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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第四章 大会編〜大会優勝より大事なもの、家族で挑む波乱の救出劇!?〜

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第43話 え、パパが勇者!?  国家の威信をかけた大会! 学生服(?)で応援はマズいですよ――!?

ギルドでは、数日後に迫った双極大会の話題でもちきりだった。

冒険者仲間にいろいろと話を聞いてみると――


「Bランク以上の冒険者は今回出場しないらしいぞ」


「騎士団も魔法師団も不参加だってよ」


亮「へー、そうなんですね。なんだか、思っていたより規模が小さいのかな?」


「それは逆だ。各国の来賓も来るらしいし、政治的な要素が強い大会なんだとよ」


「手の内を見せないとかさ…」


亮「なるほど、俺たちには関係ない話ですねー」


武闘大会当日の朝。

王都の宿屋の一室は、いつも以上の熱気に包まれていた。


亮「……よし! これで完璧だ。二人とも、見てくれ!」


あんな「パパ、おはよう。……って、何その格好? 」


振り返ったあんなとみゆの視線の先には、 見慣れない――しかしどこか既視感のある格好をした父の姿があった。


あんな「……パパ、それ何? 黒くて首元が詰まってて、その派手な刺繍……どこで手に入れたの?」


亮が着ていたのは、日本の「学生服」を彷彿とさせる漆黒の詰め襟。

背中には金糸で大きく「ドラゴン」と「ホワイトタイガー」が睨み合うド派手な模様が(おど)っている。


亮「え? だって今日は二人の応援だし。市場の隅っこで売ってたんだよ。『これを着れば気合が伝わる』って店主が言っててさ。二人のために奮発しちゃった。応援団っぽいでしょ?」


あんな「もう! そんな服装はやめてよ! 外に出たら『何あの不審な冒険者!?』って騒ぎになるわよ! 恥ずかしいから今すぐ脱いでー!」


亮「ええっ!? せっかく二人のために気合入れたのに……。かっこよくないかな?」


もっふる「ピィ……」


みゆ「パパ、落ち着いてください。その服装による威圧効果、周囲へのデバフ発生率98%。ただし、私たちの精神的ダメージも甚大です。速やかな着替えを推奨します」


亮「そ、そんなに……。わかったよ、いつもの冒険者服に着替えるよ……。」


シュンとして着替えに向かう亮の背中を見送り、あんなは溜息をつきながらも、どこか嬉そうに笑った。


もっふる「ピィー♪」


双極大闘技場そうきょく だいとうぎじょう巨大な建物の前に立った瞬間、亮は思わず声を上げた。


亮「おぉー、東京ドームよりでかい!?」


あんな「ちょっとパパ、変な名前で叫ばないで! 周りの人が『トウキョウドームってどこの国の闘技場だ?』って顔で見てるじゃない。……でも、確かにびっくりするくらい大きいね。」


みゆ「……収容人数、推定十万人。パパの言う『ドーム』の約二倍」


もっふる「ピィ♪」


見上げるほどの巨大な建造物からは、すでに地鳴りのような歓声が漏れ聞こえていた。

一歩足を踏み入れれば、そこはもう別世界だ。

視界を埋め尽くす群衆の熱気、あちこちの屋台から漂う香ばしい肉の匂い、そして空を彩る色とりどりの魔法の光。

王国中の人間がこの一点に集結しているかのようだった。


亮「よし、まずは組み合わせ表を見てこよう」


掲示板の前で名前を探す。


亮「あったぞ。あんなの一回戦はセリナ。みゆは……リュシア」


あんな「ふーん、やっぱり来たね」


みゆ「……予想通り」


あんな「ええ、ギルドマスターの言ってた通りだね。完全に仕組んできた。……いいよ、目にもの見せてあげる」


みゆ「……むしろ好都合」


亮「(二人の背後に、かつてないほど静かで重い圧を感じる……)あ、あの、二人とも……どうしたのかな?」


もっふる「ピィー♪」


人波をかき分け、ようやく自分たちの観客席へと辿り着いた。

闘技場の中央には、真っ白に磨き抜かれた正方形の演武舞台えんぶぶたいが二つ、並んで鎮座している。

三人が席に着くと、闘技場を揺るがすような角笛の音が響き渡り、いよいよ開会式が始まった。

新王が貴賓席の玉座から立ち上がり、剣を天へ突き上げた。


その合図とともに、競技場の四隅に配置された魔導師たちが一斉に詠唱を放つ。

空間を震わせて撃ち上がったのは、巨大な『魔導光弾』だ。


それらは王都の空で大輪の黄金花となって弾け、火の粉の一粒一粒が意志を持つかのように、王家の象徴たる『双頭の龍』の形へと編み上げられていく。

降り注ぐ眩い光の雫を浴びながら、数万の観衆は熱狂の渦に包まれた。


これはもはや単なる祝砲ではない。新時代を照らす『王冠の輝き(ロイヤル・フレア)』であった。


亮「何あれ? 花火?」


みゆ「……こっちの世界の魔導花火みたいなもの」


あんな「すご、綺麗……!」


亮「すごいなぁ、綺麗だなぁ……」


みゆ「本来なら軍事転用可能なレベルの術式です。それを贅沢に演出に使う……。まさに国家の威信をかけた行事」


亮「あはは、難しいことは気にしない! 綺麗ならそれでいいじゃないか」


もっふる「ピィー♪」


開会式が終わり、ルールの説明が始まった。


司会「ルールは至って単純! 舞台から落ちるか、降参するか、あるいは気絶するかだ!

魔導師団の結界により観客は安全! 救護班も完備されている! 負傷してもすぐ治るゆえ、選手諸君は安心して全力でぶつかり合ってほしい!」


亮「『安心して全力で』って……。この世界の安心は、たまに過激だよねぇ」


そして――


司会「本大会の優勝者には、特別恩賞が与えられます! なんと、我が国最強と(うた)われる、第一皇女レオニア様との親善試合を行う権利です!」


会場は割れんばかりの歓声に包まれた。


「レオニア様バンザーイ!」


「新王バンザーイ!」


「アレン王!バンザーイ!」


あんな「……最強の皇女様、ね。面白そうじゃない」


みゆ「パパ、予定変更です。優勝賞品が『データ収集の価値あり』と判断されました。私たちが頂きます」


亮「ええっ!? 二人とも、そんなに乗り気なの!? 」


武闘大会と魔術大会が順調に進み、ついにその時がやってきた。


司会「次の試合、武闘大会第一回戦・第五試合――アンナ・カンザキ VS セリナ・フェルド!」


あんなが静かに、しかし確かな闘志を秘めて立ち上がる。


あんな「行ってくるね、パパ!」


みゆ「……計算終了。お姉ちゃんなら、すぐ終わる」


亮「楽しんで来いよ!(……あれ、二人ともいつになく気合入ってない? 何かあったのかな? 目立ちた

くないと言っていたのに……?)」


もっふる「ピィー♪」


こうして――

華やかな舞台へと、静かな怒りを纏った(まとった)長女が歩みを進める。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

いよいよ一触即発の試合開始を迎えるのでした。


まさかの空振り連発!? 王都の天才剣士が、何もいない空間を斬り続ける異常事態! 娘・あんなの神回避に、パパ・亮の勘違い応援が火を吹く!?


次回、第44話 え、パパが勇者!? 大舞台で自爆特攻!? 誰も勝機が見えない超次元の場外決戦ー!?

次元を超えた「勘違い」が、王都の常識をぶち壊す!


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