第67話 お誘い
「…………んん? 何かいつもと違う…………」
薄っすらを目を開けると金色に輝く髪がボクの視界を覆っていた。そして甘い花のような香りが鼻腔をくすぐる。そうか、昨夜は童貞卒業したんだ……。
覆い被さるように寝ている女性がボクの彼女。昨夜はこんなに綺麗な女性とイチャラブエッチをしたのです。もう最高でした。愛棒さんはちょっと情けなかったけど、これからのレベルアップに期待するしかないですね。
昨夜の乱れる七海さんは美しかった。ボクに騎乗して腰を前後にクチュクチュと動かして搾り取られてしまったのだ。なあ愛棒?
ミッチー先輩から聞いた話によれば、愛する男女がエッチして合体したまま眠ると二人でギルドに行けると言っていた。まさか本当に行けるなんて思ってもみなかったな。
そして二人でダンジョンデートを楽しんだのでした。その結果がヒモ野郎だけどね……。
「あんっ、おはようユウ君。うふふ、朝から元気だね?」
「お、おはようございますっ……その、あの、これはっ……はうっ」
昨晩のエッチを思い出したら愛棒さんが朝からやる気満々になってしまった。ああ、気持ち良い……。
七海さんが起き上がると必然的に愛棒さんも深層までダンジョンアタックを開始してしまった。見合上げる美女の裸体は女神様のように神々しくて見惚れてしまう。これがボクの彼女だ、一生大事にしよう。ビアンカちゃんには悪いけど、サキュバスの館はお預けです。
「七海さん凄く綺麗です」
神々しい彼女を見て思わず声に出してしまった。どうやらボクは彼女に魅了されてしまったようだ。
そんなボクを見て嬉しそうに笑った七海さんの顔が近付き、熱いキスをされた。
「愛してるよ、ユウ君」
朝から幸せに包まれた。
◇
「おはようございますー! 姫ちゃん、シフト代わってもらって助かりました。ありがとね~」
朝からホテルでイチャイチャした後、ボクは急いで喫茶店に駆け込んだ。バイトの時間が迫っていたのである。
入院している間に迷惑を掛けてしまったのでサボる訳にもいかず、後ろ髪を引かれる思いで七海さんのだいしゅきホールドを抜け出して来たのでした。でもシャワーを浴びている時にまた襲われたのは内緒です。
「いえいえ、大丈夫ですよ。それよりせんぱ~い、昨日は随分とお楽しみでしたねぇ? なんだか雰囲気が変わりましたよ。それにキスマークがいっぱいありますねぇ」
「えっ、嘘っ!?」
姫ちゃんが下品な笑みを浮かべて言ってきた。まるで舞子さんみたいな感じでした。姫ちゃんも大人の仲間入りして変わっちゃったのか。
「嘘デース! ふふ、昨日はご馳走さまでした。先輩には勿体無いくらい素敵な彼女なんですから、七海さんを大事にしないとダメですよ?」
「わ、分かってるよぉ!」
年下の女の子に揶揄われてしまった。さっき更衣室でしっかりとキスマークがない事を確認したからね。怖い店長さんにもしっかりとお詫びしておきました。
今日もメイド服が似合う姫ちゃんですが、先輩であるボクを揶揄うなんてお仕置きが必要だろう。そうだ、仕返しに透視の指輪の餌食になって貰いましょう。先生、おなしゃす!
「むむっ!?」
『この生意気なメイドさんにお仕置きをお願いします!』という感じで指輪の力を使ってみました。そしたらボクの要望通り上半身だけ裸な姫ちゃんが出来上がりましたよ。
ブルンと揺れる大きなお胸の先っぽは恥ずかしがり屋さんなのだが、何故かキスマークがたくさん付いていたのです。そうか、昨日ホッシーに食われたのか……ぐぬぬ。
「うわ~、先輩さいて~です。どうしてあんな素敵な彼女が居るのに私の胸をガン見するんですか? いつも以上に下種な顔ですよ」
「ち、違うんだよこれはっ! あのあのっ、ボク注文取りに行ってくるねー」
う、羨ましくなんて無いんだからねっ! よし、次はボクも七海さんの体をいっぱいチュッチュしよう。
お昼のピークが過ぎて少し落ち着いた頃、奴が現れた。ボクを敵視する謎のリーマンだ。しかもいつもよりピシッとしたシャツでおシャレ感を出しているのです。
日曜日にまで来るなんて、もしかして姫ちゃんを狙っているのか!?
