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本当にそれ、ダンジョンですか?  作者: ポリエステル100%
初級冒険者の章

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第66話 買収


 七海さんと初エッチから始まった二人プレイですが、残念ながら中級冒険者カードをゲットする事は出来ませんでした。27階まで行けただけでも凄いと思います。


 ギルドに戻ってリザルトを更新したところレベルが3つも上がっていたのには驚きですが、何故か変な称号をゲットしていました。


「ギルマスぅー、このヒモ野郎っていう称号は何ですか?」


「お前…………マジかよ」


 ギルマスに聞いてみたらクズ野郎を見るような目を向けられました。まあ名前からして酷い称号だよね……。


「ヒモ野郎ってのはな、初めての二人プレイでパートナーに全部押し付けて自分は一匹も敵を倒さず、ほぼ全ての時間をパートナーに任せて帰って来た奴の称号だ。どうだ、心当たりがあるだろう?」


「うう……その、七海さんが初挑戦だからボクは見てるだけだったんです。27階で七海さんが負けちゃってボクに順番が回って来たけど、モンスターハウスでフルボッコだったんですよー!」


「うるせぇヒモ野郎! 普通の奴だったらまずはお手本を見せてやるもんなんだよ! まあ、お前のようなクズにはお似合いの称号だな。ちなみに、この称号の効果は二人プレイの時にパートナーのHPが2倍になるが、お前は常に2割ダウンだ。よかったな?」


「全然良くないですー。これじゃあソロプレイがもっと困難にあるじゃないですかー! それに現実世界で七海さんにお金を出して貰ってヒモ生活みたいなのに、ダンジョンでもヒモは困りますよー!」


「最低だなお前……」


 ギルマスがゴミムシを見るような視線を向けて来た。


 昨日の買い物も全部七海さんが黒いカードで会計してたから店員さんの視線が痛かった。『えっ、コイツ払わないの?』って感じで視線が痛かったのです。ギャル店長さんのレモンちゃんはいやらしい目でしたけど……。


 このままじゃ男としてダメな気がする。しっかりと働いてヒモという誤解を解かなくては!


「大丈夫だよユウ君。私が全部倒してあげるからね」


「ひーん……」


 ここで七海さんに甘えていたらダメ男になってしまう。年上のお姉さんに甘やかされてドロドロにされるのは嫌いじゃないけど、ヒモって言われるのは心に刺さる。





 今日のダンジョンアタックが終わりトボトボと帰ろうとしたところ、ショップから夏子さんが出て来た。そういえば今日は夏子さんと会わなかったな。


「あ、ユウタ君来てたのね~。あらあら、綺麗な彼女さんじゃない~! うふふ、童貞卒業おめでとう」


「えへへ、彼女の七海さんです。こちらはショップ担当の夏子さんです。いつもお世話になってるお姉さんです」


「いつもユウ君がお世話になってます。妻の七海です」


「あらあら、いいわね~。良かったら少しお話していかない? ユウタ君の面白い話とか聞きたいわ~」


「ええ、喜んで」


「…………」


 七海さんが妻って言ってます。しかもいつもよりキリっとしたお嬢様モードで対応しているのです。何か嫌な予感がする。


 ボクだけ先に帰ろうとしたところ七海さんに腕を組まれてショップ裏の休憩室に連れて行かれてしまったのだった。


「ごめんね~、ちょっと散らかってて。紅茶でいいかしら~?」


 そう言えば夢の世界で飲食をしたらオシッコとかどうなるんだろう。サキュバスの館で激しいバトルした時とかも気になるぞ。現実世界で合体しているボク達はどうなっちゃうの!?


 まあ細かい事は気にせずお茶会に参加しましょう。どうせサキュバスの館に行けるのはまだまだ先の話なのだ。


「頂きます」


「いただきますー!」


「うふふ、どうぞ~」


 砂糖をいっぱい入れた紅茶を頂きます。レモンの爽やかな味が美味しいです。


 どうやら七海さんと夏子さんは波長が合うらしく、楽しそうに雑談をしている。ボクの武勇伝は必要ですか?


 夏子さんも気を利かせてくれているのか、エチエチな時魔法の話題やビアンカちゃんとの話は避けているようだ。ふぅ、これなら安心です。


 美女二人がキャッキャウフフとお茶会をしているのを眺めていると、ボクと七海さんのイチャラブに話題が飛びました。


「七海ちゃんとユウタ君の初体験はどんなエッチをしたのかしら? 私すっごく気になるわ~」


「っ!?」


 夏子さんがチラッとボクを見ながら聞いてきた。それはまるであの時の賭けの結果を問われているようだったのだ。


 ま、まあちょっとだけ特殊なエッチだったかもしれないけど、賭けはボクの勝ちですよね。だって縛られたりしてないし、舞子さんの好きなボクの隠しダンジョン攻略だってなかったのです。


