第47話 え、パパが勇者!? 国家行事をドタキャンして11階層へ突撃ー!?
王都ギルドの重厚な扉を、かつてない勢いで押し開けた。
亮「リーナさん、ギルドマスターはいる?」
リーナ「いますけど……亮さん、そんなに慌ててどうしたのですか?……あんなさんとみゆさん、もっふるちゃんまで?」
あんな「ちょっと急ぎでね!」
みゆ「……状況確認が必要」
亮「失礼するよ」
あんな&みゆ「失礼します」
もっふる「ピィー」
三人はそのままギルドマスター室の扉を勢いよく開けた。
バァァァン!
ガリオス「なんだ、朝から騒がしいな……って、お前らか」
亮「ガリオスさん! 紅蓮の輪が行方不明って、本当ですか?」
ガリオス「……そのことか。情報が少なくてな、よく分からないのが現状だ」
ガリオスは机に置かれた報告書を叩きながら続けた。
ガリオス「他の冒険者の話によるとだな、いきなり消えたとか、気づいたらいなくなっていたとか……何らかの異常事態かもしれん」
亮「……」
ガリオス「11階層に行ったのは間違いない。あいつらの実力なら、通常なら問題ないはずだ。もちろん、ダンジョンは自己責任だが……」
ガリオスは深く息を吐いた。
ガリオス「今は大会期間中で、捜索隊も出せない。動ける人員がいないんだ」
亮「……俺が行きます」
ガリオス「は? 一人でか?」
あんな「パパ、また即決! でも私も行きます!」
みゆ「……お姉ちゃんがパパそっくりになってきた。即決コンビ」
もっふる「ピィ♪」
ガリオス「お前ら、大会出場中だろ。どうするつもりだ」
亮「あ? どうしよう?」
ガリオス「亮……お前なぁ……」
あんな「棄権でお願いします」
みゆ「……同じく」
ガリオス「おいおい! 国家の行事を棄権ってなぁ。それに紅蓮の輪は、お前たちのこと色々言ってたらしいじゃないか。助ける義理なんてないだろ?」
亮「ガリオスさん。人が人を助けるのに、理由って必要なんですか?」
ガリオス「……!」
あんな「こういうところ、パパだね!」
みゆ「……感情ではなく、行動が先に出るタイプ」
ガリオス「……はぁ。分かった。棄権の理由は……何とかしておく」
ガリオスは三人を見据え、真剣な声で言った。
ガリオス「ただし、これだけは言っておく。無理はするな。危険だと感じたら戻ってこい。いいな! これは命令だぞ!」
亮「ありがとうございます」
あんな&みゆ「ありがとうございます」
もっふる「ピィー!」
三人は頭を下げ、ギルドマスター室を後にした。
扉が閉まった後、ガリオスは一人つぶやいた。
ガリオス「……家族が一番大事だと言っているのに、家族を危険に巻き込んでまで、人を助けるのか……ま
ったく……あいつは……」
しかしその声には、呆れと同時に、どこか誇らしげな響きが混じっていた。
こうして――
亮たちは大会の栄光よりも、迷える冒険者の命を選び、未知の危険が潜む11階層へ。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、
熱い救出劇へと姿を変えようとしていた。
地下ダンジョンなのに空がある!? 未知の11階層は、常識外れの空間拡張エリア! 救出任務の緊張感ゼロで、パパの「猪鍋食べたい欲」が暴走する!
渾身のスキル《お米の祝福》が空を切る衝撃のギャグ展開! ボアに吹っ飛ばされ、お尻を狙われ、挙句の果てに食材も消滅――。
次回、第48話 え、パパが勇者!? 食欲全開で猪鍋(素材)を狙ったら返り討ち!? 無意味なスキル発動でパパ、吹っ飛ばされるー!?
笑いと悲劇の紙一重。その先で待ち受ける「本物の異常」とは……!?