ストーカーはキムタコだけで十分ですよ。お帰り願いたい。
「あの人また来たんですね。もしかして先輩に気があるんじゃないですか?」
「うげぇ。そういうのは無理なので勘弁してくださいー」
ボクの人生には女の子とのイチャラブしか存在しないのでご了承ください。
変な事を言う姫ちゃんは上半身露出の刑を継続です。この指輪は男にとって最高のアイテムですね。でもボクはパンチラが好きなので下半身はそのままです。だってこの絶対領域は全裸じゃ味わえないからね!
そんな感じで姫ちゃんのお胸をコッソリと見ながらお仕事を頑張っていた時の事、どこからともなく殺気のようなものを感じた。敏感なボクはすぐに視線の先を見つめるとリーマンが居る方からでした。
「どうしたんですか先輩?」
「えっと、何か視線を感じたような?」
「あー、先輩ってば日に日に肌ツヤが良くなってますもんね。もしかして男の娘と思われたんじゃないですか?」
「ちょ、そっちの趣味は無いですからやめてください。それにボク、イケメンですから!」
「イケメン(笑)」
姫ちゃんはホッシーの顔を基準としてるからね、そりゃあホッシーのような王子様系のイケメンには敵いませんよ。
そしてまた視線を感じた。またモテない孤独なリーマンの嫉妬かと思いきや、視線の先に顔を向けると怪しい人が手を挙げていた。サングラスに帽子、コートという怪しさ満点の人でした。
バッチリと目が合ったのでボクが対応するしかないのです。
「お、お呼びでしょうか~?」
その人はサンドイッチと珈琲を優雅に楽しむお上品なお方です。この感じは女性ですね!
「ユウ君、あんまり姫ちゃんの胸ばっかり見てちゃダメだよ?」
「な、七海さん!?」
さすが芸能人です。彼氏のボクにも分からない完璧な変装でした。でもどうしてここに七海さんが!?
「ユウ君が働いてるところが見たくて来ちゃった。終わったら一緒に帰ろうね」
「は、はい!」
なるほど、七海さんはボクに気付いて欲しくて視線を送っていたのか。彼女の視線に気付かないなんて彼氏失格だな。ユウタ反省。
お詫びにお店の一番人気のプリンをプレゼントしました。もちろん自腹ですよ!
◇
姫ちゃんのおっぱいを横目にお仕事をしていたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。
急いで着替えて七海さんのテーブルに向かうと、何故か変装を解除していつもの美人さんになっていたのです。もしかして変装してボクのカッコイイ仕事っぷりを見ていたのかな?
「お待たせしましたー!」
「お疲れ様、ユウ君。じゃあ帰ろうか」
「はーい」
自然と手を繋いでお店を出ました。お隣のテーブルに居たインテリサラリーマンの啞然とした顔が面白かったですね。
既に時刻は18時を回り暗くなっていた。もう本格的な冬に差し掛かろうとしている中、彼女の手は暖かかった。
「来月はクリスマスですね。どこか行きたいところありますか?」
そんな情けない言葉が自然と出てくるヘタレなボクを許して欲しい。今までデートすらした事がないボクは、恋人と初めての過ごすクリスマスというのはハードルが高かったのだ。
でもそんなボクの言葉が嬉しかったのか、ニッコリと微笑んで腕を組んで来た。ムニュっと当たる柔らかい感触にドキドキしてしまう。
「ユウ君と一緒ならそれだけでいいよ♪」
「はわわわ、嬉しいけど一番困るやつです」
やっぱりどこか高級なお店を予約してみようかな。でもどんなお店がいいんだろ。昨日泊まったホテルとか高そうだったよね……。そう言えばお会計は七海さんでしたね。ヒモ野郎かぁ……。
ヒモなボクは夕飯も七海さんにご馳走してもらいました。どうやら七海さんは家事が得意じゃないらしく、しばらくは辛抱して欲しいと言われてしまったのだ。ボクもあんまり得意じゃないので一緒に頑張ろうと思います。
そして仲良くお風呂に入ってベッドでリラックスしていると、エッチな黒いキャミソールドレスを着た七海さんが入って来ました。愛棒さんの出番ですか!?
「ユウ君あのね……ちょっとやってみたい事があるんだけど、いいかな?」
「も、もちろんですよー!」
これはエッチなお誘いに違いないと読み取ったボクは即答したのでした。
昨夜はボクが一方的にやられる展開だったけど、今日はリードする展開に持って行きたい。愛棒さんもやる気満々です。
七海さんがベッドに上がりボクの隣に座った。スケスケでエチエチな衣装が最高です。
甘える感じにしな垂れ掛かった七海さんが甘い吐息を吐きながらプレイ内容を言って来た。
「催眠魔法……使ってみてもいいかな?」
「え…………?」
まさかのアブノーマルな催眠エッチですかー!?




