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無名ゲームデザイナー、ゲーム世界の神となる  作者: 遠野空
第二章 創造主(一郎)の覚悟
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見た目を裏切る、高レベル魔法使い

 かなり久しぶりなので、立ち上がったベルザーグの眼前に立っても、恥ずかしそうにもじもじしていたが、そんな姿を見て、アリオンが横から言った。


「エステルはもう半年以上、いつベルザーグ様と再会できるかと、毎日ここへ来ていたんですよ」

「ちょっと、アリオンっ」


 ヴァレリーと違い、肉体年齢と実際の年齢が完全に一致しているエステルは、バラされて真っ赤になってしまったが、それでもベルザーグが「おお、それは悪かった。待たせてしまって悪かったな」と言って頭を撫でてあげると、いつものように自分から抱きついてきた。

「ベルザーグ様、久しぶりに抱っこしてください!」


(うおっ)


 ベルザーグ……の中の人である一郎が驚いたのは、そのインパクトである。

 まだローティーンの少女らしく、別にテストプレイの時からこの子はこんな風にベルザーグに懐いていたのだが、フルダイブ時の抱擁が以前と全然違う。


 基本的にヴィオランディス・サーガは、「十八禁に当たる行為は禁止」のゲームである。男女ともに、十八歳以下でもプレイするのだから、当然だ。

 よって、フルダイブでプレイしていようが、抱き合うくらいならともかく、それ以上の過度な接触は禁止だし、無理にしようとすると強制ログアウトされるシステムである。

 それに、仮に抱き合ったところで、かなりの部分、実際の感触はカットされてしまう。


 しかし……今こうして以前のようにエステルに抱きつかれると、もう普通にリアルワールドで女の子を抱っこしているのと同じ感触だった。

 昨晩、ファニールを着替えさせた時は夢中であり、ほのかな疑問を抱いただけだったが、これではっきりした。

 ……今やゲーム内はリアルワールドと同じ五感が味わえるらしい。


(や、ヤバくないか、それ? つまりその、なにもかも全部できてしまうってことだろうに)


 そもそも、フェニールを襲おうとした野郎二人もそのつもりだったし、ベルザーグが介入しなければ、実際にエラいことになっていたのだろう。




「ベルザーグ様、どうかしました?」


 長時間ポカンとしていたせいか、エステルが顔を上げて心配そうに問う。

 ベルザーグは慌てて首を振り、ご要望通り、抱き上げてやった。


「わあ!」

「いや、なんでもないよ」


 そのまままた腰を下ろし、頭を撫でてあげた。

 まあ、エステル相手に怪しい気分になることはない……多分。


「エステルが元気そうでよかった。なにか困っていることはないかな?」

「いいえ。お仕事もちゃんとこなしてますよ~。エステル、高レベルの冒険者として、ちゃんとお仕事もこなしてますから!」

「そうかそうか、エステルは凄いなっ。どれ、ちょっと見せてごらん」


 わざとらしいほど大仰に驚いて見せ、ベルザーグは片手で彼女のステータス画面を開いてみた。




 

○エステル・グランベール○


種族:龍族

年齢:12 純白の髪 黄金色の瞳


技能:ホワイトドラゴンとしてのLvは10

ただし、ルーンマスター(魔法使い)Lv82



ヴィルゲリア帝国の帝都エグランデル在住。

ホワイトドラゴンの最後の生き残り。生まれた直後に両親は外敵に殺され、ベルザーグが保護してギルド「ハイランダー」のメンバーとして衣食住に不自由がないように留意している。

ちゃんと自分の屋敷もあり、お友達代わりのメイドさん付き。




○キャラ概要○

龍族最強を誇るホワイトドラゴンの生き残りであり、最後の一人。

まだ幼龍なので、ドラゴン形態に変身しても、成龍の半分程度の大きさ。それでも体長は十メートルを越える。

人間としては、ほぼ年齢通りの外見。

両親の顔も見ぬうちにベルザーグに保護されているので、ベルザーグに非常に懐いている。そのせいか、他の者には見せない年齢相応の子供っぽさも、彼の前では遠慮なく見せる。



 ……このステータスを見るのは久しぶりだが、ついでに才能限界値も調べると、これも代わらず、マックスの100だった。

 つまり、ヴィオランディスサーガが定める、カンストレベルまで成長するということだ。

 というか、既にルーンマスターとしては、他の人間が追従できないレベルなのだが。


 さらに技能も調べると、習得している魔法がやや攻撃系に偏っているのが気になるが……スキルも数多く所持し、既にとんでもない実力者となっていた。

 ここ数年、ギルドの仕事もこなすようになってから、唖然とするほどの勢いでレベルや技能が上昇したようだ。


 さすがは、ゲーム内の全種族を通して比類なき才能と実力を誇る、ホワイトドラゴンの末裔である。

 もしも才能限界値を外してしまったら、魔王ヴァレリーでさえ、そのうち太刀打ちできなくなるかもしれない。



「そうだ、エステルの才能限界値も引き上げておこう」


 ヴァレリーにしてやったことを思い出し、ベルザーグは愛想よく言った。

 実際、この分ではもうすぐこの子の力を借りる事態も起きるかもしれない。


「本当ですかぁ!」


 エステルは子供っぽく、ぱあっと顔を輝かせた。


「じゃあエステル、頂いた力を使って、ベルザーグ様の外敵を全部滅ぼしてあげますねっ」


 ベルザーグの膝の上で伸び上がるようにして囁いてくれたが、ベルザーグはふと背筋が寒くなった。

 自分で設定しておいてなんだが……ホワイトドラゴンすら滅ぼした外敵なんてのが、そのうち本当にこの世界に現れる気がしたのだ。


 もしそうなったら、創造者としての能力に制限がかかった状態で、自分はどこまで対処できるだろうか……。


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