第1話 え、パパが勇者!? 炊飯ジャー暴走で家族まとめて異世界召喚!?
家族でほのぼのスローライフを送りたい――
そんな願いを胸に描き始めた、異世界ファミリーコメディです。
「もし自分と子どもたちが異世界に行ったら?」という、ちょっとした想像から生まれました。
気軽に読めて、くすっと笑えて、
そして少しでも「家族っていいな」と思ってもらえたら嬉しいです。
楽しく書いていますので、
あなたの日常の合間に、そっと寄り添うような作品になれたら幸いです。
とある町の神崎家。
今夜も夕食前の食卓には、湯気より早く笑い声が立ちのぼっていた。
いつも通り、温かな家族の時間が始まろうとしている。
亮「おおお〜っ! 今日の米は絶対にうまいぞッ!」
炊飯ジャーの前で腕を組み、満面の笑みを浮かべる男――神崎亮、50歳。サラリーマン。趣味は“美味しいお米を食べること”。
みゆ「あのさ、パパ。たかがご飯で毎回そんなに気合入れるのやめてくれない? 恥ずかしいから」
冷静沈着な理系女子、次女の神崎みゆは呆れ顔で父にツッコミを入れる。
あんな「まぁまぁ、みゆ。パパが喜んでるんだし、いいじゃない。今日は私たちで作った煮物もあるし、一緒に食べよ?」
優しく場をなだめるのは、長女の神崎あんな。しっかり者で、まとめ役だ。
亮「よ〜し、それじゃあ――いざ、オーーープン!!!」
勢いよく炊飯ジャーの蓋を開けた、次の瞬間。
ボフッッ!!!
白煙が一気に噴き出し、瞬く間に部屋中を覆い尽くす。
それはいつもの蒸気とは明らかに違う、異常なほど濃い白いもやだった。
みゆ「ちょ、パパ!? なにしたのこれ!?」
あんな「ぎゃっ、目が、目があぁぁ!」
亮「く、くるしい……けど……米の香り……うまそう……」
視界が白に染まり、体の感覚がフワリと宙に浮いた。
次に三人が目を開けたとき、そこは――空に浮かぶ神殿のような光景だった。
みゆ「……え、ここどこ? ていうか、浮いてる!?」
あんな「パパ……またなんかしたでしょ……?」
その時、ふわりと宙に舞うように現れたのは、神々しい光をまとった女神様。
女神「神崎家の皆様、ようこそ異世界へ♪
ここは“メシリア王国”。魔王の脅威に苦しむ民を救うため、貴方たちを召喚しました!」
あんな「え……召喚って、私たちも含めて…?異世界召喚ってほんとにあるんだ……」
みゆ「ちょっと待って、それ絶対おかしい。召喚とか、聞いてないんだけど!」
女神「あっ、いえ、お二人は本来予定にありませんでした♪」
みゆ「はあ!?」
女神「はい、召喚対象は“お父様お一人”だったのですが……“炊飯ジャー”ですね♪ 特殊な神具と誤ってリンクした影響で、お二人も空間の歪みに巻き込まれてしまいまして……」
あんな「つまり……」
あんな&みゆ「やっぱりパパのせいかーーーッ!!!」
亮「えっ? そうなの?でも一緒に来れたから、よかったじゃん?」
あんな「よくないよッ!!!」
女神「ですが、ご安心ください。皆様には女神の加護を与えましょう!」
その瞬間、あんなとみゆの体が神々しい光に包まれた。
女神「長女・あんなさんには“剣の加護”! 圧倒的な身体能力と剣の達人スキルを!
次女・みゆさんには“魔法の加護”! 全属性魔法とそれを支える圧倒的な魔力を!」
みゆ「え、めっちゃチートなんだけど」
あんな「なんかRPG的展開……悪くないかも」
(ふたりのスキル紹介が終わると、女神はひときわ大きく手を広げて――)
女神「そして最後に――神崎家の大黒柱にして、世界を照らす希望の光……
父・神崎亮さんには、“お米の祝福”と“勇者”の称号を!」
亮「……え?」
女神「あなたはこの世界において“最も謎多き力”――
“お米”との強力なリンクを持つ唯一の存在。ご飯を炊けば炊くほど、全ステータスが上昇します! さらにスキルは…」
亮「よっしゃあああああ!! これ……夢じゃねぇよな!? 最高だぁぁぁ!!」
女神様の説明そっちのけで、ひとりガッツポーズを決める父。
みゆ「いや、ステータスの上げ方おかしくない? てか、パパが一番楽しそうって…!」
あんな「ほんとそれ! それとパパ、女神様の話くらい最後まで聞いてよ!」
そんな二人をよそに――
女神「……どうやら時が満ちたようですね。それでは皆さま、異世界ライフをお楽しみくださいねー♪」
みゆ「あっ、ちょ、待って! まだ質問――」
あんな「スキルのこととか、全然聞けてな――」
言い終わるより早く、足元から柔らかな光があふれ出す。
白い輝きが一気に広がり、三人の体を包み込んでいく。
みゆ「うわ、まぶしっ……!」
あんな「まだ聞きたかったのにぃ〜〜!!」
亮「おおっ、いよいよ来たか! 召喚ターイム!!」
最後までマイペースな亮の声を背に、
神崎家の三人は眩い光の中へと飲み込まれていった――。
……だがこの時の神崎家はまだ知らない。
異世界で待ち受けるのは、魔王よりも恐ろしい—— パパのやらかしだということを。
こうして――
なぜか炊飯ジャーをきっかけに、神崎ファミリーは異世界へと召喚されることになった。
ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が今、幕を開ける――!
読んでくださってありがとうございました!
この物語は、家族でゆるく異世界を楽しみつつ、ちょっとしたトラブルに巻き込まれていく……そんな “にぎやかスローライフ” を描いています。
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パパが調子にのりますけど、私たちが止めまーす⁉
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