第14話 え、パパが勇者!? 王都の前で語る“家族の強さ”ー!?
──王都まで半日ぐらいの距離、
神崎家ともっふる、騎士の二人は夜を明かすために焚き火を囲んでいた。
パチパチと薪がはぜ、湯気の立つ鍋からスープの香りが漂う。
亮「おぉ〜、やっぱ焚き火っていいなぁ……。ほら、もっふる、あったかいだろ?」
もっふる「ピィ〜♪」
あんな「パパ、火の番ちゃんとね。焦がしたらスープが台無しだから」
亮「わかってるって! 今回は“焦がさないスキル”発動中だ!」
みゆ「そんなスキル、存在しません」
ルーク「はは……本当に仲がいいんですね。まるで旅の途中とは思えない」
カイル「その気持ちはわかります。自分も“家族ってすげぇな”って思ってました」
亮「ん? そうか? 普通の家族団らんだろ?」
ルーク「いえ、俺には……羨ましいです。家族で旅をして、笑って、助け合って……。王都の騎士団では、任務や規律が中心で、こういう温かさは滅多にないですから」
カイル「……そうですね。戦場じゃ、笑う余裕なんてほとんどない。だから余計に……こういうのが眩しく見えます」
あんな「……でも、こう見えてトラブル多いんですよ。主にパパのせいで」
みゆ「統計上、発生率は9割以上」
亮「おいおい、そんな数字出すなよ!」
もっふる「ピィ♪」
ルーク「ふふっ……でも、そういう空気が、きっと強さの源なんですね」
亮「強さ?」
ルーク「ええ。戦ってるとき、あんなさんとみゆさんの息が完璧に合ってました。言葉を交わすより先に、動きが連動している感じで……あれは、信頼がないとできない」
カイル「ああ……俺も見てました。あの動き、疑うとか考える前に体が動いてた。あれが、家族の呼吸ですよね」
あんな「……ありがとう。でも、たぶん理由は特別なことじゃないと思う」
みゆ 「相手の動きを読んでるわけじゃない。 “そう動く”って、感じてただけ!」
あんな(……女神の補正も、あるのかも)
ルーク「ははっ、なるほど……でも、俺はそういうの、いいと思います」
カイル「自分もです。そういう無茶な強さ、嫌いじゃないです」
(火の光に照らされた二人の横顔が、どこか穏やかに見えた)
亮「……ありがとな、ルークさん、カイルさん。王都に着いたら、今度はお二人のおすすめ飯屋にでも連れてってくれよ」
ルーク「もちろんです! 美味い酒場、知ってますから!」
カイル「任せてください!」
もっふる「ピィ♪」
あんな「……パパ、お酒控えめにね」
亮「お、おう……」
焚き火の火花が夜空に舞い上がる。
笑い声と、静かな炎の音が、大自然の懐に溶けていった。
こうして――
焚き火の夜に語られた家族の強さは、王都への旅路をさらに照らした。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、
焚き火の灯りと星空に包まれながら、静かに続いていく。




