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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第五章 混迷編〜噂と敬語の嵐を抜けて、目指すはお米の桃源郷(!?)〜

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第60話 え、パパが勇者!? 王都から太陽(娘)が消える!? ギルド激震の号泣見送りとライバルたちの遠吠えー!?

第60話 え、パパが勇者!? 王都から太陽(娘)が消える!? ギルド激震の号泣見送りとライバルたちの遠吠えー!?


いつもの宿屋、いつもの爽やかな朝。

神崎家の荷造りはバッチリ完了していた。


亮「よーし! 神崎家スローライフ旅行、出発だー!」


あんな「もう、急なんだから。でも、あの豪華すぎる朝食が続くなら、早めに王都を出るのが正解かもね」


みゆ「パパの決断速度、異常値」


もっふる「ピィー♪」


宿を出た一行は、まずは勝手知ったる場所へと向かう。


亮「リーナさんには一言、言っておこうか」


あんな「そうだね。一番お世話になったし」


みゆ「あいさつは肝心です」


もっふる「ピィー♪」


王都冒険者ギルド


亮「リーナさん、しばらく旅行に行ってきまーす!」


リーナ「ええっ!? 急にどうしたのですか!」


亮「スローライフ旅行です! のんびりお米を探しに行こうかなって」


あんな「……っていう名目の、パパの思いつきです。すみません、バタバタしちゃって」


みゆ「パパ語。翻訳不能」


リーナ「……気をつけてくださいね。皆さん、本当に人気者なんですから」


その報告が聞こえた瞬間、ギルド内に激震が走った。


「な、なんだってー!?」


あんな親衛隊「あんな様が行ってしまうなんて……王都の太陽が消えてしまう!」


みゆ親衛隊「みゆ様の冷静な分析を聞けなくなるなんて、我々はどうすれば……!」


もっふる癒され隊「もっふるちゃんの『ピィ』が聞けない日々など、もはや余生だ……!」


屈強な冒険者たちが、受付前でボロボロと涙を流しながら見送るという、異様な光景が広がる。


亮「え、なんでそんな感動的な別れみたいになってんの!?」


あんな「ちょ、泣かないで!?」


みゆ「……困る」


もっふる「ピィ……」


奥のギルドマスター室では、ガリオスが窓の外を眺めながら一人、静かにつぶやいていた。


ガリオス「……そうか、旅立ったか。それがいいかもな。神崎家には、王都の枠は狭すぎた」


ギルドを出ると、一人の少年が駆け寄ってきた。


ティオ「おじさーん!」


亮「おじさん? おおー、ティオくん! お母さんの具合はどうだ?」


ティオ「うん! もうすっかり元気だよ! 今日は最後にお礼が言いたくて!」


亮「良かったなー。ティオくんも、元気に毎日を楽しめよ!」


あんな「元気そうでよかった」


みゆ「……健康は大事」


もっふる「ピィ!」


そこへ、《蒼流の連》の面々も現れ、深々と頭を下げる。


エリオ「亮さん、あんなさん、みゆさん。……あなたたちには、助けられてばかりでした。どうか、良い旅を」


ブロス「また王都に来たら声をかけてくれ」


フィナ「次は一緒に依頼、行きたいです!」


アリア「お気をつけて」


亮「みんなも元気でなー!」


だが、そんな温かい空気の端っこで、面白くなさそうに鼻を鳴らす一団がいた。


《紅蓮の輪》である。


セリナ「ふん、ちょっと旅に出るくらいで大騒ぎね」


リュシア「勝ち逃げされるのは気に入りません。非効率な逃避行ですこと」


ミレイア「ふふ、残念だわぁ。もっと仲良くなれると思っていたのに。……ねえ?(圧)」


相変わらずのトゲを感じつつも、亮は満面の笑みで手を振った。


亮「あっ、紅蓮の花さん! 色々とありがとうございました♪」


ガルド「……だよ! 輪!!」


レオン「もう、改名しちゃうか……?」


と、あきらめたように空を見上げる。

周囲の人たちは、亮のあまりのマイペースさに、噴き出すのを必死にこらえていた。


亮「あはは! いやぁ、色々あったけど楽しかったなぁ!」


あんな「パパが楽しかったなら、まあいいけどさ」


みゆ「……王都セクション、終了。これより未知の領域へダイブします」


もっふる「ピィー♪」


亮「じゃあ、スローライフ旅行出発ー! お米はどこにあるのだー!」


王城

レオニア第一皇女は、テラスから街の門の方角を見つめていた。


レオニア「……そうか、旅に出るか」


ライオネル「よろしいのですか? 彼らのような規格外、王都に留めておいた方が安全では」


レオニア「ふっ……あやつらなら心配ない」


マルティナ「……そんな保証、どこにありますの?」


レオニア「まぁ見ておれ。あの自由さこそが、神崎家よ」


――そして、その空のさらに高み。

女神は、穏やかな微笑みを浮かべていた。


「ふふ……あの家族は、本当に退屈を知りませんね。 大きな嵐が去り、ようやく訪れたはずの穏やかな日々。 けれど、世界の方はもう、彼らをただの『異邦人』として放っておくことはできないようです」


「街の人々が寄せる過剰なまでの敬意や、ギルドが『念のため』と積み上げる過分な期待。 本人不在のまま膨らんでいく噂に、逃げ道を塞ぐように差し出される選択肢……。 周囲が慌ただしく次の舞台を整えていく中で、当の勇者だけが『米が食べたい』と、どこまでも自分たちらしい旅路を夢見ている。 その底知れない無自覚さが、かえって世界を正しい形へと導いてしまうのでしょう」


「力を持つ者が、その力に頼ることなく、ただ家族との食卓と一粒の米を愛でる。 誰かに望まれる姿ではなく、自分たちが幸せである道を選び続ける。 その飾らない純粋な想いこそが、静かに、けれど確実に、この世界の理を塗り替えていく……。 まるで、もっとも優しく、そして避けられない運命の魔法のように」


「さて……次はどんな日々を紡ぐのでしょう。 憧れのお米を求めて踏み出すその一歩が、また新しい奇跡を日常に変えてしまうのでしょうね」


光が揺れ、風がそっとページを捲る。 その微笑みは、予感に満ちた夜明けのように優しかった。


こうして――

王都の人々に愛され、恐れられ、盛大に(勝手に)見送られて、神崎家は門をくぐる。

目指すは、まだ見ぬお米と、究極のスローライフ。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

どこまでも広がる青空の下、新章へと駆け出していく!

第五章『混迷編』を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


王都での騒動を経て、亮の「普通」が周囲の「特別」に塗り替えられ、外堀がどんどん埋まっていく章となりました。

本人はスローライフを満喫しているつもりですが、周囲の敬意(と恐怖)はもはや隠しきれないレベルに達しています。


お米を求めての次なる旅路。

みゆの分析によれば前途多難ですが、亮の天然とあんなのツッコミ、そしてもっふるの癒やしがあれば、きっと何とかなるはず……?


次章、新天地での「ぱぱやら!」を、ぜひお楽しみに!


亮「みんな、星を投げて応援してくれてるぞ! 温かいなぁ」

あんな「パパ、それは応援っていうか……『早く気づけ』っていう警告も含んでると思うよ?」

みゆ「……観測データによれば、評価の数に比例してパパの包囲網が狭まっています。逃げ場はありません」

もっふる「ピィ、ピィッ!」

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