だよ、この考えは。ちゃんと客観的に見るために、一度他のところに視点を置いて、また戻って考える。うんうん、大事大事。



そこで考えた。移住をするにあたって、大事な事とは何か。

思いつくのはまず、衣食住。そして安全。さらに娯楽。



「そういや、望み叶えるって言うけど、いくつまでとかあるのか?」


「ん?ないよ?」


…え、ないの?

それこそ雑食で本読むから異世界転移モノも読んだし分かるけど、こう言うのって何個までってあるものじゃないのか?いや、今回は制限なくて有り難いけど。


「んー、特に僕は制限つけたつもりはないんだけど、今のところ一人一つしか言わないね。なんでだろ」


……おぅ、これは一つだけだと思ってそれで終わらせちゃったやつじゃないか?

てか、あんたが言ってあげないのか。


「聞かれなかったからね〜」


…聞かなきゃ答えないパターンかっ!

初めてじゃないか?私の何でも聞いていこう精神を感謝した瞬間。


まぁ、いいや、とりあえず、願いを言っていこう。

まずは。


「行く場所は君の世界『リナール』だっけ?だよな?」


「うん」


「じゃあ、その世界で一番平和よいうか安全な国とかに住みたいんだけど、ないか?」


「あるよ、海に囲まれて外の国からの襲撃も少ない、なおかつ国営のギルドとか騎士団があるから、国内の争いも少ない国」


「…まるで日本だぁ。

じゃあ、そこの少し人里離れた所に住みたい」


「わかったー」


「あと、住む家が欲しいんだけど、何かいい物件ない?」


「ん〜?新しく作るよ?」


「まじかっ!」


これは、もしや!


「じゃあ、二階建ての家で本棚いっぱい、研究室も欲しい!あとお風呂とかトイレとか」

「待って待って〜」


おっと、少し黙ろう。お喋りが過ぎたようだ。


「どんなのがいいのかは向こう行って想像したら作れるようにするね」


「後から増設できるようにできたりは?」


「いいよー」


よっしゃー!!やりぃっ!


「あとは、衣食、だから…何かこう、想像したら出てくる四次元○ケット的なモノ欲しい」


「んー、ポッケじゃなくて他のでもいい?」

「いいよー!」


「じゃあ、何か装飾品にしようかな〜」


「装飾品かー、ネックレスとかは?」


「ピアスは〜?」


えー、穴ないからなぁ。


「痛くないよ〜?」


あ、じゃあ、いいかな。今まで開けてないのは痛いの嫌だったのと時間なかっただけだし。ピアスに決定。


「ピアスに触ってイメージすれば出てくるようにしたよ。あと、お部屋増やす時もピアスを触ってねー」


…これ盗まれないようにしなきゃ。てか私の場合は無くす可能性の方が高い。


「じゃあ、所有者登録しとくよー。こうすれば勝手に戻ってくるからね」


ありがたやー。

衣食住の後は安全だけど。

異世界だから、結界魔法とかないかな。


「あるよ?」

「あるの!?」


それは、早よ言え。

てか


「魔法あったんかーいっ」


「あるよー」


それは異世界から来る私でも使えるのか?


「使えるよー」


よっしゃー!!これは研究したい!未知のもの!やっふぉいーー!!フゥーー!!




……一瞬、取り乱した。冷静に冷静に。


ちょっ、少年、その目やめて、こう痛い子見る目やめて。ただのアホの子だから。痛くないから。


「…同じ」


グハッ、ダメージがっ


…うん、やめよう。話戻すよ。


安全は結界を張れるなら、それでとりあえずいいかな。強度に関してはどんな、なんだろう?


「異世界人は総じて魔力が高いから、それなりに強いの張れるよ。ただ、魔力量と操作できる技量は別だから練習必要だけどね」


なるほど。まぁ、それもそうか、練習あるのみか。

でも、そうすると最初は安全とは言えないのか。うーん。初めて張っといてくれないかな。


「いいよ、期限決めてくれたら」


「まじかっ!」


じゃあ、自分で同じ結界魔法を使えるようになるまでとかダメかな?だめですかね?


「いいよ、それで」


「ありがとー!」


ん?何か苦笑された。なんで?

あ、ついでに向こうの世界の言葉が通じるようにするのと、常識についての知識の埋め込みをお願いしとこう。


「しておくねー」


あ、ども。

あとは…娯楽だね。

研究は魔法に関して調べてみたい。

趣味の本はピアスで出せるかな?


