第75話 初級冒険者の章 エピローグ
「……んっ、ちゅっ、はむっ……ちゅっ……」
何やら首元がくすぐったい。むむっ、この嗅ぎ慣れた香りは七海さんですね。ああ、この香りは安心する。心が休まる良い香りだ。
そうか、もう朝なのか。ボクはあの死闘を生き残ったのか……。
「……れろっ、ちゅっ、んんっ……ちゅっ……」
ボーっとする頭でダンジョンでの死闘を思い出した。ボクはライオンのような獣になったつもりだったけど、実際には猫ちゃんだったのだろう。
どうやらビアンカちゃんの相手をするには早すぎたようだ。やっぱりボクは七海さんとエッチしてレベル上げをしないとダメだと思います。
それくらいのレベル差を感じてしまったが勘違いしないで欲しい。ビアンカちゃんも処女だったのだ。サキュバスクイーンなのに処女なんて有り得るのかと思ったが、愛棒さんが感じたあの聖なる封印は七海さんと同じだと申しております。なぁ、愛棒?
つまりサキュバスクイーンという種族は生まれながらにしてエッチレベルが高く、童貞卒業したばかりのボクが敵う相手じゃなかったという事だ。でも気持ち良かったですよ?
「……はむっ、ちゅっ、ちゅっ……ちゅっ……」
さて、そろそろ目を開けようと思う。愛しの七海さんとご対面です。
「おはようございます、七海さん。えっと、朝から過激ですね?」
七海さんと同棲するようになってからほぼ毎日一緒に寝ているため、こうやって朝のスキンシップを取る事は良くあります。でも今日はいつも以上に積極的なのだ。
ボクに覆い被さるように抱き着いた七海さんが首元に顔を埋め、レロレロしたりチュッチュしたり大忙しです。もしかしてマーキングですか!?
「ちゅっ……ユウ君しゅき、一生逃がさない、ずっと私のモノだもん…………ちゅっ」
「…………?」
ふむ、こんな七海さんは初めてだ。ヤンデレチックな感じではなく、好きで好きで堪らないニャーンって感じだ。
昨晩はこんな感じじゃなかった。イチャラブエッチをしてボクが先に寝てしまったが、至って普通だったのです。
もしかしてビアンカちゃんとエッチをしたせいか? ふむ、ちょっと思い出してみよう。
敵地エロハイムでは猛虎ユウタ軍とビアンカエンゼルスの試合が秘密裏に行われていた。
1回の表、猛虎ユウタ軍は勇猛果敢に攻めまくった。まだ初回だというのに打者一巡の猛攻だった。
「んっ、いいよおにーちゃん……もっと激しくしてっ」
「にゃんにゃーん!!!」
初回から全力のビーストモードですよ。獣の如く腰を打ち付けてホームランを打ちまくる猛虎ユウタ軍は強かったのです。でもそれは長くは続かなかった……。
1回の裏、ビアンカエンゼルスの攻撃は千本ノックの如くパチュンパチュンと打ち付ける杭打ちピストンから始まった。もうその時点でダメだと悟ったね。
何と言っても猛虎ユウタ軍は守備がイマイチだからね、あっという間に逆転されてしまったのです。
「あれあれ~、おにーちゃんったら弱すぎじゃないかな~? ほら、次はおにーちゃんが攻める番だよっ」
「ら、らめぇ……ちょっと休憩させてぇ」
まだ試合を開始して30分も経っていない気がする。まだあと5時間くらいあるんだけど無理じゃないかな?
そう思ったらビアンカちゃんがポーションボトルをたくさん持ってきた。でも見た事のない青い液体が入っていたのだ。
「じゃじゃーん! ハイエルフ特製のMP回復薬だよ~。いひひ、こんな事もあろうかとパクって来たんだー! ほら、これがあれば時魔法だって使い放題だよ♡」
そうか、ボクには時魔法があるんだった! いくぞ愛棒、ビーストモードだっ!!
「にゃんにゃーん!!!」
「きゃはっ☆ いいねいいね、今度は抜かずに5発いってみよー♪」
そんな感じで時間切れになるまで休む間もなく試合を続けたのでした。試合が成立したのか分からないけど、凄いエッチをしてしまったのです。
ビアンカちゃんとのエッチは気持ち良すぎて頭がおかしくなりそうだった。どうやらビアンカちゃんは激しいのが好きらしい。ちなみに、七海さんはギュッと抱き合ってスローテンポなトロトロエッチが好きです。
掲示板に書かれていた人達も同じような感じだったのだろうか……。いや、サキュバスクイーンとエッチしたのはボクだけのはずだ。ちょっとだけ優越感を覚えた。
そんな感じで時間切れまでエッチして朝起きたらコレでした。もしかしてボクの魅力が上がったせいかも?
