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無名ゲームデザイナー、ゲーム世界の神となる  作者: 遠野空
第七章 ベルザーグ、他国遠征を決意
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偽神仲間、キター!


「どうした、ヴァレリー? なにか思うところがあれば、言いなさい」

「あ、いえっ。ふ、不満などではっ」


 慌てて首を振った後、恥ずかしそうに述べた。


「ベルザーグ様の臣下の方達は非常に有能なので……少し羨ましかったのです」

「おまえも私の関係者だし、同じく有能ではないか」


 ベルザーグはわざわざまぜ返してヴァレリーを赤面させた後、居住まいを正して持ちかけた。


「もし補佐役や手伝いの者が必要なら、おまえにもつけてあげるが?」


 事前にキャラデザインしてあったあの手のホムンクルス達も、まだまだ確保してある。

 幸か不幸か、既にキャラデザインが終わってフォルダで待機中のキャラ達を呼び出す――つまり、待機状態から活動状態に移行する分には、クリエイトポイントは特に必要ないらしいので、大いに助かっている。


 一郎時代の余計な内職も、ここへ来てからは役立つことが多い。




「ええっ!?」


 隣に座すヴァレリーは、ほんのわずかの間にくるくる表情が変わった。

 結局は、最後に申し訳なさそうな表情に落ち着きそうに見えたので、ベルザーグは自分から申し渡してやった。


「お試しということで、適当な人数を送ろう……普通の人間がいいか、それともここで働くホムンクルスのような者がいいか、この話し合いの後で教えて欲しい。ただ、おまえの国には戦士が大勢いるだろうから、やはり文官系の能力を持つ者がいいだろうな」


 そういえば、今ここで働いているホムンクルス達のうち、およそ三割程度は魔法が使えるし、レストレーション……つまり、復元の魔法も使用可能なはずだ。

 それを思えば、修理と組み立てのために複数グループに分かれて作業するのは、実に理に適っている。おそらく各グループに一人は、レストレーションが使える者を入れているに違いない。

 壊れている部品を復元し、それを図面を元にドシドシ組み立てていくわけだ。


 あの地味な魔法の有効性に気付き、それを即座に、これほどスピーディーなやり方で実地に活用するというのは、なかなかできないことのように思える。

 各自の能力を知り、それを最大限に活かす必要があるからだ。

 おそらくローランドの指示だろうが、彼の有能さをはっきりと証明していると言えるだろう。


(今更だが、あの子は見かけだけの少年ではないな。さすがはイベントキャラ)


 ベルザーグが斜め方向に感心している間に、ヴァレリーが感激の声を上げた。




「あ、ありがとうございます!」


 世界トップクラスの戦士なのに、邪気のない笑顔を見せてくれた。


「さて、それではそろそろ肝心の話に入るかな。ローランド、これまでにわかったことで、大事なことを教えてくれないか?」

「はっ」





 正面に座ったローランドをまっすぐに見ると、彼は低頭してかい摘まんで語り始めた。


「西方から侵攻してきた敵の本国は、ロシュフォール帝国という国名で、あの三隻の飛行戦艦は、かの国の皇帝の命により、我らがヴィオランディス大陸にやってきたようです。与えられた命令の内容は『東の彼方に、我らが知らぬ大陸がある。おまえ達はそこへ進軍し、どこまで侵略できるか、試してみよ。ただし、敵の反撃が意外に強力だと判断した場合は、即座に撤退して予に報告せよ』だったようです。ちなみに、飛行戦艦は魔力を動力にしていて、燃料にはマジックウォーターというものが使われていました」


「ほう? マジックウォーターというのは、もしかするとマナを液体化したものかな?」


 自分がそういうものをゲーム中に取り入れようとしたことがあるので、ベルザーグはふと尋ねてみた。

 そもそも、ベルザーグの本拠である飛行都市ハイランダーも、動力源にはマナの結晶であるマジックストーンが使われている。石か液体かの違いでしかない。


「さすがでございます、ベルザーグ様!」

「感服致しました」


 半分以上当てずっぽうだったのだが、どうもどんぴしゃりだったらしい。

 ローランドとグラガンは、テーブルに頭をつけるかと思うほど深々と低頭した。


「いやいや……それより、マナという不可視の物が固体化した例としては、マジックストーンがあるが、液体化の例はないな。早速、私が――」


 言いかけ、ベルザーグは『待て待てっ。ここは余計な提案するより、彼らに調べさせる方がいいっ。俺が動くとボロが出そうだ』と思い、微妙に言い方を変えた。


「おほん。つまり、石化したマジックストーンか、それとも液体化したマジックウォーターか、

そのどちらが効率よく魔力エネルギーを取り出しやすいか、いい勉強になるから、自分達で調べてみなさい。もちろん、当面の任務の合間で構わない」


「ははっ」

「承りました!」


 二人揃って元気に応じてくれ、ベルザーグは大いにほっとした。

 よし、より効率のいい方が判明したら、今後はそっちを動力源として採用しよう。


「さて、兵力などの詳細は後で書面で報告してもらうとして……他になにか、今の時点で特に注意すべきことは? 」


 ローランドは「大きなところでは、特にありません」と答えたが、意外にもグラガンが発言した。


「捕虜達の尋問の中で、一つ気になる共通点がございました」

 

 やや自信なさそうな声音だった。


「まあ、考えようによっては、そこでは普通なのかもしれませんが」 

「いや、構わないとも。なんといっても、相手は我が創造世界とは異なる地から来た者達だ。どんなことでも参考になる」


 ベルザーグは優しく促してやった。


「気にせず、教えてほしい。どのような共通点だ?」

「はい……連中のほとんど、およそ九割以上が、同じ神を信仰している信徒らしいのです」


 ベルザーグは思わず絶句した。それは……つまり……俺と同じ立場の――。

 反射的に、


「くわっ。偽神仲間キター!」


 と喚きそうになった。

 仲間といっても、もちろん全然歓迎しないが。


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