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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第六章 誤解編 ~自由を求めたはずが、国家案件に発展!?~

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第67話 え、パパが勇者!? 領主様が勝手に大混乱!? ただの温泉掘りが国家級の隠密作戦に誤解されたー!?

グラーディオ領主館。

執務室の窓からは、商業都市特有のざわめきが、遠く低く響いていた。

重厚な机の前に立つ男は、その報告書から視線を上げ、ゆっくりと息を吐いた。


セルディオ・グラーディオ。


王国第三の都市グラーディオを治める領主であり、グラーディオ家当主。

彼の前には、いくつもの簡潔な報告が並んでいる。


「……水源を"掘り当てた"?」


「しかも、温泉……?」


低く、独り言のように呟く。

ミルナ村。

長く干ばつに悩まされていた小さな村。

そこに現れた"旅の一行"が、半日もかからず水を確保し、結果として、温泉まで湧出したという。

セルディオは眉をひそめた。


「魔術師団の介入記録は?」


「ありません」


「王国騎士団は?」


「不在です」


報告は、淡々としている。

だからこそ、異常だった。


「では……何者か?」


「はい、冒険者です。登録は、Fランク。神崎亮と記されています」


――Fランク。

その文字を、セルディオは指でなぞるように見つめた。


「……Fランク、か」

商業都市において、情報は価値だ。

価値ある情報ほど、速く、正確に集まる。

そして、すでに動いている。


「温泉の話を聞きつけ、商人たちが接触を始めています」


「……早いな」


セルディオは、窓の外へと視線を向けた。

商人たちが動く理由は、単純だ。

水。温泉。それは、金になる。

だが――。


「掘っただけで、水と温泉が出るなど……偶然で済ませられる話ではない」


彼は、椅子に深く腰を下ろし、両手を組んだ。

Fランク。

家族連れ。

旅の途中。

にもかかわらず、王都での記録、大会での動き、そして今回の"結果"。

それらが、一本の線で繋がっていく。


「……なるほど」


セルディオの口元に、わずかに苦笑が浮かんだ。


「力を誇示しない」

「立場を求めない」

「功績を管理しない」


――あえて、だ。


「……神崎殿」


静かに、名を呼ぶ。


「Fランクに身を置きながら、世界に歪みを生まぬよう、均衡を保っている……」


誰に聞かせるでもなく、彼は、そう結論づけた。


「聖人、か」

重い沈黙が、執務室を満たす。

商人は、金を見る。

貴族は、力を見る。

だが、セルディオは――意図を見てしまった。


「……厄介な方が、この都市に足を踏み入れたものだ」


しかし、その表情は険しくない。

むしろ、どこか敬意すら滲んでいた。


「グラーディオ家としては……静観、だな」


書類をまとめ、机に置く。

神崎亮。

その名は、まだ表に出ていない。

だが確実に、この商業都市グラーディオの歯車の一部に――知らぬ間に組み込まれつつあった。

セルディオは、最後にもう一度だけ呟いた。


「……何者だ、本当に」


その問いに答える者は、この部屋にはいなかった。


――そして、その空のさらに清らかなる場所。

女神は、穏やかな微笑みを浮かべていた。


ふふ……あの家族は、本当に退屈という言葉を知らないのですね。


王都での慌ただしい日々を離れ、ただ平穏を求めて歩き出したはずの旅路。


けれど、彼らが一歩踏み出すたびに、世界は知らぬ間に救いの光で満たされていくのです。


懐かしい村での再会を喜び、隣村の困りごとを「ついで」のように解決してしまう無自覚な優しさ。


最強の力を持ちながら、今回はその力に頼ることなく、ただ誰かの力になりたいという純粋な想いだけで、枯れ果てた大地に清らかな泉を呼び込みました。


たとえ剣を振るわずとも、その真っ直ぐな心が人々を救い、乾いた心を潤していく……。


「勇者」としての真価は、力そのものではなく、その歩みの先に生まれる笑顔にこそ宿るものなのでしょう。


彼らが残した温かな足跡は、今や都市の賢者たちをも動かし始めています。


さて……次はどんな日々を紡ぐのでしょう。


予期せぬ再会と、新たな出会いが待つ賑やかな街でも、あの家族ならきっとまた、心地よい風を吹かせてくれるに違いありません。


光が揺れ、風がそっと雲を散らす。 その微笑みは、どこまでも慈愛に満ちて優しかった。


こうして――

神崎家の知らぬところで、商業都市の権力者たちが静かに動き始めていた。

だが、当の本人たちは――温かい食卓を囲み、笑い声を上げているだけだった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、知らぬ間に世界を動かし始めている――!


第六章『誤解編』を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

相変わらず神崎家 周りは騒ぐけど関係ない!?


次なる章は遂にお米の情報を得られるのか? スローライフは?

神崎家の「やらかし」は、次元を越えて加速する!


次章、新天地での「ぱぱやら!」ぜひお楽しみに!


あんな「……パパ、本当に大丈夫?」

亮「大丈夫だよー。お米の情報も、そのうち集まるって!」

みゆ「定番フラグ炸裂」

あんな「これからの神崎家を、⭐⭐⭐⭐⭐で応援してくれたら嬉しいです!」

みゆ「ブクマもポチッと。――パパの“やらかし予防”」

もっふる「ピィー♪」


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