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ティレリエン・メア 〜学館の陽は暮れて〜  作者: 西羅晴彦
滅びの魔女と癒しの聖女
528/664

状況把握会議

先週土曜の分はスキップとさせてください。

よろしくお願いします。

聖女教育が始まった日の夜、ユーナは眠りに就いたリディアとカリンを残して自室を後にし、アンナの部屋に出向いた。

そこで精霊達から報告を受けるのが目的だった。

部屋には、部屋の住人のアンナの他、護衛騎士のカールとオリヴィエにニキア、そしてクリスがすでに顔を揃えていた。

「クリュオ、報告を」

ユーナは開いていた椅子に座り、その場に居ない者の名を呼ぶ。

すると、ストロベリーブロンドの少女がどこからともなく姿を現す。

その様子に驚いているのは、人間の中ではオリヴィエだけだ。

「フラグランティア、ゼロティピア両名の分も合わせて、本日の報告をいたします」

ユーナに対してひざまずき、目を伏せてクリュオは続ける。

「聖堂本部内では、少なくとも2つの派閥に別れているようです。1つないし2つの派閥はユナマリア様。早く追い出そうと画策しており、もう一つの派閥は好意的に見ている様子。前者の中心人物は『四聖徒』の1人ペテロニウス、後者の中心人物は教皇ソーテール」

「私たちに敵対的な派閥が2つ以上ある、ということでしょうか?」とアンナが訊くと、

「ユナマリア様を追い出すという共通目的で現在は団結している様子。敵対的な派閥がどのようなグループに分かれるよかは、さらに調査が必要です」とクリュオが答えた。

「へー。でも、全員が敵対的じゃないというのは、ちょっと驚きね」

ユーナはそう声には出したものの、会議の時の教皇の様子を思いだせば、納得できる部分もある。聖堂本部側の対立構造の存在は、ユーナの側にしてみればメリットもある。例えば、ユーナ達に好意的な派閥と手を結ぶことで、多くの情報が得られるし、一緒に敵対的派閥を一掃することを考えることもできる。

「まあ、どう動くかを決めるには、もう少し情報が必要ね」

ユーナは、どう動くべきか。確定するのを先延ばしにすることにして、

「他には?」とクリュオに話を向ける。

「はい、報告するもう一つの内容は、この領域内に人外の者の痕跡が残されているもいうことです」

クリュオはさらっと報告するが、それが本当なら大問題だ。聖なる社に魔物が居ることになるのだ。カムネリア教であろうがダールバイ教であろうが、魔物は邪の存在として否定するのが信条になっているようだから。

「一応、確認するけど、人外って、あなた達以外に、ってことよね?」

「はい、少なくとも精霊族ではありません。もしそうだった場合、我々に対して身を隠す意味がありませんので」

「そっか……。その人外って、今も居るの?」

「いまは領域内には居ません」

「だとすると、すぐに遭遇するようなことにはならいかな。もし万が一見つけちゃったりしたら、面倒よね……」

「はい」

と首肯するのはアンナのみ。

魔術を修めているはずのニキアとクリスは、残念ながら『面倒』の裏に隠れたものにピンときていない。

「面倒って、なんで? 見つけたら狩れば良いだけじゃないの?」とニキアは何の疑念も持たずに訊いてくる。ある意味、頼もしくもあるが、もしニキアが遭遇した時のことを考えると、はっきり教えておいた方がいいのだろう。

「アンナ、お願いできる?」

「はい、」

と、請け負ったアンナが言ったのは、だいたい次のような内容。


もし聖堂本部内に魔物が居て、それと我々が遭遇した場合、立場上、狩らないわけにはいかない。だが、狩ってしまうと、魔物の存在は公になるのは必至であり、そうなれば、なぜ聖堂に魔物がいるのか? という追求が始まるだろう。帝国から審問官が派遣されたり、かたや聖堂は隠蔽に躍起になったりということが想像される。

そんなことになってしまっては、ユーナの任務が遂行不可になってしまう。

まあ、その場合でも、皇帝陛下の思惑とは違う形でダールバイ教の闇が顕わになるのかも知れないが、それは陛下もユーナも望むことではない。

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