表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自由気ままな戦場ライフ(暫定)  作者: 夜鳴月 葵
1/3

第1話:プロローグ(1)

初投稿です。稚拙な駄文ですが、読んで頂き、感想も頂ければ幸いです。

「ん───あれ……ココ、何処だ?」


目を開くと、見知らぬ場所に立っていた。

何度目を擦っても、瞬きを繰り返しても同じ。

全く知らない、どこかの風景が目前に広がっていた。


「えーっと………俺の記憶が確かなら、さっきまでダチと喋りながら帰ってたはず……なんだがなぁ………」


そう、ついさっきまでは、仲の良い友人二人と一緒に、下らない事を駄弁りながら帰っていた。

だが、その友人二人の姿はなく、代わりに───


「この、瓦礫の山が目の前にありました、と──ハハッ、なんだこれ?どんな状況?マジで冗談きついぜ……」


あまりにも訳の分からない状況に俺は、現実逃避をしていた。

死んだ目をしながら半笑いで周囲を見渡す。するとある一点が、チカッ、と一瞬だけ光った。

一体なんだろうか、と思慮を巡らせている間に───


───《それ》は、起こった。


「───っ!?」


閃光。爆風。熱。それらが一気に、一瞬で襲いかかった。

俺はその爆風に飛ばされ、先程見ていた瓦礫の山にぶつかる事で漸く止まった。

熱で肌を焦がされ、そのあまりの痛みに、肉の焼ける音が聞こえるような錯覚さえする。

現代人が、ましてや日本の学生が味わう筈も無い痛みに、俺は動揺していた。だが、それと同時に──


「───んだよおいチクショウ……!!」


───怒りと、嬉しさ(・・・)がこみ上げてきた。


「なんでこんな事になったのかはこの際一旦置いておいてもいい───が、俺の身体をこんなにしてくれちゃって?更に第一町人ハッケーン……となれば、追わない訳にはいかねぇよな?」


と、言い、────にぃ、と。

その顔に凄惨な笑みを浮かべた。

それと同時に立ち上がり、荒廃し、瓦礫まみれのビル街を走っていく。

先程の、光の発生源へと向かって。

だが、爆風を受け転がった際に何処かを傷めたのか、走り方は不恰好で、不安定だった。

しかし、そんなことは関係ないとばかりに、脚を前へと伸ばす。

前へ、前へ──早く、早く撃ってきた奴の所へ、と。

この、自分の置かれた状況を知るための、手掛かりになると信じて。


走り続けて少したった頃、偶然、自分と同じくらいの年頃の、何処かの制服(学ラン)を着た男子の死体を見つけた。

何故こんな所に?とも思ったが、先程の自分の体験を踏まえ、珍しくないだろうと思い至った。


(眉間に1発、か………この死に方は自殺や巻き込まれの類じゃないな………殺された、か。レジスタンスかなんかだったのか?)


と考察し、


(ま、今はそんなことどうでもいいか。)


と思い直す。


(それより、なんか武器持ってねぇのか〜武器〜〜)


ゴソゴソと、その死体を漁る。


(出てきたのは………拳銃と、予備弾倉、あと刀か。っつーか、なんでこのご時世に刀?ま、丁度いいや。趣味で居合いやってて良かったかもなぁ………)


などと考えつつ、腰に刀を差し、制服の胸ポケットに拳銃を入れ、予備弾倉をポケットの中に入れておく。


(おっ、ついでに応急処置セットみっけ!)


自分の身体の怪我に、最低限だが、治療を施す。


「うぉ〜……もう痛みに慣れて、あんま痛くなくなってきた……ま、好都合か。」


そして応急処置を終えた俺は──


「っし………んじゃ、追跡続行しますかね!」


件の場所目掛けて、全力疾走した。


「──っとと、その前に!」


───が、すぐに立ち止まり、


「成仏しますようにお願いだから祟らないでね〜ナムナム………」


と言いながら、手を合わせた。


〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


「っしゃあ着いた、っと!!」


全力疾走して辿り着いた、撃ってきた場所。


「にしても、マジでここから撃ったのかよ………」


そこは───


「神社の、境内だぜ……?」


俺を驚嘆させたのは、まずその距離。

先程までいた場所へ届かせ、更に正確に人のいる位置に落とす事は困難だ、という事がありありと判る距離が、この神社と先程の場所にはある。

いくら坂の上で高度が稼げるからといって、そう簡単なことではない。

だが、俺はそんな一切合切を無視し──


「なん…………って罰当たりな…………」


──などという、場違いな感想へと行き着いていた。

馬鹿な事を考えながら、境内へと入って行くと。


「───ほぅ?何が罰当たりなのか、お聞かせ願いたいものだな。」


と、声が聞こえた。


「んー?そりゃ、神社の境内でロケラン撃つなんて、神聖な場所を穢しているとしか………」


「だが、流血している訳では無いのだから、穢れは無いと思うのだが?」


「ん………あれ?確かに。いやーごめんごめん、罰当たりなんて言っちまって。俺の勘違いだったわ。」


「だろう?寧ろ、そんな怪我をして、血を流している君の方が、ここに穢れを運んでいると思うが?」


「あっれぇ確かにぃ!?ヤッベどうしよ!!?」


俺は上手く切り返され、わたわたと慌て始めた。

が、すぐに、


「い、いや、ほら、まぁ、うん?神様って寛大だから?俺の穢れくらいなら?許してくれる気がするんだよね?うん?」


と、誰ともなく言い訳をし始めた。

そしてそれが落ち着いた頃、俺は。


「っと、まぁそれはそれとして──」


と、笑顔で言いながら、


「───アンタ、誰よ?」


胸の内ポケットから拳銃を抜き放ち、その声の主、鳥居に寄り掛かっていた、先程の死体と同じ(・・・・・・・・)、黒の学ランを纏った青年に向けた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