第43話 魔法使いユウタ
ダンジョンに新しく追加されたモンスターの泥棒猫で荒稼ぎしたボクは、レベルアップに伴うボーナスポイントの振り分けを考える事にした。もう魅力は必要ないからね、エッチが上手になるステータスが知りたいのです。
何を上げたらエッチが上手くなるのかをギルマスに相談したけど返事が無かったので自分で考えました。賢さ6のユウタブレインでは器用さが大事という結論だったけど、どうやら夏子さんには別の考えがあるらしい。
「ユウタ君に必要なのは魅力よ~!」
「魅力……ですか?」
夏子さんが腕を組んで胸を強調させながら力説してきた。ふーむ、つまり夏子さんのお胸のように魅力的な部分を上げろという事か?
でもボクは既に七海さんと恋人になったし、これ以上魅力を上げてもしょうがないような気がするのだ。これが異世界ハーレムだったらいいんだけど、残念ながら七海さんという恋人がいるのでハーレムはナシです。
それに男として譲れない部分もある。そう、夜の運動会です! まだ付き合い始めたばかりだけど、いつかはベッドインが待っているはず。そこでボクのちょっと敏感で恥ずかしがり屋な愛棒のままだったら幻滅されちゃうかもしれないのだ。
――こんな感じ。
『やっと一緒になれるね。ユウ君……来て♡』
『い、いきますよっ……んっああっ、これっ、きちゅいですっ』
『あんっ……あれ? 止まっちゃったけどどうしたの? まだ半分だよ? ほら、奥まで頑張って』
『あっあっ、ちょっ、らめっ、まっ、今ダメ、入れちゃらめっ、あっ、あああああああっ!!!』
『えっ、嘘っ!? えっ……まさか、もう…………?』
今のレベルのボクではこんな初体験を迎える未来が見えた。そう、スキル『早撃ち』を披露する愛棒の姿が!
これはまずいぞ、いくら童貞という言い訳が出来るとしても避けたい未来である。男として、何としてでも可愛い彼女をアンアンさせてビクンビクンな感じにしてあげたいのだ。分かるだろう、愛棒?
つまり夏子さんのオススメする『みりょく』ではなく、愛棒の防御力アップの『みのまもり』か前戯でアヘアヘにする『きようさ』が大事だと思うのです。
「どうせユウタ君のことだから前戯で気持ち良くさせて~とか思ってるんでしょう? うふふ、童貞のユウタ君はどんな凄い前戯が出来るのかしらね?」
「あっ……」
夏子さんの口から前戯とか童貞って言葉を聞くと興奮してしまう。夏子さんのようなエッチなお姉さんは大好物ですよ。
だけど夏子さんの言っている事は正しいように思えた。
――こんな感じ。
『うへへ、どうですか七海さん。気持ち良いですかー?』
『あっ、う、うんっ、そうだね、気持ちいいよ……?』
『むむっ、なかなか濡れませんね。あのあのっ、もしかして濡れにくい体質とか……?』
『あー、うん。そうかも? ちょっとローション使うねー』
ヤバい、こんな未来が見えてしまった。そうか、ボクはアダルティな動画でいっぱい予習をしたつもりだったけど、あれは演技だったり道具を使ったりと童貞には分からないナニカが沢山あるのだろう。ユウタ納得した。
つまり大人な女性である夏子さんにレクチャーして貰う必要がありそうだ。もちろんステータスのアドバイスの事ですよ?
「魅力を上げたらエッチが上手になるんですか!? エッチが上手くなりたいんですー!」
「うふふ、確かにセックスにも上手い下手というのはあるかもしれないけど、一番大事なのは愛よ。ユウタ君は立派なものが備わってるんだから心配しないで大丈夫よ」
うへへ、愛棒さんが褒められちゃいました。っていうか夏子さんはどうして愛棒の真の姿を知っているのだろうか?
「でもでもぉ、ボクのコレちょっと敏感なんです…………」
年上のお姉さんにエッチな相談って興奮するね!
