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義妹の引き立て役はもう終わりにします  作者: 水空 葵


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41. 自分の意思で

 魔物を操っている人がいる。

 分かっていても、操っている人を見つけないと対処は難しい。


「すぐ近くに操っている人が居る気がします……」

「分かった。アイリス、闇魔法でこの辺りを薄暗くしてほしい」

「闇魔法ですか……?」


 人を探すのに、暗くしたら見つけられなくなる気がする。

 けれども、問い返すとしっかりとした頷きが返ってきたから、イアン様は何かを狙っているに違いない。


「――この手の魔法は、魔法陣を描かないと使えない。その光を探すんだ」

「そういうことなのですね。出来るだけ広く暗くしてみます!」


 そう口にしながら魔力を込めると、一瞬で辺りが暗くなる。

 魔物の姿はハッキリ見えるから戦いに支障は無いと思うけれど、夜の方が危険だと知っているから心細い。


 でも、今は魔物を操っている人を探さないと……。

 そう思いながら周囲を見渡すと、淡い光が漏れている木が目に入る。


「あれですか?」

「間違いない。あの木の裏に誰か隠れている」

「あの人を倒せば魔物は集まらなくなりますよね……?」

「その通りだが、誰の指示なのか調べたいから、生け捕りにする」

「分かりました。捕まえてきますね!」


 私はそう口にして、水魔法を使った。

 人前で試したことは殆どないけれど、私の水魔法は手足のように動かすことが出来て、重たい物でも軽々運べる。


 それを木の裏に隠れている人に使えば、魔物の輪を突破しなくても捕まえられるのよね。

 けれど、ここからだと人の姿が見えないから、まずは木を切り刻む。


「捕まえてくるって……水魔法でそんなことが出来るのか」


 あっという間にバラバラになる木を見て、イアン様は間抜けな表情を浮かべている。

 でも、木の裏から現れた人はもっと間抜けな表情を浮かべていた。


「どこに運びますか?」

「そうだな……とりあえず、あの憲兵隊のところに」

「分かりました」


 イアン様と言葉を交わしていると、その人は逃げ出そうと踵を返したから、水魔法で捕まえる。

 そして言われた通りの場所まで持ち上げると、言葉に表せない叫び声が響いた。


 でも、魔物の波は止まらない。

 魔法陣から引き離せば魔法の効果は止まるけれど、既にかかっている魔法までは解けないらしい。


 このまま戦いを見ているだけなのは嫌だから、私も魔物を倒したい。

 だから、イアン様に声をかけることにした。


「イアン様。魔力は大丈夫なので、私も魔物を倒しますね!」

「ありがとう。無理はしないように」


 ……止められると思ったけれど、お礼が返ってきて戸惑ってしまう。

 今までは言われるままに動いていたけれど、自分から意見を言えば受け入れられるらしい。


 誰かに感謝されるなら少しくらい無理しても嬉しい気持ちになれるから、今日は全力を出そうと思う。

 だから、私が使える中で一番効果がある防御魔法を使ってから、最前線に足を進める。


 そして、迫ってくる魔物を纏めて倒せる攻撃魔法を放った。


「……今の凄かったな」

「これだけ手こずってた魔物が一瞬で……」

「こんな魔法を使える人が居たのか……」

「まさか、聖女様の魔法か?」

「そうに違いない。こんな魔法、初めて見たぞ」


 周囲からそんな声が聞こえてくるけれど、誰も私には気付いていない様子。

 私が使った魔法は、空から氷の槍が降り注ぐというものだから、使い手の存在までは分からないのよね。


 でも、今は命を狙われている身だから、使っている姿を見られない方が絶対に良い。

 だから気配を殺して馬車に戻り、今度は町を包囲する魔物の上に大きな雲を作り雨を降らせる。


 いつもの水魔法だけれど、雨になると効果が薄まってしまうみたいで、魔物の動きが少し鈍くなる程度。

 それでも数分も降らし続けたら、倒れる魔物も出てきた。


「アイリス、あの雨は君の魔法か?」

「はい。駄目でしたか?」

「駄目ではないが、魔力は大丈夫なのか?」

「あと一週間くらいは使い続けても余裕です!」


 そう口にすると、イアン様はまた間抜けな表情を浮かべる。

 でも、何かを思い出したのか、すぐに真剣な表情に戻った。


「アイリス。例の男だが、ウェストフォールを囲う魔物も人が呼んだものだと証言した」

「えっ……?」


 全く予想していなかった言葉に、今度は私が間抜けな顔を晒す羽目になってしまった。

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