第29話 え、パパが勇者!? ダンジョン初挑戦はスライムと宝箱から――!?パパ、まさかの勇者覚醒(?)
第一階層
ダンジョン内は、想像していたよりもずっと静かだった。
風もなく、魔物の気配もない。
通路は明るく、不思議な感じがした。
通路は淡く光り、通路はどこまでも続いているように見えた。
亮は壁に手をかざし、光を確かめるように目を細めた。
亮「おお……ダンジョンの中なのに明るい!」
あんな「確かに明るい!」
みゆ「……光源、壁そのものだね。魔力で常時発光してるタイプ」
もっふる「ピィー!」
しばらく通路を歩いていくと、ぷるん、としたスライムが道をふさぐ。
亮「おっ、スライム! ダンジョンといえばまずコレだよな!」
あんな「前にも同じこと言っていたような……?」
みゆ「……スライムを見るたびに毎回テンション上がる人、パパくらいだよ」
亮「スライムを見ると、“冒険してる感”が出るんだよ」
あんな「パパ、楽しそう」
みゆ「……油断しないでね!」
亮「任せておけ!」
亮はスライムを一度だけ見据え、ほんの少しだけ姿勢を整えた。
亮「よし、行くぞ」
一歩踏み込み、
剣を一振り、スライムを真っ二つにした。
あんな「パパ、完璧!」
みゆ「パパの反応速度、平均より少し上」
亮「少し上!? もっと褒めて!?」
もっふる「ピィ♪」
順調に通路を進んでいくと
今度は小部屋を発見!
小部屋の真ん中には、ぽつん、と宝箱が置かれていた。
亮「おっ、宝箱! これはもう開けるしか――」
あんな「パパ、落ち着いて。第一階層の宝箱なんて怪しすぎるよ」
みゆ「罠の可能性九割以上。……典型的な誘導配置」
亮は慎重に近づき、宝箱の周囲を確認する。
亮「……大丈夫だよー」
カチッ。
亮「え?」
足元の石板がわずかに沈む。
その静かな音とは裏腹に、背後の通路から
ズゾゾゾ……
と、おぞましい音が響いてきた。
あんな「パパ、それ完全に罠だよ!」
みゆ「パパ、後ろ!……だけじゃない。左右も」
小部屋の周りから、薄暗い空間に溶け込むような色の濃いスライムたちが、次々と這い出してきた。
それらは亮たちを包囲するようにじりじりと距離を詰める。
亮「え、なんで増えてるの!?」
みゆ「“誘引罠”。スイッチを踏むと魔物が湧き出るタイプ」
亮が「おぉーこれも定番だー!」
あんな「喜んでいる場合じゃないよ、パパ!」
みゆ「……数、多い……パパ、完全に包囲されてる」
亮「任せとけって!」
亮は少しだけ真剣な顔になると、剣を握り直して一歩前に出た。
亮は鋭い踏み込みで、正面のスライムをバサッと一太刀で切り裂く。
そのまま勢いを利用して横に回転し、背後から狙っていた二匹をまとめて弾き飛ばした。
亮が剣を振るたびに、確実に一匹ずつスライムが消えていく。
亮「よし! これで最後!」
シュパッ!
その鮮やかな手並みに、あんなとみゆは顔を見合わせた。
あんな「パパ、勇者覚醒??」
みゆ「パパにしては、手際が良すぎ。……でも、第一階層のスライム。そんなに、強くない」
スライムが消え、小部屋には宝箱だけが残った。
亮「よし、終了!ん、二人ともどうした?宝箱……開けるぞ」
あんな「うん、パパ、慎重にね」
みゆ「罠は無い。大丈夫」
亮「よ〜し、それじゃあ――いざ、オーーープン!!!」
中には回復薬が入っていた。
亮「おお……回復薬だ!」
あんな「やったね、パパ!」
みゆ「第一階層の報酬としては妥当」
亮「妥当!? もっと喜んで!?」
もっふる「ピィ♪」
こうして――
神崎家ともっふるは、無事に第一階層を踏破した。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、
スライムと宝箱という王道から、にぎやかに幕を開けるのだった。
一階を突破して意気揚々と二階へ降りた神崎家でしたが、そこはまさかの『魔法禁止』&『真っ暗闇』!?
どこからともなく飛んでくるスライムにパパが悲鳴を上げる中、あの“もっふる”が驚異の能力を発揮します!
次回、第30話『え、パパが勇者!? 第二階層は“頼れる仲間”が多すぎる!?』。
神崎家の命運は、もっふるの短い足に託された……!?
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パパが調子にのりますけど、私たちが止めまーす⁉
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もっふる「ピィー♪」




