第55話 え、パパが勇者!? 宿に戻ったら指名手配級の噂話? 情報の劣化が止まらないー!?
第五章、スタートです。
これまでとは少し空気の違う章になりますが、
その“いつもと違う違和感”も含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。
引き続き、神崎家の異世界スロー(?)ライフをお楽しみください。
神崎家はいつもの宿、白風亭へと戻ってきた。
見慣れた外観、軋む扉の音、木の床の感触。
どれも変わらない――はずだった。
亮「はぁ〜……やっぱここだよなぁ」
部屋に入るなり、亮は大きく伸びをする。
肩の力が抜けたような、心からの声だった。
亮「やっとスローライフだー! 何も起きない、最高!」
あんな「……それ、フラグじゃないよね?」
みゆ「パパがそう言うと、だいたい何か起きる。統計的に見て危険日です」
もっふる「ピィー♪」
三人と一匹は、いつものように部屋を見回す。
机、椅子、ベッド。
――そして。
あんな「……あれ?」
部屋の隅。
普段なら何も置いていないはずの場所に、一本の剣があった。
みゆ「……その剣」
亮「ん? ああ……」
亮は一瞬だけ言葉に詰まり、視線を逸らす。
亮「……あんなが頑張った記念品だな!」
レオニアから渡された、あの剣。
演習場での出来事が、脳裏をよぎる。
あんな「宿にまで持ってくる必要ある?」
亮「レオニア様がくれたものだし……あの状況で返すのもなぁ」
あんな「パパが空気読んだ……」
みゆ「……違和感」
もっふる「ピィ!」
剣は静かにそこにあるだけなのに、部屋の空気が、ほんの少しだけ違って見えた。
亮「まあまあ! ほら、気にしない! 剣はアイテムボックスにしまっておこう!」
あんな「そうだね。目立ちすぎだし」
みゆ「……」
そう言って亮は、椅子にどかっと腰を下ろした。
――その時。
廊下の向こうから、ひそひそと話す声が聞こえてきた。
冒険者A「……なあ、聞いたか?」
冒険者B「王城の演習場だろ?」
冒険者A「そうそう。あのFランクの家族がいたって噂だぜ。なんでも、娘の方が皇女様と互角にやり合ったとか……」
冒険者B「もう一人の娘も、王立魔術師団の師団長が直々に弟子入りを頼んだらしいぞ」
冒険者C「俺は、演習場がしばらく使えない状態と聞いたぞ!」
あんな「……」
みゆ「……」
亮「……?」
亮は聞こえないふりをして、耳だけを澄ませる。
話し声は、そのまま遠ざかっていった。
亮「……ははは、世の中には似たような家族もいるもんだね。人違いだ、人違い!」
あんな「完全に私たちだよね。っていうか、尾ひれがつきすぎ!」
みゆ「正確には、皇女様が楽しんで、師団長が驚愕しただけ。情報の劣化が著しいです」
あんな「まあ、それだけでも十分すごいことか……」
もっふる「ピィ……」
亮「お!いいにおいがしてきた。ほら!夕飯だ夕飯! 今日は何食べよっか!」
あんな「……普通のご飯がいい」
みゆ「できれば、白いご飯」
亮「おお! それそれ! やっぱりさぁ、白米だよなぁ!」
三人は顔を見合わせ、思わずクスッと笑い声を漏らした。
神崎家の日常は、ようやく戻ってきた。
けれど世界のほうが――彼らのことを放っておけないほど、その魅力に気づき始めていた。
こうして――
何も起きないはずのスローライフが、再び動き出した。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、
次の“気になる一言”へと続いていく。
宿泊まっただけなのに指名手配級の有名人!? 尾ひれがつきまくる噂話の暴走が止まらない!
能天気なパパと冷静な娘たち、神崎家の平和(?)が再び崩壊の危機!?
第56話 え、パパが勇者!? 街中の敬語率が急上昇で大混乱ー!?
亮「この先、ちょっとでも“気になるぞ?”って思ってもらえたら――
☆☆☆☆☆を★★★★★に! それとな、ブクマも忘れずにな!」
あんな「ちょっとパパ、急に読者様に圧かけないの!」
みゆ「皆様からの『感想』は、執筆継続に不可欠な高効率エネルギー。……データ送信、期待」
リアクション=元気チャージなのです
もっふる「ピィー♪」
亮「みなさんの応援が、神崎家の冒険エネルギーになります!
気持ち、ぜひリアクションで伝えてもらえると嬉しいです!」
あんな&みゆ「よろしくお願いします♪」
もっふる「ピィー♪」




