【外伝】え、もっふるが迷宮の歴史を塗り替えた⁉︎ ~隠し部屋をぺちぺち叩いて見つける癒やしの聖獣~
セーフティゾーン
薄い光が揺れ、静かな空気が漂う中、神崎家は小休憩を取っていた。
亮「ふぅ……やっぱり休憩は大事だ」
あんな「ほんとそれ。さっきの分裂スライム、地味に疲れたよ……」
みゆ「……精神力の消耗が大きい」
もっふる「ピィー♪」
そんな家族の横で、もっふるがちょこんと立ち上がる。
亮「お、散歩か? 迷子になるなよー」
あんな「パパ、ここセーフティゾーンだよ?」
みゆ「……過保護」
もっふる「ピィ♪」
トコトコ……
もっふるは短い足で歩き出し、休憩中の冒険者たちの間を抜けていく。
「おっ、来たな。癒しのもふもふ!」
「ほんと可愛いなぁ……触っていい?」
「ピィー♪」
「うわ……天国……」
「ピィー♪」
気づけば、もっふるの周りには小さな人だかりができていた。
「この子、亮さんの獣魔だよな?」
「ギルドでも人気だし、迷宮でも人気かよ……!」
「癒しの魔法ね……!」
「ピィ♪」
「でも、ダンジョンの中でこんな癒しがあるなんて……最高だな」
「お腹もふもふさせてー!」
「キャー可愛い!!」
もっふるはお腹を見せたり、尻尾をふわふわ揺らしたり、
完全に“癒しの精霊”として崇められていた。
そんな中、もっふるはふと、壁の一角に向かって首をかしげた。
「……ピィ?」
トコトコ……
人だかりを抜け、迷宮の壁に近づく。
「お? どうした?」
「壁なんて珍しくないだろ?」
もっふるは壁をじーっと見つめ、ぺちぺちと前足で触り――
「ピィッ!」
その瞬間、
壁の一部が“カチリ”と音を立てた。
「えっ?」
「今、動かなかったか?」
ゴゴゴゴゴ……
壁が横にスライドし、隠し部屋が姿を現した。
「隠し部屋……だと……!?」
「おいおい、こんなの聞いてねぇぞ!」
「もっふる……まさかの……」
「隠し部屋探知機……⁉」
「ピィー♪」
こうして――
家族が休憩している間に、もっふるはちゃっかり隠し部屋を発見してしまうのです。
そしてその隠し部屋には……。




