表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義妹の引き立て役はもう終わりにします  作者: 水空 葵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/49

33. Side 続く失敗

 アイリスが王宮の使用人達にお茶を配っている頃。

 ザーベッシュ邸の一室では争う声が響いていた。


「また失敗したのか! 失敗しただけならまだしも、今までにかけた洗脳を解かれただと!?」

「仕方ないじゃない! あなたが対策しないからこうなったのよ!?」

「お前が完璧だと断言したから信じていたんだぞ! 発言の責任を持て!」

「それは……あなたが絶対にバレないって言ったからよ! あなたこそ自分の発言に責任を持って欲しいわ! 大体、いつも私を頼ってばかりで自分ではなにもしないじゃない!」


 問い詰めようとするロイドに、イリヤは責任を押し付け返す。

 この様子を見ている使用人達は揃って口を噤んでいて、言い争いが収まる気配はない。


 しかし、ロイドは言い返す言葉を失ったのか、途端に黙り込む。

 そして間を置いてから、再び口を開いた。


「……そもそも、アイリスを利用しようとするのが間違いだったんだ! あの娘を消せば、ジュリアが聖女になる。それを利用しよう!」

「えっ、本当に良いの!?」

「それしか手が無いから仕方無いだろう……待て、喜ぶところか?」


 あれだけの仕打ちをアイリスにしていても、ロイドは人を殺めることに抵抗がある。

 一方のイリヤは、憎い女の娘をこの世からようやく消せると聞いて、表情を輝かせていた。


「喜んで当然だわ。あなたが反対するから生かしていたけれど、すぐにでも消したかったのよ」

「……そうか」

「どんな風にあの世に送るのが良いかしら? やっぱり、今までの恨みを晴らしてからの方が良いわよね?」

「勝手にしてくれ」


 楽しそうに殺害計画を考え始めたイリヤを前に、ロイドは一歩後ずさる。

 もし自分がイリヤに恨まれたら……想像するだけでも恐ろしい。


 もっとも、喧嘩することはあっても、すぐに仲直りを出来る夫婦仲だ。

 自分が殺されるとは微塵も思っていない。


「そう。でも、迷惑はかけたくないから、気付かれないように気を付けるわね」

「それは助かる。だが、消すのにも失敗したら、その時はアイリスに頭を下げてでもこの家に戻ってきてもらうつもりだ。そうしないと、この家は立ち行かなくなる」

「またあの娘と暮らすなんて、死んでも御免よ」

「前のように物置小屋に入れておけばいい。それなら大丈夫だろう?」

「それなら耐えられるわ。でも、嫌だから絶対にあの世送りにするつもりよ」


 自信に満ちた様子で胸を張るイリヤは、さっそく計画を紙に書いていく。

 一方のロイドは見守るだけで計画には関わろうとしない。


 しかし、間もなく計画が立てられると、使用人達には口外しないようにと命令を下すのだった。

 かくしてアイリス殺害計画は動き出す。


 この計画が成功すると信じている者は、イリヤのたった一人だけだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