第75話 え、パパが勇者!? 最強モグラの鉄壁ガード!? もっふると弟子の超連携でボスを倒したらパパの存在を完全に忘れてたー!?
地下の広間。
そこには、通常のモグラとは一線を画す威圧感を放つ巨大な影があった。
みゆ「鑑定……グラウンド・モール。追い詰められると天井を崩す。注意」
ベアトリス「はいですわ!」
ベアトリスは剣を構え、巨大なモグラと対峙した。
ベアトリス「《燃え盛る火球よ、我が敵を討て――ファイアボール》!」
勢いよく火球が飛ぶ――
だが、グラウンド・モールは太い爪で軽く振り払い、火球を弾き飛ばした。
あんな「え、手で払った……?」
みゆ「あの爪、厄介」
あんな「攻撃だけじゃなくて、盾代わりにもなるってこと? 厄介ね……」
今度はベアトリスが剣で踏み込む。
しかし――
ガキィン!!
鋭い剣閃もまた重厚な爪に弾かれ、逆に強烈なカウンターを受けて床に叩きつけられた。
ベアトリス「キャーッ!」
ドンッ!
床に叩きつけられる。
あんな「ちょっとあのモグラ強いのでは?」
みゆ「大丈夫」
もっふる「ピィー!」
何度も立ち上がり、果敢に攻めるベアトリス。
しかし、攻撃が当たる直前で弾き返される膠着状態が続く。
それでも――
彼女は諦めない。
ベアトリス「まだ……ですわ!」
あんな「大丈夫ー?」
ベアトリス「大丈夫ですわー!」
みゆ「ベアトリスより少し強い」
あんな「え? 大丈夫なの?」
みゆ「……」
もっふる「ピィー!」
もっふるが鳴くと同時に、小さな体で走り出した。
もっふるはグラウンド・モールの足元を素早く駆け回り、注意を引きつける。
ベアトリス「もっふるちゃん! 協力してくれるのですわね!」
もっふる「ピィー♪」
二人の動きは、まるで最初から決まっていたかのように噛み合った。
左右からの連携攻撃。
もっふる「ピィーーー!」
その鳴き声が合図となり――
ベアトリス「今ですわ! グラーディオ流――紅蓮一閃!!」
鋭い一撃が、グラウンド・モールの急所を捉えた。
ドスンッ!!
巨大な体が崩れ落ちる。
ベアトリス「やったーですわ!!」
あんな「すごい! 完璧な連携だったよ」
みゆ「……120点。完璧」
ベアトリス「もっふるちゃんのおかげですわ! ありがとう、もっふるちゃん!」
もっふる「ピィー♪」
ボスの居座っていた奥の部屋を確認すると、そこにはあちこちの店から盗み出されたであろう大量の食糧が山積みになっていた。
あんな「これ……あちこちの倉庫から盗まれたやつだね」
みゆ「宿屋の地下に繋がっていた理由、納得」
一行が地上に戻り、宿屋の主人に事の顛末を報告する。
主人「おおお……! 本当に助かりました! ありがとうございます。……ところで、亮様はどちらに?」
あんな「あ、パパ……」
みゆ「忘れてた」
ベアトリス「ですわ」
もっふる「ピィー♪」
慌てて地下に戻ると、落とし穴をのぞくと
亮「遅いから忘れてると思ったよ」
あんな「まさか……忘れるわけないでしょ……でも、意外と寝心地良さそうだね」
亮「そんなことより早く出してよー!」
落とし穴?に取り残されていた亮を救出し、大量の食料を宿屋へ運び出した。
宿屋の主人「いやー、本当に助かりました!今日はご馳走をふるまわせてもらいますよー!」
亮「おおー! お酒もね!」
宿屋の主人「もちろんですとも! 今日はおごりますから、じゃんじゃん飲んで食べてください!」
あんな「ねえ……なんか最近、最後にご馳走で締めるこのパターン、多くない?」
みゆ「多いです」
ベアトリス「そうなのですか?」
もっふる「ピィー♪」
こうして――
地下の騒動は幕を閉じ、神崎家には新しい「戦友」としての絆が芽生えた。
穴に落ちていただけのパパも、ちゃっかり美味しいお酒にありつき、
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、
地下迷宮から救出された食糧とパパ?を祝う、賑やかな晩餐会へと続いていく。
グラーディオの街が感謝のパレード状態に!?
穴に落ちていただけのパパが「英雄」として崇められ、温泉無料券をゲット!
美人三姉妹(?)といざ出発、目指すはタダ風呂三昧の極楽スローライフ!?
次回、第76話 え、パパが勇者!? 「美人三姉妹」でいざ出発!? グラーディオの皆様に別れを告げて、目指すはタダ風呂・温泉地ー!?
パパの「無自覚」が引き寄せる、新たな波乱の予感にご期待ください!




