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バレンタイン 桜色


ダメだ…。



 隣の席はこの前までずっと空いていた

あの女子が転校するまでは俺の隣は誰もいなかった。



 「ホームルームはじめるぞー。」



いつもの先生の声かけ、静まる教室。

だが今日は特別違和感を感じた。



 「えー…、転校生を紹介する!」



先生も新しい生徒がきてかなり喜んでいるようだ

この教室人数少ないからな……



 「新 真紅です、これからよろしくお願いしますね」



 軽やかな挨拶、さっぱりした物言い

きっと転校にはなれているのだろう、と思う。



 「えーそれでは真紅くんはあそこの空いてる席に」



 俺の隣が空いていたため、真紅は顔一つ変えずに

俺の隣の席に来た、横顔も真正面から見ても綺麗な顔立ち。

 これは今日から親衛隊とか変な団体できるぞ…。

 俺はそう予想した。

一応隣の席なのだから挨拶はしたほうがいいな。



 「はじめまして、音無 陽日です」

 「はじめまして」



 あまりにも短い返答は少し驚いた。

 もっと愛想のいい子かと思っていた、やはり

顔で判断するのは間違っている。

 それが顔に出ていたのか真紅はホームルームが終わるまでこちらを一切

向かなくなった。



 「陽日、真紅くんを学校案内よろしく」

 「俺が…。」

 「頼む! この学校狭いからいいじゃないか」

 「いいですけど」



 嫌々というより無理やり学校案内を任せられ

俺は真紅に学校中説明を加えながら歩いていた。

 横で一緒にならぶと俺の方が15cm並に高かった

意外に小さいんだな、と思わず顔がふにゃとなった。

 美術室にて。



 「何ニヤけてるんですか?先輩!」

 「うわ…ッ 驚かすなよ!」

 「いやー、遠くから先輩が綺麗な美女と歩いているのが見えて

  急いできました」

 「急がなくてもよかったけど」

 「で、その綺麗な美女はどうしたのですか?」


 

 真紅は恥ずかしそうな素振りを全く見せなかった。

 というより自分のことを言われていると気づいていないようだった

真紅は目の前にある絵画を眺めていた。

 俺の斜め後ろでは後輩の舞が尋問のように質問を投げかけてくる。

 それは全部無視するわけだが。



 「真紅…ちゃん? 絵画とかそうゆう絵好きなの?」

 「あ、先輩この美女転校生だっ…」



 とりあえずうるさいので口を手で塞いでおくことにした。

 なんだ一番これがうるさくなくなるじゃないか。



 「そうだね、私絵とかすごい興味あるの」



 質問の返答はホームルームの時と少し違う印象を受けた

ほんわかしていた顔に合った、そんな喋り方だった。



 「じゃ、美術部とかどうだい?」

 「いいですね、けど辞めときます」

 「ッゴボッッゴホゴホ」


 入ると思って誘ってみたのだが、予想は外れ。

 驚いて舞の口を塞いでいた手が急に離れて

舞は咳き込んでいた。

 そんなにきつかったのか、俺の口の塞ぎ方。



 「先輩!ひどいですよー、苦しかったです」

 「あー、」

 「あー、じゃありませんよ!!死ぬかと思った」



 そんな舞とのいつもの会話を聞いて面白かったのか

真紅は微笑んでいた、その微笑みは綺麗すぎた。


やっぱりダメだ…。


これは個人の感想になってしまっている。

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