表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第五章 混迷編〜噂と敬語の嵐を抜けて、目指すはお米の桃源郷(!?)〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/90

第57話 え、パパが勇者!? ただのウサギ退治にギルドが震撼!? 報酬3倍の裏に潜む隠密部隊の包囲網ー!?

王都冒険者ギルド。

朝のざわめきはいつも通りで、掲示板には無数の依頼書が並んでいた。


亮「よし。今日は軽めのやつな。スローライフ優先」


あんな「その宣言、昨日も聞いたけど」


みゆ「でも今日はギルドだし、雑用で終わる」


もっふる「ピィー♪」


亮は掲示板を眺め、端のほうに貼られた紙を一枚はがす。


亮「お、これこれ。畑荒らしのウサギ退治。近郊、半日。平和!」


リーナ「……あ、それですね」


受付カウンターの向こうで、リーナが一瞬だけ言葉を選び、神妙な顔をした。


亮「これ、ウサギ退治だよね?」


リーナ「ええ、そうなんですけど……念のためでして」


あんな「“念のため”って何? 嫌な予感しかしないんだけど」


依頼書を確認すると、確かに内容は簡素だった。

〈近郊の畑を荒らす魔獣の排除〉

〈可能であれば原因の確認〉

〈安全確保を最優先〉


亮「ほら、普通じゃん?」


あんな「……不自然だよ。普通のウサギ退治に『原因の確認』や『安全確保を最優先』なんて念押しは不要でしょ。なんかリスクを隠してる感じがして、わざとらしいんだよね」


みゆ「……同感。条件が曖昧で、現場の裁量が広すぎ」


リーナ「えっと……依頼主さんが、とても慎重で……」


亮「慎重なのはいいことだ!」


あんな「報酬、見て」


亮「……?」


亮は依頼書の下段に目を落とす。


亮「……高くない?」


リーナ「はい。いつもの三倍ほどで」


亮「ウサギだよ?」


リーナ「“念のため”です」


もっふる「ピィ?」


亮「まあいいや。畑も守れるし、依頼主も喜ぶし。受けます!」


リーナ「かしこまりました」


ペンが走り、受諾の印が押される。

その瞬間、ギルド内の空気が――ほんの少しだけ、和らいだ。


あんな「……今、空気変わった?」


みゆ「うん」


もっふる「ピィー」


近郊の畑。

日差しは穏やかで、土の匂いが心地よい。


亮「ほら、のどかー」


あんな「……静かすぎない?」


みゆ「足跡は多い。でも、姿がない」


もっふる「ピィ……」


畑の端、作物が倒れている場所に近づく。

噛み跡は確かに小さい。

だが――


あんな「これ、ウサギ?」


みゆ「……歯形は似てる。でも、間隔が広い」


亮「大きめのウサギ?」


その時、草むらが揺れた。


亮「来た来た!」


現れたのは、確かにウサギだった。


一匹。

普通サイズ。

耳がぴくりと動く。


亮「な? 普通だろ」


あんな「……一匹?」


みゆ「……増援の気配、なし」


もっふる「ピィ?」


亮が一歩踏み出す。

ウサギは逃げない。

じっと、こちらを見ている。


亮「……逃げないウサギ、珍しいな」


あんな「パパ、後ろ」


振り返ると、別の畑でも草が揺れている。

さらに、奥でも。

そして、反対側でも。


みゆ「……点在。配置がいい」


亮「配置?」


草むらから、次々とウサギが姿を現す。

数は多い。

だが、どれも普通のウサギだ。


亮「……増えたね?」


あんな「数が」


みゆ「連携してる」


もっふる「ピィー!」


亮は剣を抜かない。

代わりに、深呼吸を一つ。


亮「よし。畑を守るぞ。追い払うだけでいい」


あんな「了解」


みゆ「……制御する」


家族は動く。

畑を壊さず、踏み荒らさず。

ウサギたちは、まるで“役目を終えた”かのように散っていく。

数分後。

畑には静けさが戻った。


亮「ほら、平和!」


あんな「……“念のため”って、こういうこと?」


みゆ「期待値が、最初から私たち向け」


もっふる「ピィ……」


遠くで、誰かが安堵の息をつく気配がした。


亮「まあいいや! 依頼完了!」


神崎家は、何事もなかったように帰路につく。

だが――

“何も起きなかった”という事実だけが、確実に次の期待を積み上げていた。


こうして――

雑用のはずの依頼は、妙な手応えだけを残して終わった。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

静かに“次は何が来るのか”を匂わせていく。

宿泊代金はそのままなのに、客室の広さがまさかの2倍!? 逃げ場なしの豪華すぎる違和感に、神崎家の常識が崩壊する!


次回、第58話 え、パパが勇者!? 宿泊料金据え置きで部屋が倍増!? 逃げ場なしの豪華すぎる違和感に家族全員パニックー!?

もはやサービスという名の過剰接待、この異常事態をパパはどう切り抜ける!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