第25話 え、パパが勇者!? 王都図書館で調べもの――と思ったらギルドが静かすぎる!?
第三章、始まります!
王都での生活にも慣れてきた神崎家ともっふるですが、パパの天然っぷりは相変わらずです。
でも、家族の絆はますます深まっていきます。
今回も、楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。
王都に拠点を構えてから数日。
神崎家の朝は、今日も変わらず――
亮「よし! 今日もスローライフだな!」
あんな「……パパ、それ毎日言ってるけど、王都来てから一度も“のんびり”してないよね?」
みゆ「統計的に見ても、トラブル発生率は右肩上がり。スローライフとは逆相関です」
亮「え? そうか? ほら、今日は図書館だぞ? 知的で平和じゃん」
そう言って胸を張る亮の前にそびえ立つのは、
王都随一の規模を誇る王立図書館。
三人は受付で手続きを済ませ、静かな館内へ足を踏み入れた。
高い書架が並び、紙の匂いがふわりと漂う。
あんなは転移や召喚、異界干渉についての文献をめくりながら、眉をひそめる。
あんな「……やっぱり、元の世界に戻る方法って、簡単には書いてないか」
みゆ「その手の情報は禁書扱いか、断片的にしか残ってない可能性が高いわね」
異世界の歴史書には、王国の成り立ちや、過去の戦乱についての記述が並んでいた。
みゆ「……約300年前、人間とエルフ・ドワーフ諸国との大戦」
あんな「そんな昔の話なのに、今も国交ないんだ」
亮「300年!? そんなに長く!? そりゃ会えないわけだ……。それならエルフの国に行ってみよう!」
あんな「それならって、国交がないから、行けないでしょ!」
みゆ「拘束される確率100%だね!」
亮「えーー、たぶん大丈夫だよーー」
あんな&みゆ「パパ――」
図書司書「図書館では静かにしてくださいね!」
三人「はい」
図書館を後にした神崎家ともっふるは、ギルドへ向かった。
亮「いや〜勉強したなぁ! 今日は知識が増えた気がする!」
あんな「……パパ、最後のあれ完全に怒られてたよね?」
みゆ「図書館の出禁リスト、今日ひとり増えたと思う」
亮「え、なんで!?」
そんな会話をしながら歩いていると、
ギルドの大きな建物が見えてきた。
そして――
ギルドの扉を開けた瞬間――
三人は思わず足を止めた。
あんな「……あれ?」
みゆ「……人、少なすぎ」
普段は朝から冒険者でごった返しているはずのギルドが、今日は妙に静かだった。
受付前には数人が慌ただしく書類を運び、奥では職員たちが小声で何かを話し合っている。
亮「え? なんか今日、空いてるな。ラッキー?」
あんな「いや、これは……ラッキーじゃないでしょ」
みゆ「異常事態の確率が高い」
亮「えっ……まさか……」
あんな「パパ、また何かやった?」
亮「やってない! 今日は図書館しか行ってない!」
みゆ「図書館で何か壊した?」
亮「壊してない! 本を読んだだけ!」
そんなやり取りをしていると――
リーナ「あっ、亮さん!」
受付の奥から、リーナがこちらへ駆け寄ってきた。
リーナ「ちょうど探していたんです。……亮さん、少しお時間いいですか?」
亮「え? 俺?」
あんな「……やっぱりパパだ」
みゆ「原因はパパ」
もっふる「ピィ……!」
亮「えーー!?」
こうして――
異世界を知るために始めた王都図書館通いで、
神崎家はこの世界の常識を学ぶことになった。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)の、
神崎家はまだ知らない、この世界の“次の一歩”へと進んでいく――。
第25話、お読みいただきありがとうございました!
今回から第三章・王都ダンジョン編がスタートです。
パパの天然行動は今回も健在ですが、
次回からいよいよ本格的な展開が始まります。
果たして、ギルドで何が起きているのか?
そして神崎家はどう関わることになるのか……?
次回もお楽しみに!
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