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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三章 迷宮編~家族で挑む、仕掛けだらけの地下世界⁉~

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第28話 え、パパが勇者!? ダンジョン初挑戦は朝から波乱!? 厄介なCランクパーティと一触即発!?

まだ日が昇りきらない時間、亮はやたら元気だった。


亮「よーし! ダンジョンに向かうために、まずは買い出しだー!」


あんな「……朝からテンション高いね、パパ」


みゆ「統計的に、パパがテンション高い日はトラブル率が上がる」


亮「え、そうなの?大丈夫だよー!」


もっふる「ピィー」


亮が宿屋の扉を勢いよく開け、勝手に先へ歩き出す。

あんなとみゆは顔を見合わせ、ため息をつきながら後を追った。

もっふるは跳ねるように先導し、道具屋の看板が見えてくる。


道具屋に入ると、亮は勢いよく棚を指さした。


亮「回復薬、全部――!」


あんな「いややめよ。買い占めは迷惑だよー」


みゆ「必要な分だけで十分。“全部買う=強い”っていうパパの思考は非効率」


亮「ぐっ……正論……!」


もっふる「ピィ!」


必要な道具をそろえ、王都近郊のダンジョンへ向かう。


そして――


巨大な石造りの入口が姿を現した。


亮「おお……これがダンジョン……! テンション上がってきた!」


あんな「パパ、落ち着いて!」


みゆ「入口でテンション上がる人、初級冒険者あるある」


亮「いやいや、ワクワクするでしょ!」


もっふる「ピィ♪」


亮「よし! じゃあ――」


そんな時だった。


「……おい」


低く、威圧的な声が背後から響く。

振り返ると、赤を基調とした装備の一団が立っていた。

胸元には、燃え上がる輪の紋章。


大盾を背負った筋骨隆々の男性――ガルド・ヘインズ。

その隣には、剣を腰に下げた若い男性、レオン・バルクス。

そして――

その後ろから、三人の女性が並んで歩いてくる。

剣士のセリナ・フェルド。

魔法使いのリュシア・ノアール。

ヒーラーのミレイア・クロウ。


ガルドが一歩前に出る。


ガルド「俺たちはCランクパーティ《紅蓮の輪》だ」


穏やかな口調だったが、その目には明らかな"値踏み"の色があった。


亮「おお!紅蓮の輪の人たち!よろしくお願いします!」


ガルド「ここは俺たち《紅蓮の輪》が先に入る。 Fランクは後だ」


亮「え? そうなの?俺たちEランクになったのだけど……」


ガルド「EでもFでも一緒だ!」


亮「いやいや、一緒じゃないよ……」


みゆ「雑な分類」


あんな「それにランクで順番決まってないよね?」


みゆ「ギルド規約上、先着順。C級だから優先、という条項は存在しない」


ガルド「チッ……」


横から、剣士の男――レオンが困ったように口を挟む。


レオン「まあまあ、別に急がなくても――」


「レオン、黙って」


冷たい声で遮ったのは、女性剣士セリナだった。


セリナ「Fランクが中で邪魔になると困るの。 命も、ね?」


その隣で、魔法使いのリュシアが微笑む。


リュシア「ダンジョンは危険なのよ?…“運が悪い”と、入口で事故もあるし?」


ヒーラーのミレイアは、何も言わずに冷ややかな視線を送る。


亮「えーっと……Eランクなんだけど」


あんな「パパ……」


みゆ「典型的な“威圧型マウンティング”。実力誇示による排除行動ね」


もっふる「ピィ……」


亮は首をかしげて、にこっと笑った。


亮「じゃあ、どうぞ先に入ってください!」


ガルド「……は?」


亮「俺ら、ゆっくりでいいので!」


セリナ「……調子狂うわね」


リュシア「ふふ、物分かりがいいのは嫌いじゃないわ」


《紅蓮の輪》は、そのままダンジョンの中へ入っていく。

去り際、ガルドが振り返る。


ガルド「中で会っても、助けは期待するなよ」


亮「はーい!」


姿が見えなくなった後。


あんな「……パパ、今の絶対絡まれるよ」


みゆ「確率は高い。 “中で再遭遇イベント”発生率、八割」


亮「えぇ……?」


もっふる「ピィ♪」


「……あー……」


近くで準備をしていた中年の冒険者が、気まずそうに頭をかいた。


中年冒険者「気にすんなよ。あいつら、ああいう連中だから」


亮「え、そうなんですか?」


中年冒険者「実力はある。C級なのも伊達じゃねえ。でも……」


あんな「でも……?」


中年冒険者「評判は、あんまり良くねえな」


別の冒険者――軽装の女性が、小声で続ける。


女性冒険者「弱い相手には強気で、ランクが上の人たちには妙に大人しいタイプ」


みゆ「……典型的な選別行動」


中年冒険者「中でパーティが崩れた時、“見捨てた”って話も聞く」


亮「えっ、それは……」


中年冒険者「だからよ。あいつらと一緒になったら、気を付けろ」


あんな「ご忠告、ありがとうございます」


女性冒険者「Fランクでも、あ、今はEランクか、あんたたち、空気がいいからさ」


亮「空気?」


女性冒険者「変にピリピリしてないって意味」


もっふる「ピィ♪」


女性冒険者「巻き込まれないようにしてね」


亮「……はい!ありがとうございます」


冒険者たちがそれぞれ準備に戻る。


あんな「パパ、聞いた?」


みゆ「要注意パーティ、確定ね!」


亮「ま、でもさ。俺たちは俺たちで、ゆっくり行こう。ダンジョンは逃げないしな」


あんな「……パパならそう言うと思った」


みゆ「予測通り」


もっふる「ピィ♪」


こうして――

静かに口を開けた巨大ダンジョンの前で、

神崎家と《紅蓮の輪》、それぞれ別の思惑を胸に刻みながら、同じ闇へと足を踏み入れることになる。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

まだ足を踏み入れてもいないダンジョンの前で、静かに不穏な気配を孕み始めていた――。



ついにやってきた神崎家のダンジョン初挑戦!


第一階層で待ち受けていたのは、お約束のスライムと……これまたお約束の『宝箱の罠』!?


パパの不注意で大ピンチかと思いきや、まさかの勇者覚醒(?)が炸裂します。


次回、第29話『え、パパが勇者!? 第一階層はスライムと宝箱の罠だらけ!?』。


神崎家の賑やかな冒険、ここからが本番です!


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