第26話 え、パパが勇者!? 出番ゼロ!? ウサギ討伐で娘ともっふるが全部持っていった――!
リーナが駆け寄ってきた勢いのまま、
神崎家は受付横のテーブルに案内された。
リーナ「最近、王都近郊に新しいダンジョンが見つかって…… 冒険者の皆さん、ほとんどそっちに行ってしまって…… 普通の依頼が全然回らないんです……!」
あんな「パパが何かやらかしたわけではないのですね?」
リーナ「ち、違うんです! 今回は亮さんのせいじゃないんです!」
あんな「……え?」
みゆ「統計的に見ても珍しいわ。パパが無関係なんて!」
亮が勢いよく身を乗り出す。
亮「ダンジョン!? これも異世界の定番!」
あんな「はいはい。パパは“定番”って言葉が好きすぎる」
みゆ「その定番、だいたい事故の前触れ!」
あんな「ところで、頼みたい依頼は?」
リーナ「王都近郊の草原で“ホーンラビットがちょっと増えた”だけなんです!」
亮「ウサギ!?」
あんな「ウサギって言っても、角があるやつね」
みゆ「突進力はあるけど、危険度は低い」
もっふる「ピィ♪」
リーナは依頼書を差し出す。
リーナ「今回、この依頼を受けてもらえれば……本当に助かります!」
亮「よし! スローライフのために頑張るぞ!」
あんな「スローライフのためにウサギ倒す人、初めて見た」
みゆ「パパのスローライフ定義、破綻してる!」
もっふる「ピィ♪」
依頼書に記された草原に到着すると、
ホーンラビットが十数匹ぴょんぴょん跳ねていた。
ホーンラビット「キュイッ!」
その鳴き声を合図に、群れが一斉に突進してくる。
亮「うおおおお!? 速い!?」
あんなとみゆが、無言で視線を交わした。
みゆ「今回は私ね!」
『クライ・フォーミュラ』〈氷結式〉
ホーンラビットは一瞬で、白い彫像になった。
あんな「あれ?一匹残ってる!」
もっふるとホーンラビットが対峙していた。
もっふる「ピィッ!」
ホーンラビット「キュイッ!」
もっふる「ピィーー!」
ホーンラビット「キュイッーー!」
ホーンラビットに威嚇されて後ずさるもっふる。
亮「おおーなんか、この光景可愛いなーー」
あんな&みゆ「パパ―!」
その瞬間――
もっふるの蹴りが、一直線に放たれた。
決着は、一瞬だった。
亮「あれ?パパの出番は!?」
あんな「なかったよ」
みゆ「パパの『号令係』今日は出番なしー」
亮「そんなぁぁぁ!」
こうして――
神崎家ともっふるのうさぎ討伐は無事終了した。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、
今日もパパの活躍はお預けのまま、神崎家の物語は次の騒動へと続いていく――。
ホーンラビットの討伐を終え、ついに神崎家がEランクへ昇格!
お祝いムードかと思いきや、パパに突きつけられたのは『家族内人気ランキング最下位』という非情な現実で……!? そんな中、王都近郊に突如現れた謎の巨大ダンジョンの噂。
次回、第27話『え、パパが勇者!? Eランク昇格なのに人気は最下位!? 新ダンジョン出現で事態急変――⁉』。
神崎家のスローライフがいよいよ迷宮入り(?)します!