「『リナール』の物は出せるよ」


「つまり、地球の物は出せない?」


「うん、紙の技術とかがまだ地球ほど進んでないから。家電とかも同じ理由で出せないよ」


あー、ここに来ての弊害が。

えー、地球の本ダメなんすかー、えー。…まだ完結してないシリーズたくさんあるのに。まだ論文出てない研究たくさんあるのに。


「……紙質さえこっちの世界の物にしてもいいなら内容を複写出来るようにしようか?」


「え」


そ、それは。


「著作権に引っかからない?」


「あ、そこなの?気にする所」


あとは著者に対する罪悪感かな。異世界持ってく時点でそこは考えても意味ないか。




あ、そうだ。


「向こうに行ったら君はもう不干渉なのか?」


「基本的には、ね。

向こうの人間にとって、ひいては僕の世界にとって有害であると判断されなければ僕は動かないよ」


「じゃあ、もう望みを叶えるのも無し?」


「そうだね」


「なるほど」



じゃあ、最後に。


「ちょっと私の姿をいじれないかな?」







そうして終えた望み叶えましょう会。

続いて、大移動。と言っても私の身体だけなんだけどね。


「じゃあ」


「うん、またね〜」


…なんか軽いなぁ。

そうして、心の中で、地球にいるお世話になった人たちに日々の感謝をした。

一応、地球では地球の神様が補填を行うから、少年は分からないんだとか。寂しくないようにしてください、私が。


周囲のみんな、今までありがとうございました。






よくわからないキラキラが眩しく、数度瞬きをした。

すると、私は座り込んだ姿勢のまま、小さな建物の中にいた。

見ると、まだ一部屋分しかない。ここが拠点か?後でへや増やそう。


一度外を見ておこうと思い、扉を開くと、視界いっぱいの緑。と、木。てか、ほぼ木。うん、緑って言ったけど、どっちかというと茶色だな。

森の中だなぁ。あ、結界張ってあるのが見えた。おぉ、見えた。色としては黄色に近い?触っていいものなのか分からないから、とりあえず観察だけ。


確か、ここはリクアチア国という王政の国。海に囲まれて山も存在している。そして、ここはその中でもちょっと広めの森の中。人里からは、まぁ、離れてる。

歩きだと何日かかるか馬でも何日単位とか言ってたな。


とりあえず、かなりの広さで円形状に結界が張ってあるようなので、建物の広さはそれなりに大きくできそう。



結界を見て回り、家に戻る。


さぁて、やりますか、リフォーム!!





結果から言おう。

できた。

目指していた二階建て。

ただ、初めの構想と違うのは書架の場所。初めは2階に置いて寝室の近くにする事で寝る前に読めるようにしようかと思ってたけど、床が抜けたら嫌だなと思い、1階にした。そして1階にした時に思いたった。


そうだ、喫茶店やろう。


私にはこの世界でやりたい事が複数ある。

その中でも筆頭は研究と読書だ。


そこで問題が出てくる。

私は残念な事に一つの事に集中するとそこから離れなくなる。つまり。

研究を始めると研究ばかりだし、本を読み始めるとひたすら読んでしまう。


そうなると両方出来ないのだ。

今までは研究室に行かないと研究出来ないから、研究のない日に読書というようにしていた。あ、就活中は就活一番だったからね、今はもう関係ないけど。クソゥ。


そんな私が、自宅兼研究室を作ったらどうなるか。

研究まっしぐらですね、はい。

しかしっ!しかしっ!私はっ!読書もしたいっ!



て、事で強制的に読書する日を作る事にした。

前は研究を強制的にするようにしてたから、逆にしてみた。


ただ、自分で決めただけだと、すぐにやめてしまいそうだなと思い、周りを巻き込む事でやらなければという状況を作る事にした。

前は研究室がそれに当たる。研究仲間がいたって理由でそちらにシフトできていたから。


では、どうやって何を巻き込むか。考えに考え抜いた結果。


まずは図書館を開こうと考えた。地味に大学の研究室の合間で図書館司書の資格取るために頑張ってたから。私的には折角本が好きなわけだし司書資格取っとくかくらいだったけど。だが、ここでは自由なんですよ、何をしても。だから、本を読む場所を提供しつつ、自分も本読みたいなって思った。

だけど、日本とは違い、この世界で無償は流石に常識的に駄目そうだなと考えていると、そういえばブックカフェとやらがあったなと思い出した。一度は向こうの店で行きたかったものだ。 珈琲とか紅茶も好きだし。何よりカフェ巡りも地球での趣味だった。……時間なくて全然してないけど。


