第61話 透視の指輪
七海さんと参加した飲み会ですが、みんな良い感じに酔っ払って盛り上がっています。舞子さんはしきりにボクのお尻を狙って来るので、その度に手をピシッと叩いてます。でも舞子さんは嬉しそうなのでした。
ボクのファインプレーで舞子さんの就職先もどうにかなりそうだし、お尻を狙われるのも今日が最後でしょう。
「学校来ないし急に引っ越したかと思えば彼女作ってるし、ユウも隅に置けない奴だな!」
「そ、そんな事ないよー。それにホッシーもミッチー先輩も、キッチリ彼女作ってるじゃん」
「フハハ、志穂さんは良く出来た女性だぞ」
今は男女で別れてここ最近の出来事を報告し合っている。まあすぐ近くに女性達が居るから声とか聞こえるけどね。
ミッチー先輩も志穂さんを気に入っているようだ。年上のお姉さんっていいよね! でも志穂さんはロリ属性だからね、背の高いミッチー先輩と一緒に居ると逮捕されちゃうかもしれない。
それにしてもホッシーは姫ちゃんとくっついたのか。あのEカップがホッシーの手によりムニュムニュされていると思うと嫉妬心が湧き上がってくるのだ。ぐぬぬ……。
ちょっとだけイタズラしちゃおうかな! コッソリとグラスの氷を手に隠し、姫ちゃんのEカップを見つめて念じて見た。
『姫ちゃんのEカップの谷間に氷をテレポートさせます。よろしいでしょうか?』
さすがにこのタイミングで氷をテレポートさせたらマズイというのは賢さ6しかないボクでも分かる。だから姫ちゃんがグラスを傾ける瞬間を狙ってジッと耐えた。
プルンプルンなEカップを見つめていたその時、遂に姫ちゃんがウーロン茶を飲みだした。
「きゃっ!? つ、冷たいっ」
ムホホ、テレポート先生は良い仕事しますねぇ。胸の谷間に指を突っ込んで氷を取り出す姫ちゃんはエロかった。その氷ペロペロしたいです。
でも露骨に見過ぎたからだろうか、七海さんからジロリと睨まれてしまったのです。ユウタ反省。
「それでユウ、もうヤったのか?」
「うぇっ!? や、やったって、何が?」
「そりゃアレだよ。コレコレ」
ホッシーが指で輪を作り、そこに指先を突っ込んでいる。つまりセックスをしたか、という事なのだろう。
こう見えてホッシーは童貞さんじゃないからね。ミッチー先輩は知らないけど、きっと熟練者なのだろう。
「…………ま、まだです」
「マジかよっ。ヘタレてないでさっさと決めろよ~」
「うう……そ、そういう二人はどうなんですか? まだ付き合い始めたばっかりでしょ?」
告白してから二日くらいしか経っていないのである。チューしただけでも褒めて欲しいくらいだよね。
でもそんなボクを見てニヤニヤと下品な笑みを浮かべる二人。もしや……。
「えええっ、もうエッチしたんですかー!?」
思わず姫ちゃんと志穂さんを見つめてしまった。
姫ちゃんはボクの発言を聞いて顔を真っ赤にしており、志穂さんは誇らしげに笑顔を浮かべていた。
「せ、先輩はデリカシーが無いですよっ!!」
「ご、ごめん……」
そうか、ボクの好きだった姫ちゃんはホッシーに食べられちゃったのか……。
引っ越してなかったら隣の部屋から姫ちゃんのアンアンが聞こえたのかな? でもそれはそれで心が折れそうだ。
「大丈夫だよユウ君、今日はここのホテル取ってあるから素敵な夜にしようね」
そんな落ち込んだボクを見た七海さんがみんなの前で宣言した。つまり今夜はホテルでエッチですか!?
「きゃー! 七海さんったら大胆ですー」
「ユウタくん良かったですね」
「ああ、ユウタ君のお尻が七海ちゃんに奪われる~!」
姫ちゃんと志穂さんがキャッキャしている。でも舞子さん、七海さんはボクのお尻なんて興味ないですからね。
「良かったな、ユウ」
「これで大人の仲間入りだな! よし乾杯だ!!」
何故かボクの童貞卒業に乾杯されてしまいました。
◇
今日はいつもの居酒屋さんと違って高級なところだからだろうか、みんなお上品にお酒を楽しんでいた。ボクもカシスウーロンをチビチビと飲みながら色々と考える。ボクがコッソリと好きだった姫ちゃんが親友とくっついてエッチしちゃったんだなぁと。
NTRとはちょっと違うし、BSSってやつでもない。何とも言えないモヤモヤがあるのです。
強いて言うなら、育てていたEカップを親友にモミモミチュッチュされたって感じである。
今も姫ちゃんが七海さんと楽しそうにお喋りしているけど、あのドレスの下に隠れたEカップを見る事なく終わるのは悔しかったのだ。
姫ちゃんはどんな胸の形をしているのだろうか……? プルンプルンなスライムちゃんか、それとも張りのあるツンツンで挑発的なおっぱいだろうか……?
