第9話 え、パパが勇者!? 森の王を一撃でー!? 勇者覚醒!!
森の奥――。空気が震えるほどの圧が辺りを包んでいた。
巨体のゴブリンキングが、唸るように立ちはだかる。 その足元には無数のゴブリン。まるで“王”を守る兵のようだった。
亮「で、でかい……あれ、ほんとにゴブリンか……?」
あんな「間違いないわ。あれが群れを率いる“王”」
みゆ「戦闘力、桁違い。普通の攻撃は通らない」
ゴブリンキングが、ゆっくりと棍棒を振り上げる。空気が鳴り、地面が悲鳴を上げた。
あんな「行くよ、みゆ!」
みゆ「了解」
同時に駆け出す。あんなの剣が閃き、みゆの掌から魔力の光がほとばしった。
――だが。
ガキィィィンッ!!!
剣の斬撃は弾かれ、魔法の炎もキングの皮膚をかすめただけで消えた。まるで見えない膜に守られているかのように。
あんな「嘘……効かない!?」
みゆ「反射……! 魔力そのものを跳ね返してる!」
ゴブリンキングが咆哮を上げ、巨大な棍棒を振り下ろした。 地面が砕け、木々がなぎ倒される。
亮「うおおおっ!? ま、待って待って! 話し合いはナシ!?」
あんな「みんな下がって!」
みゆ「接近戦は危険!」
その時――。
もっふる「ピィィィィィィィィィィィィッ!!!」
鋭い鳴き声が森を震わせ、ゴブリンキングの巨体が一瞬だけ硬直した。 棍棒が止まり、空気が揺れる。
みゆ「……効いてる! 神経に干渉してる……!」
あんな「もっふる……すごい!」
あんな「今よ、みゆ!」
みゆ「うん!」
二人は再び同時に攻撃を仕掛けた。剣が閃き、魔法の炎が轟く。
――しかし。
ガキィィィンッ!!! ドォォォォンッ!!!
剣は弾かれ、炎は黒い膜に吸い込まれるように消えた。
あんな「また……効かない!?」
みゆ「完全に跳ね返してる……! 防御膜の強度、異常……!」
ゴブリンキングが再び棍棒を振り上げる。迫る絶望――。
――その時。
亮は低く呟いた。
「俺が守るんだ……」
その瞬間、亮の身体の奥でふわりと温かい光が広がった。 家族を守る強い想いが、眠っていた力を呼び覚ました。
亮「――スキル発動。《お米の祝福》。」
全身を淡い光が包み、呼吸が静かに整う。視界が澄み切り、剣が光を帯びた。
みゆ「……っ、すごい……!測定不能レベル……」
あんな「パパ……完全に別人みたい……」
亮は静かに剣を構え、無言でゴブリンキングを見据えた。 その瞳には迷いがなく、ただ家族を守る決意
だけが宿っていた。
亮「うおおおおおっ!!!」
一歩、二歩――そのままゴブリンキングの懐へ。
剣が閃光を放ち、一閃――!
眩い光が走り、ゴブリンキングの巨体が大きく仰け反った。剣先が、その厚い胸を真正面から貫いていた。
ドォォォン……。
森を支配していた圧が、すっと消えていく。 その静けさの中で、亮は剣を下げ、言葉もなく静かに佇んでいた。 その姿は、家族にとって何より頼もしい背中だった。
亮「……あんな、みゆ、もっふる、怪我はないな?」
あんな「う、うん……」
みゆ「……すごすぎる……」
もっふる「ピィ」
あんな「……倒した……の?」
みゆ「信じられない……。さっきまで、どんな攻撃も通らなかったのに」
温かい光は静かに薄れ、そこに立っていたのは――勇者ではなく、いつもの日常に戻ったパパだった。
みゆ「さっきまで“職業:勇者”だったのに……今は完全に“いつものパパ”だね」
あんな「ほんとだ……さっきの迫力が嘘みたい」
亮「いやいやいや、体が勝手に動いて……ちょっと怖いんだけど俺……!」
もっふる「ピィー」 (さっきの方がかっこよかった)
亮「もっふる? 今の褒めてんの!? ツッこんでんの!?」
家族は思わず笑い、張り詰めていた空気がふっと和らいだ。
亮「お前もすごかったぞ、もっふる! あの鳴き声、効いてたな!」
みゆ「“金切り声”の上位干渉波……完全に戦闘用だわ」
あんな「……頼もしい仲間が増えたね」
もっふる「ピィ♪」 (尻尾をふりふり)
こうして――
森を支配していた“咆哮する王”は沈黙した。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、 神崎家がまだ知らない新たな力の目覚めの始まりだった。
第10話 え、パパが勇者!? 森ごと浄化しちゃったー!?
あんな&みゆ「え、すごーい♪」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます! もし「パパ、またやらかしてる(笑)」「神崎家、ちょっといいな」と少しでも思っていただけたら、 下にある**☆☆☆☆☆を★★★★★**にして応援していただけると、執筆の凄まじい活力になります!
パパが調子にのりますけど、私たちが止めまーす⁉
ブックマーク登録も、あわせて、お願いいたします!
皆様の応援が、亮さんの天然パワーを加速させます!
もっふる「ピィー♪」




