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本当にそれ、ダンジョンですか?  作者: ポリエステル100%
初級冒険者の章

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第45話 朝から彼女が居る生活


「ううぅ、お腹減った……」


 病院での目覚めは最悪だった。昨日のダンジョン攻略で飢餓感を覚えた事もあるけど、どうやらボクのスキル『自然治癒力強化:中』が頑張っているようなのだ。キムタコに刺された傷を治そうとスキルが働き、スキルの副作用で空腹になるというピンチな状態だった。


 ボクは入院なんてしたことないから分からないんだけど、朝食はビュッフェですか?


「…………おはようございま~す。ってあれ、ユウ君起きてたんだ。寝顔見ようと思ったのに残念。おはよう、ユウ君」


「はわわわ、七海さん!? おはようございますー。あれ、ユウ君?」


「うん。だって私達恋人同士でしょ? ユウタきゅんもいいかなって思ったけど、ユウ君って呼ぼうかなって。可愛いユウ君にピッタリでしょう?」


「えへへ。嬉しいですー」


 昨日の夜にチュッチュして帰った七海さんが、まさか朝からお見舞いに来てくれるなんて思ってもみなかった。ああ、今日も綺麗で素敵です。


 それにユウ君って呼ばれるのも新鮮で良いかもしれない。名前で呼び合うのは恋人同士って感じがしていいよね。


 コートを脱ぐと肩が大きく開いたエチエチな服がお出ましです。賢さが6しかないボクには服の名前が分からないけど、姫ちゃんと同じくらい大きなお胸が大変素晴らしいと思いました。


 お尻をフリフリするモデル歩きでベッドまで来て椅子に座ると、甘い香りがフワリとボクの鼻を抜けた。


「ふふ……昨日はキスしちゃったね。キスがあんなにも気持ち良いものだなんて知らなかったよ。私達のファーストキス、ユウ君覚えてる?」


「うぇっ!? え、えっとぉ、そのぉ、ボクも初めてで最高でしたー!」


 ヤバい、七海さんとのキスが嬉しかったのは本当だ。でも、夢の世界でビアンカちゃんとしたディープなキスで思い出を上書きされてしまったのだ。ユウタ反省。


「え~、ほんとかなぁ? もしかしてユウ君、もっと凄いキスとか経験してるんじゃないの?」


 何故だろうか、七海さんが頬を赤くしてボクを問い詰めて来た。もしかしてビアンカちゃんとのディープなキスを知られているとか!?


 いや、そんな馬鹿な事はありえない。だって夢の世界の住人であるビアンカちゃんと七海さんが出会う事は無いのだから。


「そ、そそそ、そんなことないですよ。それに七海さん、もっと凄いキスって何ですか? ボクはそんな――っ!?」


「凄いキスっていうのはね、こういうやつだよ♡ ――んっ」


 ビアンカちゃんとのキスを誤魔化した途端、ボクの唇に柔らかいものが当たった。フワリと桃のような甘い香りがしたと思ったら目の間に綺麗な七海さんの顔があったのだ。


 あれ、キスをされているのか?


「ん゛ん゛!?」


 唇の隙間に七海さんのエッチな舌先がツンツンと当たり、早く中に入れさせろと急かして来る。童貞なボクに耐えられる訳も無くあっという間に侵入を許してしまったのだ。


 そして七海さんの蹂躙が始まった。ボクの舌を見つけた途端に襲い掛かり、絡ませ、吸い付き、まるで交尾をしているようなエッチなキスだったのだ。


 これは夢の世界でビアンカちゃんと交わしたディープなキスとそっくりだったのだ。まるでビアンカちゃんの技を七海さんがラーニングしたような……。


「ぷぁっ……ふふ、ディープキスって気持ち良いね。初めてだったけど上手く出来てたかな?」


「はぁはぁ……き、気持ち良かったですぅ。でも、こんなのって……」


「だって私達、恋人同士だよ? 今時高校生だってセックスしてるんだし、これくらい普通でしょ?」


「そ、そうですね」


 七海さんからセックスっていう言葉を聞いてドキッとしてしまった。ヤバい、もしかして七海さんって肉食系ですか!? でもキスも初めてって言ってたからなぁ。


 きっとボクの顔は真っ赤になっているだろう。でも七海さんも白い肌がピンク色に染まっていたのだった。


 でもこの時、ボクはとても重大な事に気が付いた。そうです、我らが愛棒さんが出番と勘違いしてやる気満々になっているのでした!


