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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第四章 大会編〜大会優勝より大事なもの、家族で挑む波乱の救出劇!?〜

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第49話 え、パパが勇者!? 脱出不能の虫地獄! 魔法乱射で森ごと消滅ー!?

境界線を一歩跨いだ瞬間、空気の重さが一変した。

先ほどまでの眩い疑似空は消え、どす黒い雲のような霧が頭上を覆っている。


あんな「……何これ? 急に雰囲気が変わった。別世界に来ちゃったみたい」


みゆ「……雰囲気、やばい」


もっふる「ピィッ!」


亮が今来た道を振り返り、数歩戻ろうとした。だが。


ゴンッ!


亮「痛っ!? なんだこれ、見えない壁があるぞ!」


みゆ「……結界。全方位を完全に遮断。脱出不可」


あんな「どうすればいいの?」


みゆ「……この結界を張っている術者、あるいはボスを倒す以外、開放の手段はないと推測」


亮「分からないこと考えても仕方ない。まずは紅蓮の輪を探そう」


あんな「そうだね!」


みゆ「他の冒険者もこの閉鎖空間に迷い込んでいる可能性、85%」


亮「よーーし! みんなまとめて助けよー!」


あんな「パパの根拠のない自信はおいといて……みゆ、サーチできる?」


みゆ「サーチ……無理。魔力妨害が酷い」


あんな「え? 魔法自体が使えないの?」


みゆ「……ファイア」


みゆが指先から放った小さな火球は、少し先の木に命中した。


みゆ「攻撃や防御は大丈夫。サーチは広範囲に魔力を飛ばすから、乱れてると正常に働かない。詠唱魔法も霧散(むさん)して、使えない可能性がある」


あんな「ひとまずは安心だね」


みゆ「……だけど、威力は通常より20%低下」


あんな「見た目には分からないね」


もっふる「ピィ―」


慎重に歩を進めながら話していると、突如として周囲の「木」が牙を剥いた。


バサッ!


あんな「えっ、木が動いた!?」


木が突然、枝を鞭のようにしならせて襲いかかる。

地中からは根が這い出し、鋭利な刃物と化した葉が舞い踊る。


亮「うわっ!?」


あんな「もうっ、びっくりさせないでよ!」


あんなとみゆは即座に態勢を整え、襲いくる大樹トレントを鮮やかに切り伏せ、焼き払った。


あんな「森と同化して遠距離攻撃……ちょっと厄介だね」


その時――


カサ……カサ……


みゆ「……来るよ」


もっふる「ピィ―!」


三人ともっふるが臨戦態勢を取る。


そして姿を現したのは――


体長三メートルの巨大カマキリ。


亮「カマキリ?」


あんな「虫はイヤァァァ!! 近寄らないでぇぇ!!」


みゆ「……嫌。無理。近寄らないで……!」


いつも冷静なみゆの顔が、恐怖で劇的に崩れた。

そう、あんなとみゆは、世にも恐ろしい魔物よりも「虫」が大の苦手だったのだ。


虫嫌いの二人は完全にパニック。


みゆ「キャー! イヤー! やめてーー!!」


みゆは冷静さを完全に失い、

ファイヤ、サンダー、ウインドカッター、ウォーターボール……

ありとあらゆる魔法を乱射した。


四方八方に魔法が飛び散り、森は焼け、木々は切り倒され、地面は抉れた。


亮「みゆ落ち着け!」


あんな「危なっ……みゆ、落ち着いて!」


だが巨大カマキリはまだ健在。

鎌を構え、今にも襲いかかってきそうだ。


みゆ「キャー! まだいるーー!!」


みゆ「《カルキュレイト・フレア》(演算炎)!!」


一瞬で巨大カマキリは炎に包まれ、跡形もなく消滅した。

…………。 静寂が戻り、みゆが我に返る。


みゆ「……え? 何これ? 森がすごいことになってる?」


亮「覚えてないのか?」


あんな「……」


亮は、目の前の惨状を見つめながら、

小学生の頃――玄関前にバッタがいて、泣いて家に入れなかったみゆの姿を思い出した。

この「虫」だらけの森は、娘たちにとって史上最悪の相性だと改めて思い知らされる。


あんな「パパ……もう無理。次来たら私、心臓止まっちゃう……」


みゆ「……パパ。背後0センチをキープ。密着して移動することを提案」


結界に閉じ込められ、神崎家の頼れる双頭の剣が、まさかの大混乱。

ある意味で一番の難局を迎えていた。


亮「……でも、進むしかないよな」


もっふる「ピィ……」


こうして――

絶対無敵と思われた、あんなとみゆの意外すぎる弱点が露呈し、

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

虫嫌いによる全滅の危機という、かつてない局面を迎えていた。


「虫」という名の死神に震える最強姉妹! カサつく音ひとつで森を更地にする過剰防衛に、救出されたプロも顔面蒼白!? 「噂の神崎家」の正体は、頼もしすぎる英雄か、それとも歩く破壊兵器か――。

頼れる(?)新戦力を仲間に加え、いざ森の深部へ! しかし、パパの「なんとかなるでしょ」をあざ笑うかのように、邪悪な意志が牙を剥く!


次回、第50話 え、パパが勇者!? 虫嫌いで森が壊滅の危機!? 救出したプロを巻き込む過剰防衛パニックー!?

守られる娘、しんがりのパパ。この陣形、何かがおかしい……!?


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