第27話 え、パパが勇者!? Eランク昇格なのに人気は最下位!? 新ダンジョン出現で事態急変――⁉
ギルドに戻ると、リーナが満面の笑みで迎えてくれた。
リーナ「ありがとうございます!ホーンラビット、最近増えて困ってたんです!」
亮は胸を張る。
亮「ふっ……これぞ勇者パパの実力!」
あんな「パパ、何もしてなかったよね?」
みゆ「統計的にみても“貢献ゼロ”」
もっふる「ピィー♪」
亮「言い方ーー!」
リーナはそんな亮に微笑みかけた。
リーナ「今回の討伐で――神崎さんパーティ、正式にEランクに昇格です!」
亮「おおっ!? ランクアップ!?」
周囲の冒険者たちがざわつく。
冒険者A「え、まだFランクだったの!?」
冒険者B「逆にすごい……あれだけ騒ぎ起こしてF……?」
その横で――
あんな親衛隊とみゆ親衛隊が、娘たちに歓声を上げた。
親衛隊「おめでとうございます、あんな様!」
親衛隊「みゆ様、おめでとうございます!」
そしてなぜか、
ついでのようにパパにも祝福が飛ぶ。
親衛隊「……あ、亮さんもランクアップおめでとうございます!」
亮「ちょ、ちょっと待って!? なんで“ついで”みたいになってるの!?
しかもいつの間に親衛隊⁉」
あんな「パパ、意外と人気あるんだねー」
みゆ「でもパパは“推しランキング”で四位!」
亮「四位!? 家族三人中の四位!?」
もっふる「ピィー♪」
亮「もっふるの方が順位は上ってことね。当然かー!」
そのとき――
ギルドの扉が勢いよく開いた。
冒険者「リーナさん! 新ダンジョン、20階層まで到達したらしいぞ!」
ギルド内がざわつく。
あんな「20階層!? リーナさん、前に“ダンジョンが”って言ってたよね?」
リーナ「はい……。実は、王都近郊で新しいダンジョンが出現したんです」
真剣な表情で続けた。
リーナ「ギルド資料室に、過去のダンジョン記録があります。あんなさん、みゆさん……こちらへどうぞ」
あんなとみゆは資料室へ案内された。
リーナ「ダンジョンについては、こちらの資料をどうぞ。……あ、亮さんは……その……読むより聞く方が早いかも……」
亮「えっ!? 俺そんなに信用ない!?」
あんな「パパ、図書館で怒られてたし」
みゆ「読書適性、低め」
もっふる「ピィ」
あんなは分厚い資料をめくりながら眉をひそめた。
あんな「……ダンジョン出現は数十年ぶり。しかも“王都近郊”での記録は……残ってない?」
リーナは頷き、さらに声を落とした。
リーナ「はい。しかも今回のダンジョン……規模が異常なんです。最深部不明、階層構造不明、魔力濃度も観測不能。ギルドでは“世界三大ダンジョン級”と判断しています」
みゆは資料を閉じ、真剣な表情になる。
みゆ「……つまり、“未知のダンジョン”ってことだね」
亮「え、え、え……!? それって面白いやつ!?」
あんな「パパ、落ち着いて!」
みゆ「先ずはリーナさんの説明を聞く」
亮「……はい」
リーナは落ち着いた声で説明を続けた。
リーナ「安心してください。現在の調査では、20階層までは“低ランク”か、その少し上の魔物しか出ないとの報告を受けています」
亮「おお……じゃあ、危険ってほどじゃないんだな?」
リーナ「ただし――」
リーナの表情がわずかに引き締まる。
リーナ「……ただ、階層ごとの細かい構造までは分かっていません。 “テーマ階層”も珍しくないので、その点は注意をしてください」
亮「面白そうー!」
胸を張って宣言する。
亮「よし、ダンジョン行こう!定番は体験しないと!それに、ランクアップ記念だし!」
あんな「何の記念よ。スローライフはどこ行ったの?」
みゆ「でも、アイテムや宝箱の中には貴重なものがあるかも」
亮「ほら見ろ! みゆも乗り気だし!」
みゆ「いや、帰れるヒントがあると思っただけ!」
あんな「パパのいつもの即決!」
みゆ「……想定内だけど」
亮「決定! 明日、早速行ってみよう!」
もっふる「ピィ♪」
こうして――
Eランクに昇格したその翌日、神崎家は“未知だらけの新ダンジョン”へと足を踏み入れることが、ほぼ確定してしまったのだった。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、
未知の巨大ダンジョンの出現とともに、静かに次の物語へ動き出す――。
準備を終え、ついにやってきたダンジョン初挑戦の日!
朝からテンションMAXなパパでしたが、入口で待ち構えていたのは、何やらワケありそうなCランクパーティで……?
次回、第28話『え、パパが勇者!? ダンジョン初挑戦は朝から波乱!?』
神崎家のスローライフ、迷宮の洗礼からスタートです!
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もっふる「ピィー♪」