 恋人繋ぎしてボクに騎乗した七海さんがアンアンしちゃうイチャラブエッチですよ。ふふ、勝ったな。


 そんなイチャラブエッチを説明しようとしたところ、七海さんが嬉しそうに話し出した。


「聞いて下さい夏子さん。ユウ君ったらエッチの前に鬼気迫る顔で『ボクは七海さんを愛しています。だからボクを七海さんの色に染めて下さいっ!!』って言って来たんですよ。まさかユウ君があんなドMな発言をするなんて思わなくて、ちょっと困惑してしまいました」


「あらあらまあまあ! そのセリフって『花より肉棒』で御曹司のショタっ子がヒロインに奴隷堕ち宣言した時に言った名シーンのやつよね? ユウタ君ったら自分ではノーマルって言いながら、そんなセリフを知ってるなんて可笑しいわねぇ」


「な、何ですかそれ!? そ、そのセリフは――」


 そのセリフは夏子さんに言わされたんです! ……そう言おうとしたところ、ボクを見ながらニヤニヤ笑う夏子さんが見えました。まるで『それ以上言ってもいいのかしら~? ビアンカ様の事言っちゃおうかな~』という風に見えた。


 賭けのために言わされたあのセリフにそんなトラップが仕掛けられていたなんてっ!!


「…………なんでもないです」


 賭けに勝ったのか負けたのか分からなくなってしまった。今度一人で来た時に聞いてみようと思います。


 ボクがショボーンと落ち込む中、二人が話に花を咲かせていた。


「そっかそっか。ユウタ君は責められるエッチが好きなのね~」


「だから私もユウ君の期待に応えようと思って頑張ったんです」


「うんうん、彼氏のワガママに付き合ってあげるなんて良い彼女さんなのね~」


「ユウ君からエッチな本も預かったのでいっぱい勉強します。私、ユウ君のためなら何だって出来ます!」


「素敵ね~」


 全然素敵じゃないと思います。あの本だってビアンカちゃんが仕組んだに違いない。ボクは偽りの性癖を植え付けられてしまったようだ。


 まあ確かに、ちょっとだけ焦らされるエッチは良かったのは否定しませんがね……。







 女性の話は長いって聞くけど、どうやらこの二人も当てはまるようで途切れる事がなかった。七海さんはボクの可愛さをアピールし、夏子さんがそれを嬉しそうに聞いている。


 まるでお正月に親戚のお家に来た時の早く帰りたい気分を一人味わっていると、夏子さんが怖い事を言いだした。


「うふふ、七海ちゃんがどれくらいユウタ君を愛しているのか良く分かったわ。でもユウタ君も男の子だからね、彼氏の浮気には十分に注意しないとダメよ~?」


「ぼ、ボクは浮気なんてしませんよー!?」


 何故急に浮気の話になったのか知らないけど、要らぬ疑いを掛けるのは止めて頂きたい。そんな事言ったら時魔法使ってあげませんよー!


 夏子さんにジト目を送っていたら七海さんにギュッと抱き締められた。セーラー服姿の七海さんの胸に挟まれて幸せです。


「ユウ君あのね、私も最近知ったんだけど…………私って重い女なのかもしれない」


「えっ……?」


 重い女って体重の事じゃないですよね。ヤンデレさんですか……?


「ユウ君が他の女とあんな事やこんな事をする想像をしただけで胸が張り裂けそうになるの。だからお願い、浮気なんてしないでね……」


「七海さん……大丈夫ですよ。ボクは七海さん一筋ですから!」


 七海さんの震える体を優しくギュッとしてあげました。芸能界で活躍する七海さんは凄い人のように思っていた。だけど、中身は普通の女の子だったのだ。


 ボクだって七海さんが浮気する想像をしたら胸が苦しくなる。みんな同じなのです。


 それにこれまで生きてきた中でモテた事なんて一度もない。もちろん舞子さんから迫られたのはモテたのとは違いますからね?


 だから七海さんが心配するような事は何もないのです。


 でもそんな甘い雰囲気をぶち壊そうとする悪い人がいます。そう、夏子さんです!


「うふふ、ユウタ君は本当に浮気しないのかしら? 中級冒険者になったらサキュバスの館に行くんだって張り切っていたじゃない。エッチなサキュバスにあんな事やこんな事をして貰うのよね~?」


「どういう事かな、ユウ君?」


「ぐえぇぇ、い、痛いです七海さん、それは七海さんと付き合う前の話ですぅー!」


 さっきまでのラブラブな雰囲気から一転、絞め殺す勢いで胸に押し付けられてしまった。おっぱいに挟まれて死ぬのか!?


「まあまあ落ち着いて七海ちゃん。こういう時はしっかりとルールを決めるのが大事だと思うわ」


「ルールですか?」


 夏子さんの静止により危機が去りました。危なかった……。


「ユウタ君の言う通り、今は七海ちゃんという素敵な彼女が居るんだから浮気する訳ないわ。でも、もしも。もしもよ? もしサキュバスの館でユウタ君がヤンチャするような事があったら罰を与えないといけないと思うの。きつ~いお仕置きを決めておけばユウタ君も甘い誘惑に乗る事はないわ」


「なるほど、さすが夏子さんですね。でもお仕置きと言ってもユウ君を傷付けるなんて出来ないです……」


「ボクは浮気しないからお仕置きなんて必要ないですぅー!」


 お仕置きって何ですか。鞭でピシピシですか?