「安心してユウタ君、敏感なのはそのうち慣れるわ。そしてユウタ君は女性に責められる運命だから、求められるのは魅力のステータスを上げる事だけ。むしろそれ以外は不要と言っても過言ではないわね。ユウタ君の武器、それはドロドロにしてしまいたくなるくらいに可愛い男の子っていう事よ~!」
「それがボクの武器……?」
「そうよ~。彼女さんもビアンカ様も、自分の体でユウタ君をアヘアヘのトロトロに蕩けさせて、もう自分無しじゃ生きていけないくらいに堕落させようとしているのよ? そこで『みのまもり』や『きようさ』を上げたところで焼け石に水、つまり『みりょく』を上げてもっと愛される男になるしかないの」
「なん……だと……?」
以前に魅力が8上がってどう変わったのかをホッシーに確認した時、ボクは男らしくなるんじゃなくて可愛い男の子になったと言われたのを思い出した。
あれ、もしかしてボクは女の子にエッチな責めを受けてグチョグチョになる未来しかないのか……?
「で、でもでもっ、七海さんはそんな女性じゃないんですっ! ボクを拘束して寸止めしたりして喜ぶ特殊性癖の女性じゃありませんっ!!」
「はぁ…………ユウタ君は自分の彼女の事を理解出来ていないのね。いいわ、そこまで言うのなら賭けをしましょう」
「賭けですか?」
夏子さんが溜息を吐きながら賭けを提案して来た。
「ユウタ君にはこれからも魅力を上げて貰います。そして七海さんとの初体験を迎えた時、こう言うのよ。『ボクは七海さんを愛しています。だからボクを七海さんの色に染めて下さいっ!!』って。これで普通のエッチをするようだったら賭けはユウタ君の勝ちね」
「ご、ゴクリ……」
初体験がいつになるのか分からないけど、ボクに損はないような気がして来た。だって七海さんはノーマルな女性である。このセリフを聞いた七海さんは『ユウ君嬉しい! じゃあ二人で最高の夜にしようね♪』って言ってキスからベッドインするに決まっているのだ。
「ボクが勝ったら何か良いことがあるんですかー?」
勝ちを確信したボクはご褒美を狙いに行った。ふふ、どんなご褒美がゲット出来るかな~。
「そうね~。まず、ユウタ君が負けても罰ゲームとかは無しでいいわよ。それでもしユウタ君が勝ったら……」
「勝ったら…………?」
夏子さんがボクの耳元に近付き甘い声で囁いた。
「お店の裏に私の仮眠室があるの。そこでエッチの特訓をしてあげるわ♡」
「そ、そそそ、それって!?」
「私の体を使ったエッチのお勉強よ。女性の体の仕組みから弱点の責め方、あと…………これの使い方も伝授してあげる♡」
「ぴゃわー!?」
愛棒が夏子さんの柔らかい手でニギニギされてしまった。ヤバい、ボクはとんでもないエッチなお姉さんを作り出してしまったようだ!
七海さんと初体験を迎えた次の日、このナイスバディなお姉さんに勝利宣言をしてエッチなお勉強ですか。こりゃ堪りませんなー!
「分かりました。ボク、魅力を上げて来ますね。ギルマスぅ―! スコア更新おなしゃす!」
「おう、まあ頑張れや」
いつの間にか放心状態から回復したギルマスがストレッチャーを移動させて水晶玉に案内してくれた。
そしてウィーンって出て来たレシートを受け取ってパチ屋の精算機みたいなところに入れました。さて、約束通り魅力を上げてしまおう。
【ハイスコア】
1:10,635G 冒険者のダンジョン地下10階から、脱出カードを使い帰還する。
2:6,842G 冒険者のダンジョン地下10階から、初級冒険者カードを持ち帰る。
3:3,418G 冒険者のダンジョン地下9階で、魔女っ子に倒される。
4:1,324G 冒険者のダンジョン地下5階で、キノコに倒される。
5:428G 冒険者のダンジョン地下5階で、ハロウィンコスプレJDに倒される。
6:200G 冒険者のダンジョン地下3階で、フェンリルベビーに倒される。
7:0G 冒険者のダンジョン地下1階で、天王寺七海の悲痛な胸の内に触れる。
8:0G 冒険者のダンジョン地下1階で、夏子さんに倒される。
9:
10:
【累計スコア:22,847G】
おめでとうございます。レベルアップしました。
好きなステータスにボーナスポイントを割り振って下さい。
レベル:6
HP:42(+6)
MP:3(+1)
ちから:16
みのまもり:12(+1)
すばやさ:15
かしこさ:6
きようさ:14
みりょく:50(+1)(+1BP)
うんのよさ:97(+1)
称号:サキュバスクイーン・ビアンカの伴侶
スキル
・自然治癒力強化:中
・テレポート
・時魔法
「…………時魔法?」
いつの間にか時魔法という項目が増えていた。っていうか称号も変わってる。まあ称号は分かるけど、時魔法って何ですか?