そう考えたら、

店を開ければ人が来るかもしれない。

店にいなければいけない。

研究はできないから本読もう。

となって、本を読む時間を作れるという結論に達した。素晴らしい。



そーんな考えをしながら作った家は、1階に書架とカフェスペース、リビングとキッチンに風呂トイレ。

2階に研究室と書斎と寝室。


研究室が2階にあるのは、1階に書架があるなら2階に研究室かなっていう。それだけだ。

後付けで何かあったときに吹き飛ぶのが屋根だけで済みそうだなって理由もある。後付けだが。


そうして、1週間かけて出来上がった家。…うん、ものすごい早いのは分かってる。でも、早く魔法やりたかったし、本読みたかったんだよ。


そうやって、私の異世界生活の拠点は完成した。




異世界に来て家つくってから、1ヶ月くらい経ったかな。

言おう。ものすごい充実している!!


まず初めは研究ばかりしていた。だって、結界魔法を自分で張れるようにしないとお客さん中に入ってこれないし、呼びこんだりしないから来ない可能性の方が格段に高いけど、そうしないと私も本読めないし。


分かったことは、まず全属性使えた。

ただ、これはそこまでおかしくない。

この世界は基本的に誰もが全属性使える。


魔法を使うには、その元となる現象や概念を理解している必要がある。

逆に理解さえしてしまえば、全属性の初級魔法は使える。

例外は特別属性と言われているものだが、そこはとりあえず置いておく。


そして、その属性の中に優位属性というものが人それぞれ存在する。優位属性は、他の属性より難易度の高い魔法を行使できる属性と言える。

組み合わせや数はバラバラであり、遺伝であったり幼少期の経験であったりで決まるというのが通説だ。


そして、私の場合、優位属性は光と水と雷だった。

調べ方は簡単。中級魔法が使えるか否かだ。

用はやってみるだけ。んで、やってみた結果が、これだ。


その中で今家を覆う結界魔法は光属性の高難易度に位置する物だった。

それが分かってからはひたすら練習あるのみ。

使うことで優位属性が増える、かも。ともあったので、息抜きついでに他のもやっていく。

そして、1ヶ月後、自分でも早いなと思えるほどのアホみたいなスピードで結界魔法を使えるようになった。


このタイプの結界は張る時に一番魔力を使い、それからは維持のためにほんの少し取られるくらいで済むらしい。実体験だ。

どのくらいの期間張っていられるかは、分からなかったので、とりあえず観察していくとしよう。消えたら行使魔力量を増やして再チャレンジする。


それに、張った結界には、出入りなどの条件を付けた。これは研究の産物だ。

まず、この建物を壊す盗むといった意志のあるモノには見えないとように細工をする。

次に、見えたとして入るには私の許可が必要なようにする。

最後に、私が出て行けと願った場合、追い出してくれるように設定する。


これらは魔法陣を用いることで実現させた。

魔法陣は古代語を用いた主に円形の陣で、それを使うことで優位属性でなくても高度な魔法が使える。

しかし、弊害として、魔法陣の中の古代語の理解が必要なため、分かっている魔法陣は使えるが、少しでも分からない部分があると使えない。そして古代語を完璧に読める人間は存在しない。

そのため、この世界では未だ解明が途中の分野である。



だが、だがしかし。

私は!読める!!


そう、あの少年に言った望みの内容にサラッと入れたのが、言語理解だ。

通常の異世界人にも言語理解はできるようにするが1言語のみである。というより、現代語と古代語しか存在しないため、日常生活に必要な現代語のみの理解力があれば不自由しないのだ。あ、場所によっては多少の訛りがあるらしいよ。人に会ってないから聞いたことないけど。


私が望んだのは、通常バージョンとは違う、完全言語理解。つまり、古代語も含むのだ。


こうして私は古代語を含んだ魔法陣が理解でき、利用できるようになったのだ。バンザーイ!


あとは簡単。魔法陣に古代語で文を入れ、条件を指定する。さらにここで通常の人間が現代語で詠唱する所を古代語で詠唱する事で強力な結界が完成したのだった。やったね!




自作結界を手に入れてからの私はブックカフェを開く間隔を決めた。

それは3日に1日だ。

つまり、2日研究をして、1日読書する。ついでに店を開ける。人来るか知らないけど。



そうして、安定したルーティーンを獲得した私はものすごい充実している。



更に2か月後、客は来てない。

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