 愛棒さんはギルマスと違ってビッグサイズだからね、掛け布団をこんもりと膨らませてダンジョンアタックさせろと必死にアピールしているのです。


 そんなボクの視線の先に気付いた七海さんがクスクスと笑った。


「ユウ君ったら…………エッチなキスで気持ち良くなっちゃったの?」


「そ、そそそ、それはあのですね、えっとぉ、あのぉ、そう! これは朝の生理現象ですー!」


 ボクは必死に誤魔化した。さすがに恋人になったとはいえ、キスしただけでやる気満々になっちゃう童貞丸出しな愛棒さんを知られたくなかったのだ。


「はぁ…………そっかぁ」


 ボクの言い訳を聞いた七海さんが深い溜息を吐きガッカリとしてしまった。


「七海さん違うんです。えっと、その……」


 まさかガッカリされるとは思わず声を掛けたが、これ以上何て言えば良いのか分からなかった。『七海さんのキスがエチエチで愛棒もエチエチになっちゃいましたー!』とでも言えば良かったのだろうか?


 オロオロするボクを楽しんだ七海さんがボクの見て微笑んだ後、ボクの耳元で小さく呟いた。


「…………私のキスが原因だったら責任取ってスッキリさせてあげたんだけど、生理現象じゃ我慢するしかないよね」


「エッッッッッッ!!!」


 ど、どういう事だ。七海さんはこんなにもエッチなお姉さんだったのか!?


「私は素直な男の子が好き。だから…………続きはケガが治ったらだよ♡」


「う、うんっ!!!」


 挙動不審になるボクを見てウットリと笑い唇をペロリと舐めた七海さんはまるでサキュバスのようなエロさがあった。エッチなお姉さんは大好物です。


 そうか、ボクは選択肢を間違ったのか。さっきは見逃しちゃったけど、きっとエロゲのように2択の選択肢が表示されていたはずだ。



――無邪気なショタっ子を演じ、七海お姉さんとのおねショタプレイを始める。


――朝の生理現象と言って誤魔化す。



 次からは正しい選択が出来るように素直な男の子になろうと思います。





 目を瞑り大きく深呼吸して愛棒に語り掛ける。愛棒さんの出番はまだなのでゆっくり寝ていて下さい……そんな感じ。愛棒さんも理解してくれたのか、小さくなって大人しくなりました。


「おはようのキスはお終いね。今更だけどケガは大丈夫? 痛くない?」


「え、えっと、まだ傷が痛むけど何とか大丈夫ですー。あのあのっ、ちょっとお腹が減っちゃってですね、ご飯って頂けるんですかね?」


「朝ご飯ならもう少ししたら来ると思うけど、お腹空いてるならバナナ食べる?」


「食べたいですー」


 そう言えば果物の詰め合わせがあるのを思い出した。もしかして七海さんが買って来てくれたのかな。ちょっと申し訳ない気持ちになりながらも空腹には勝てないので美味しく頂こうと思います。


「はい、どうぞ」


「ありがとうございます。頂きます~」


 何故だろう、七海さんがバナナを剥くところを見ると愛棒がビクンと反応してしまうのだ。もし恥ずかしがり屋な愛棒が七海さんの手でバナナみたいに剝かれたら…………ゴクリ。


 七海さんに失礼だからそんな事を考えるのは止めてバナナをモグモグしちゃいます。うわ、凄く甘くて美味しいー!


