ー第2話ー
居間に来たがそこにはもう父の姿はなかった。
「お父さんもうお仕事行っちゃったの!?朝ごはん作ってない!」
アンジェラはあわててお父さんにお弁当でも作ろうと台所に向かうと近くにあるテーブルに置き手紙と父が作ってくれであろう朝食が置いてあった。
『アンジェラへ。
今日は私が朝食を作ってみたんだ、食べてくれ。
いつも家事を任せきりですまない。
いつも、ありがとう。
それと、いつも言っている事だが、くれぐれも森の奥には行くなよ。
父より 。 』
置き手紙を読んで父が作ってくれた朝食をみた。
形の悪い目玉焼き、少し焦げているベーコン、とても具沢山なスープ。
「相変わらずだな、お父さんの料理!久しぶりに食べるなぁ」
アンジェラは大きくなるにつれ、自分から家事を手伝っている。
掃除に洗濯、食事の用意まで今はすべてアンジェラ1人でやっている。
アンジェラは父が作ってくれた朝食を食べ、いつものように掃除に洗濯を終わらせてから、遊びに出掛ける。
「いってきまーす!」
誰もいない家にそういって今日も彼女は元気にいつもの待ち合わせ場所に向かった。
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「ねぇ、聞いた?行方不明になった子の話。」
「聞いたわ、森に行ったきり返ってこないんでしょ?」
「本当に気味の悪い森だわ…」
「早く原因が分かればいいのにね…」
…また森の噂話だ。
待ち合わせ場所に向かうアンジュラの耳には、この村にある大きな森のとても奇妙な噂話しか聞こえない。
森の奥に入ると帰ってこれないとか…
ただの子供を脅す為の話だとアンジェラは思っていた。
現に彼女は森に対してなんの恐怖もなかったのだ。
彼女は森の奥がずっと気になっている。
だが、父に絶対に行ってはいけないと言いつけられている為、彼女は父の言いつけを守っている。
「…森はとても素敵な場所なのに。」
アンジェラは太陽の光を浴びて輝き、風が吹けば踊るように囁き合う葉、緑と大地で自然の公園のような森がアンジェラはとても好きだった。
「…きっとみんなその良さをわかってないだけ。きっとそうよ。」
アンジェラは気にせず、少し急ぎ足で待ち合わせ場所に向かった。
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ーネェ、アンジェラー
ーモウスグアエルネー
ーワタシノオシロトッテモステキナトコロダカラー
ーハヤクハヤクハヤクー
ーハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクハヤクー
ーア イ ニ キ テ ア ン ジェ ラー