見たい、姫ちゃんのおっぱいが見たい! 酔っ払っているからだろうか、そう強く願ったのだ。
「――っ!?」
すると奇跡が起きた。なんと姫ちゃんのドレスが消えたのだった。白いハーフカップブラを付けただけの艶やかな姿でお肉を美味しそうに頬張っているのです。
酔い過ぎたか? ボクはおしぼりで顔を拭いて見直してみたけど変わらず露出していた。どうせだったらブラも無ければいいのに……。
「なんですか先輩? さっきからチラチラと見てセクハラですよ!」
「ひゃっ、ご、ごめんなさいー!」
急いで姫ちゃんから視線を外した。アカン、姫ちゃんが素っ裸だ。大きいのに形が良い美乳というのだろうか、とても素敵なお胸でした。でも突起が隠れていたので、ボクと同じで恥ずかしがり屋さんなのだろう。ほじくり出したい……。
もしかしたらボクは超能力を手にしたのかもしれない。遠くに座るロリロリな志穂さんにロックオンして同じ事を考えてみた。
「――っ!?」
あ、あれは犯罪です! 小さな体なのに宇宙に向けて飛び出そうとするロケットの如く、ツンツンと上向きなお胸が自己主張していたのだ。あの胸を口の中に入れてレロレロしてるのかミッチー先輩は!? け、けしからんぞ!!
ふぅふぅ、こうなったら舞子さんもみちゃおうかな!
さり気なく横を向こうとした瞬間、ボクは柔らかいものに包まれた。
「ユウ君、どうして他の女の子の胸ばっかり見るのかな?」
「むーむー!?」
頭を抱きしめるようにされ、柔らかい胸の谷間に挟まれてしまいました。今日は爽やかな柑橘系な香水を付けているのだろうか、甘い中にサッパリとした瑞々しい香りがたまりません。
「ユウ君は姫ちゃんが好きなの?」
「ぷぁっ、ち、違います。ボクは七海さんが好きですー!」
「うん、そうだよね。だからユウ君は私だけを見てくれないとダメだよ?」
残念な気持ちを振り払い、胸の谷間から脱出してみると、笑っている七海さんが見えた。でも目が笑っていないのである。
マズイぞ。こんな美人な彼女が居るのにEカップを盗み見ているのがバレバレだったのだ!
ガクガクブルブルと震えていると七海さんがおもむろに立ち上がり、みんなを見渡して宣言した。
その姿は凛々しくて、神々しくて、そして有無を言わさぬ迫力があったのだ。
「ごめんなさいみなさん。どうやらユウ君が酔い過ぎてしまったのでお部屋に戻りますね。ここの支払いはしてありますので、どうぞ最後まで楽しんで帰って下さい」
「あ、あのあのっ、七海さん? ボク、まだまだお酒飲めますよ? あのっ」
「もうユウ君ったらこんなに酔っ払っちゃって。大丈夫、私がしっかりと支えてあげるからね。ほら、行こう?」
七海さんの力に敵う訳もなく、ボクは誘拐されるショタのように部屋を後にするのでした……。
チラッと後ろを振り向けば、みんな笑顔でボクに手を振ってくれていました。舞子さんだけ羨ましそうにしてるけどね。
「七海ちゃんってきっと私の同類だ。きっとユウタ君がドロドロになるまで責められるよ」
「さすが天王寺七海だな。凄い迫力だったぜ」
「きっと先輩、これから犯されるよね……」
「お支払いしてくれてるって言ってたけど良いのかなぁ?」
「フハハハハ、こうなったらもう飲み明かすしかないな!」
後ろからそんな声が聞こえたような気がした。
◇
「あのあのっ、七海さん? その、ごめんなさい。ちょっと目移りしちゃって……」
エレベーターの中でも七海さんは笑ったままであり、何も言葉を発してくれないのでした。
付き合いだしたばっかりなのに他の女性に目移りするなんて酷い彼氏だよね……。
長い廊下を早足で歩いていると、七海さんがポツリと呟いた。
「お仕置き」
「……えっ?」
今、お仕置きって言った?
チラッと七海さんの顔を見るが頬が赤く興奮しているように見えた。これは酔っているからではなく、これから始まるナニカを想像して興奮しているのかもしれない。
はぁはぁと息を荒げて部屋の鍵を開ける七海さん。でも手元が覚束ないのかカードキーが反応しないのでイライラしているように見えた。
そしてピッという音が鳴り勢い良くドアを開け、一目散にベッドに進んで行く。
「はぁはぁ……ユウ君が悪いんだよ? 本当は普通にエッチしようとしたのに、他の女ばっかり見るユウ君が悪いの」
「あ、あのっ、ごめんなさい! そのっ――!?」
ボクはベッドに押し倒された。普通は男女が逆じゃないかな~と、呑気にそんな事を考えてしまったのでした。魅力を上げすぎたか!?
目の前で七海さんがシュバババっと服を脱ぎ捨て、綺麗な裸体をさらけ出している。でも何故だろう、七海さんの綺麗な下腹部にはピンク色に光る紋章のようなものが薄っすらと見える気がしたのだ。
「大丈夫だよ、痛い事はしないからね。私がい~っぱい気持ち良くして、私無しじゃ満足できなくしてあげる♡」
「ご、ゴクリ……」
遂にボクは童貞卒業するのか。そう言えば夏子さんと交わした賭けを思い出した。確か初エッチの時にあのセリフを言って普通のエッチをしたらボクの勝ちだって。童貞卒業して夏子さんのエチエチレッスンを受けるためにも、ボクはあのセリフを言おうと思う。
「ボクは七海さんを愛しています。だからボクを七海さんの色に染めて下さいっ!!」
「――っ!?」
そう言った瞬間、七海さんが大きく体を震わせた。まるで達してしまったかのように…………。
「うんうん、やっぱりユウ君は私の運命の人だね。大丈夫、た~っぷりと可愛がってあげるね」
その顔はウットリと蕩けていて、ボクの好感度が天元突破したような気がしたのだ。好感度っていうパラメータがあったら150%くらいになってそうな感じです。
もしかしてボク、選択肢を間違っちゃいましたか? 本当は『ユウ君嬉しい! じゃあ二人で最高の夜にしようね♪』っていう返事を期待したのです。
ユウタの大冒険は今日が最終回かもしれない。頑張ろうぜ、愛棒!!




