現実は甘くないけどここまでじゃないよね?
「なんで騎士が居ないんだよ!」
「まぁ、良いんじゃない。私達強いし一人を除いて…ふふ」
「「ははははははは」」
(うう)
「そんなこと言ったら響助が可愛そうで…「キャァァー」何?」
「どうし……た!」
これまでなぜ誰も気が付かなかったのか、そこには騎士が串刺しにされていた。
(いやこんな所には無かった、つまりは…魔法)
「何だよこれ」
「わが名はブラド、ブラド・ブラッティーローズ三世かの、串刺し貴その人なり。」
(何あいつ、聞いてもないのに名乗りだしたぞ?あと、いた?)
「君らは見たかね私の芸術を」
(中ボスかなあれ?)
よく考えたらこれは現実だった、俺たちはあまりにも非現実的なことが起きていて忘れていた
誰もが一度は思うだろうことだった、魔王は勇者が強くなる前に殺っちゃえばいいじゃん
それが現実になった。
刹那隣にいたクラスメイト一人が串刺しにされた。
「さぁ、君たちも僕のコレクションにして上げるぅぅぅーー」
「響助!!」
「は?」
遥が串刺しにされた。俺を庇って。俺が呆けていたから。反応すらしなかったから残虐に無慈悲に
ただただ、時間は流れた。頭がぐらつく。「なんで」という言葉が壊れた機械のようにリピートされる。
あんなに話した幼馴染があんなに笑った友達が好きな人が目の前で俺の代わりに死んだ
《条件を満たしました》
何の?
「大好きだよ」
《条件を満たしました》
もう少し早く聞きたかった。
クズの視線がこっちに向けられる。
次はお前だと言うのがわかる。
俺は弱い弱いいつまでもだから、強さを演じた頭の中でノートのなかで………ノート?
途端俺の胸が串刺しにされた。
《最終条件を満たしました》
《記憶を修復します……修復完了》
無機質だった声がだんだんとクリアになる。
思い出した数分前をゆめをあのノートを
「これから、宜しくね!ご主人様!!」
刺さっていた杭が砕けた。