とりあえず起き上がろうと手を動かした瞬間、ジャラリという鎖の動くような音がした。
「むむっ?」
手を見ると手錠がされていました。ソフトな素材の黒い輪っかが手首に巻き付いていた。鎖の先を見るとベッドフレームに繋がれていますね……。
ふむ、両手を広げた状態で拘束されている。この感じ、足もやられてる予感がします。
こんなに落ち着いているのもこれが初めてじゃないからです。5回目くらい?
「あ、あのあのっ、七海さん?」
「ちゅっ……何かな、ユウ君?」
キスを止めた七海さんと顔が合った。頬が赤く染まり目がトロンとしている。そして何より、瞳にはハートマークが浮かび上がって見えた。
もしかして七海さん、発情中ですね?
「え、えっとぉ、なんか拘束されてるような気がするんですけど?」
「うん、そうだよ♡ んっ……好きだよユウ君、ちゅっ……」
それが何か? って感じでマーキングに戻ってしまいました。
七海さんは動けないボクに跨ってコントロールするエッチが大好きなんだって。トロトロになっていくボクの顔がお気に入りだそうです。
「あ、あのあのっ、七海さん?」
「れろっ……何かな、ユウ君?」
まだ何か用? って感じの視線を向けて来る七海さん。これは困ったぞ……。
せめて両手が塞がってなければお胸をモニュモニュしてあげられるのに見てるだけはキツイです。なあ、愛棒?
「えっと、あの、そろそろ学校へ行く準備をしないと遅刻しちゃいそうなんですけど。ボク、今日は1限から授業があるんですー」
「ユウ君は学校とエッチ、どっちが好き?」
「…………エッチです」
「ふふ、じゃあ問題ないね…………んっ、はむっ……」
…………どうしてこうなった。いや、学校って答えるのが正解だったのか? 正直者なボクは嘘が付けなかったのだ。
でもおかしい。ラブラブなボク達だけど学校とかバイトはサボらずしっかりとするように決めていたのだ。爛れた学生生活には憧れるけど、身を滅ぼしそうだったのです。
「あのあのっ、七海さんー!」
「もう、どうしたのユウ君?」
痺れを切らした七海さんがボクの上から起き上がり、お胸をプルンと揺らしながら見下ろして来た。ヤル気を出した愛棒さんにプニュンとダンジョンが当たっちゃいました。ニュルニュルですー!
いや、それよりも今は七海さんだ。よく見たら下腹部の辺りがピンク色に光っているのだ。あれはサキュバスの館で見た紋章と同じもの……まるでエッチな漫画に出て来る淫紋みたいだ!
「その、今日は一段とエッチなのでどうしたのかな~って思いまして」
もうズバッと聞いちゃいました。こんなにエチエチな七海さんは初めてだからね。もしかして体に異常があるのかも。
ボクの問いかけに薄っすらと笑みを浮かべた七海さんが淫紋の浮き出た下腹部に手を当て、艶めかしい声で話し出した。
「昨日ね、すっごくエッチな夢を見たんだよ。薄暗い地下室でユウ君と綺麗な女の子が激しいエッチをする夢なんだ」
「なっ……!?」
もしかしてビアンカちゃんが関係しているのか!?
「その夢の中でね、私はその女の子と同じ体験をしたの。ユウ君が激しく腰をパンパンしたり、絶対に逃がさないぞっていう勢いで押し倒されて…………されたり。そんな夢を一晩中体験していたからかな、ここがキュンキュンして発情しちゃったみたい」
「ご、ゴクリ……」
下腹部を愛おしそうに撫でまわす七海さんは綺麗だった。
七海さんが愛棒をそっと掴み、腰を上げて角度を調整している。
「ユウ君が欲しくて堪らないの。ごめんねユウ君、今日は手加減なんて出来そうもない。これから気絶するまで、ううん、干乾びるまでエッチしようね」
「はうっ……!!」
七海さんの腰が徐々に下がって行く。ヤバイ、本当に死んじゃうかもしれない!?
「6時間耐久……じゃあ負けた気がするから、最低でも12時間はエッチしようね♡」
そうしてボクは七海さんに食べられてしまったのだった。ネットリと腰を動かす七海さんを見てボクは思った。
今日は必修科目が無くて良かった…………と。