「凄く美味しいです」


「ふふ……良かった。じゃあ私も1本貰おうかな」


「どうぞどうぞー!」


 モグモグしながらチラッと七海さんを見れば、剥き剥きしたビッグサイズバナーナをレロレロと舌先で転がしていたのだ。ほんのりと頬を赤くしてボクを見つめながらエッチな感じでレロレロしているのです。ゴクリ。


 ボクと目が合った途端に大きく口を開けて頬張る姿はとてもエロかった。


「あのあのっ、独特な食べ方ですね?」


「んっ……そうかな? 女の子なら普通だと思うよ。これ大きいね、はむっ」


「そうなんですかー」


 そう言われるとバナナを食べる女性を間近で見るのは初めてだ。それにボクの好きな漫画でもJKがこういう食べ方をしていた気がする。芸能人の七海さんがボクに見せつけるだけのためにあんな食べ方をする訳ないよね!


「あっ、そう言えばここってどこの病院なんですか? 入院手続きとかどうしたらいいんだろう」


 今更ながらそんな事を思い出した。昨日ここで目覚めてから病院関係者っぽい人と会話すらしていないのである。個室っぽいし入院費も高そうだ……。


「それなら何も心配しないでいいよ。ここってウチの病院だし、ユウ君が私を守って負った傷だもん、全部任せて」


「えええー、七海さんのお家って病院だったんですかー!?」


 驚愕の事実を知ってしまった。モデルのお仕事をしているっていうのはホッシーから聞いたけど、まさか実家が病院だったなんて。


 つまり実家の病院だから優先的に個室を使わせて貰えたって事かな。ユウタ納得した。


「…………もしかしてユウ君、私の事詳しく知らない?」


「そ、そそそ、そんな事ないですにょ? え、えっとぉ、モデルのお仕事をしているってお友達に聞きましたー! そうだ、後でサイン下さいっ」


 まずいぞ。七海さんの事が好きと言いながらどんなモデルなのかすら調べてなかった。スタイル抜群だからファッションモデルだと思ったけど、もしかしてヌードの方ですか!? とりあえず誤魔化してみたけど許してくれるだろうか。


 でもそんなボクの不安は杞憂だった。


「もしかして本当に何も知らないの? 天王寺グループとか知らない?」


「え、えへへ、聞いた事あるような無いような? 就職活動は来年から頑張りますー」


「ふふっ、何それ面白い。あはははっ、やだっ、お腹痛い、うふふふ」


 七海さんがお腹に手を当てて大爆笑していた。目に薄っすらと涙を浮かべているのだ。スマホが手元にあったらパシャパシャ写真を撮影したかったです。可愛い。


 それより天王寺グループって何ですか? 後でホッシーに連絡して教えてもらおう。


 それからしばらく七海さんとの会話を楽しんだ。どうやらグループ会社の一族らしい。つまり社長令嬢って言うのかな? 賢さが足りないので理解出来ませんでした。ボクからしたら芸能人っていうだけで凄いからね。


 ナースさんが味気ない朝食を持って来てくれてモグモグと食べ終わった時、七海さんが思い出したとばかりに言って来た。


「そうだ、もう少ししたら私の母と祖母がユウ君にお礼しに来るの。良かったら会ってくれないかな」


「な、なんだってー!?」


 彼女が出来た翌日に七海さんの家族と対面ですか!?


 でもボクは七海さんを助けたヒーローだから第一印象は良いのかな。いや、こんなショタに娘は渡さんって言われちゃうかもしれない。


 そんな事を考えていたところ、七海さんから思わぬ事を言われてしまった。


「あのねユウ君、昨日私が帰ってから誰か来た?」


「え? 誰も来てないと思いますよ」


「ふーん。誰も来てないんだ……」


「そのはずです。寝てる間にナースさんが来たかもしれませんが、朝起きてすぐに七海さんが来てくれたんですよー」


 寝る前に七海さんとチュッチュして、朝起きて七海さんとディープなキスをして、ついでに七海さんのバナナレロレロを見られるなんて幸せだった。選択肢を間違わなければ愛棒さんもレロレロしてくれたのか!?


「じゃあユウ君のベッド棚に置かれた黒い箱は何だろう。ウチの備品って訳じゃなさそうだし、昨日帰る時に無かったからずっと不思議だったんだよね」


「えっ…………?」


 ベッドの横に備え付けられた木の棚に見覚えのある黒い金庫が鎮座していた。あれは間違いなく持ち帰り金庫さんです!


 あれって自宅のベッドに行くと思ったけど違ったんだね。ふぅ……どうしよう?


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