「うふふ、そんな七海ちゃんに朗報です。実はこんな本があるのよ。良かったら参考にしてみない?」


「本ですか? どんな内容でしょうか――す、凄い! でも私に出来るかなぁ?」


 おっぱいから解放されて残念だけど、二人は薄い本を読み出した。チラッと見えたけど、拘束されたショタっ子の元気な愛棒にストッキングが被せられている。そしてトロトロのローションがコーティングされ、クルクルと巻き取りながら愛棒さんを…………ひぃ!?


 ショタっ子が魂の叫びを上げながらナニカを噴出しているのが見えた。ガクガクブルブル。


 一部のドMな人なら大喜びになるであろう特殊なお仕置きですね。ローションとガーゼは危険な組み合わせです。調べちゃダメですよ?


「大丈夫だよユウ君、浮気しなければいいんだから。愛してるよ」


「は、はい。ボクも愛してますー!」


 大丈夫、浮気しません。今ここで決めました。絶対にサキュバスの館には行きません! ビアンカちゃんには悪いけど、ボクが死ぬまで待ってて貰いましょう。




   ◇



 

 ユウタ達が帰った休憩室、夏子は深い溜息を吐き小さく呟いた。


「はぁ…………これで宜しかったでしょうか、ビアンカ様……?」


 夏子の声を聞き、どこからもなくビアンカが現れた。ビアンカは嬉しそうに笑い夏子に近づいた。


「うんうん、ありがとね~! これでななみんも堂々とお仕置きエッチが出来るね。うへへ、おにーちゃんがトロトロに蕩けるの楽しみだな~」


「うう……絶対にユウタ君に嫌われちゃいましたよ。もう時魔法使って貰えないかも……」


 ユウタ達がダンジョンアタックをしている時、夏子の前に悪魔が現れた。そしてこう言って来たのだ。




『ねーねーおねーちゃん。ちょっとお願いがあるんだよね~♪ おねーちゃんにしか頼めない事なの~。聞いてくれる? うふふ、そう難しい事じゃないよ。二人がダンジョンから帰って来たらおにーちゃんが浮気しそうってななみんを煽ってよ。そんでね、最後にこう言って欲しいの。サキュバスの館に遊びに行ったらきつ~いお仕置きが必要だねって』




 サキュバスクイーンのビアンカに直接お願いされて断れる人は居なかった。逆らったらどんな事をされるか分かったものじゃない。赤いゲートの先、そのダンジョンの頂点に立つ悪魔は恐怖の象徴だった。


 以前サキュバスの館に来た冒険者が常識外れの狼藉を働いた事がある。出迎えたサキュバスに剣を向けたのだ。その冒険者はかなり腕が立ったが、最終的にサキュバスクイーンに殺された。


 そしてその男が所属していたギルドは消滅してしまった。跡形もなく……。


 そんなサキュバスクイーンのお気に入りであるユウタが所属するダンジョンにおいて、彼女の機嫌を損ねたら何をされるか分からなかった。更に夏子にはユウタで遊び過ぎたという自負があったから尚更である。


「本当に良かったのでしょうか? これではユウタ君が中級冒険者になってもサキュバスの館を選ばないのでは……?」


「それは私が上手いことやるから大丈夫だよ♪ それにななみんとは契約済みだから問題ないの~」


「そ、そうですか……」


 こんな悪魔に惚れられたユウタの悲運に同情する夏子だった。


「頑張ってくれたおねーちゃんにはお礼をしないとダメだよね。えへへ、ビアンカちゃんが何かプレゼントしてあげる。何がいい~?」


「ぷ、プレゼントですか!? えっと、その、どの程度のものまで?」


「あはっ、サキュバスクイーンのビアンカちゃんが手に入れられないものなんて無いんだよ~? おねーちゃんは何が欲しいのかな?」


 自信にあふれたビアンカを見た時、夏子は己の欲望を吐き出した。


「幸せの薬が…………欲しいです」


「うんうんっ! ビアンカちゃんにまっかせなさ~い♪ ちょっとだけ時間が掛かるけどゲットして来てあげるね~」


 幸せの薬、それは女性なら誰もが欲しがる伝説のアイテム。使えば死ぬまで最盛期の若々しい姿でいられる夢のアイテムであり、古代エルフの森に住むエルフと物々交換で手に入れるしかない貴重なものだ。


「あ、そうだ。別におにーちゃんとエッチしてもいいけど、お尻は禁止だよ。あとおにーちゃんはビアンカちゃんのものだからね。それだけは忘れちゃダメだよ? これからも手伝ってくれたらご褒美あげるから宜しくね♪」


「分かりました、ビアンカ様!」


 そうして夏子はビアンカの手下になったのだった。

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