第12話 え、パパが勇者!? 王都への街道で人助けー!?
第二章、スタートです。
新しい場所、新しい出会い。
けれど変わらないのは、
なぜか騒動を呼び込むパパと、
それを支える(?)家族の日常。
今回も、楽しんで
読んでいただけたら嬉しいです。
リーネ村を出発して数日。 森を抜け、ようやく王都に続く街道が見えてきた。
大きな道が遠くまで伸びている。 風が草原を渡り、異世界の暮らしの匂いがどこか懐かしく感じられた。
亮「おおっ、これが“王都に続く街道”か! まさに冒険の道って感じだな!」
あんな「はしゃぎすぎ。道間違えないでね」
亮「任せとけ! 俺の勘は鋭いんだぞ!」
みゆ「その“勘”で森に迷いかけた人がいた気がするけど」
もっふる「ピィ〜……」
そんなやり取りをしていると、前方から慌てた声が聞こえた。
商人「うわぁっ、ちょ、ちょっと誰か助けてくれー!馬車が――!」
駆け寄ると、荷馬車の車輪がぬかるみにはまっていた。 積み荷が傾き、馬が不安そうに嘶いている。
商人「動かねぇんだ、どうすりゃいいんだよ!」
亮「任せてくれ。」
あんな「パパ、まさか力ずくでやる気!?」
みゆ「地面がぬかるんでるのに……」
あんな&みゆ「ぜっーーたい無理だってーー!」
亮は袖をまくり、軽く肩を回した。
亮「ま、なんとかなるって!」
そう言って両手で荷馬車の後部を持ち上げようとした――
びくっ……! ぐぐぐ……! ……ぴくりとも動かない。
亮「……あれぇ? こんなに、重かったっけ……?」
商人「え、えぇ……。 だ、大丈夫なのかい……?」
あんな「ほらね、言った通りでしょ。絶対無理なんだから。」
みゆ「計算上、パパの筋力では“持ち上がらない”が正解だから。」
もっふる「ピィ〜……」
みゆ「私にまかせて、《ストーンロック》!」
ぬかるんでいた地面が一瞬に固まり、
馬が軽く引いただけで―― ガラガラッ と馬車が普通に動き出した。
商人「お、おお……! な、なんだ今の!? 魔法か? いや、それにしても、さっきまでビクともしなかったのに、こんなに軽く動くなんて……!本当に助かったよ!何か、お礼がしたいのですけど…」
亮「気にしないでください。困ったときはお互いさまです!」
商人は何度も頭を下げ、馬車を再び走らせていった。
見送ったあと、風が草原を渡り、もっふるの羽毛を揺らす。
亮「……こういうの、いいよな」
あんな「何が?」
亮「誰かが困ってて、ちょっと力を貸せるってやつさ」
みゆ「そういうのが“勇者”って言うんじゃない?」
亮「ははっ、俺、勇者なんだっけ?」
あんな「いまさら!?」
みゆ「でも、今回はパパ何もしてないけどねーー」
もっふる「ピィピィ〜!」
家族の笑い声が青空に弾け、風にのって草原を渡る。 もっふるも楽しそうに羽毛を揺らし、みんなの頬には自然と笑顔が広がった。
こうして――
家族の笑い声と風が草原を渡る中、神崎家ともっふるは王都への道を進み始めた。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、いよいよ第二部スタート
第13話 え、パパが勇者!? 号令係パパと最強姉妹ー!?




