表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

虹が月にかかる夜の街

作者: 秋葉竹



一夜、

うすい雲が流れるのが

ちいさな天窓からみえる


下を向いて

街をゆく人々をみて


痛むこころを

ずっと最高の夜の世界に酔わせている

それは

けっして

聖い夜ではない


無言の

だがやさしい誓いのともしびは

街に流れる始まりの歌を歌う歌い手を

まるで夢を照らすように

しっとりと照らしてくれる


守る、

止められない時の滝に

流されるだけの

沈みがちなプライド

岸辺から掛けられるあたたかい声援が


初めての甘美な勇気を

濡れる唇でくちづけてくれるように

蕩ける気持ちを、守る



刹那に燃えた

えいえんの恋情から

脱走してしまった罪びとのように

逃げつづけるしかないとしても


だれも知らない霧の街にさまよい

それでも

まえへまえへ新しい大切なものを感じ

目指し、

幻聴ではない応援の涙声さえ

聴こえてくる夜なら

世界の

端から端まで

愛することができた気がした


それはとても

しあわせなことだと

思った


一夜、

しろい雲が流れるのが

おおきな窓からみえる


雲はどこまでも流れてゆくだろう


満月にかかる虹をみて

すこし波の音が聴こえた気がしたのは

きっとそんなくだらないことを

考えてしまったからだろう











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