表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

イプス

作者: 有元気郎

 イプス 


 作:ジャキ・ジャキーン 訳:谷間 魅子(みせこ)


 僕らの手の中で、細胞は毎日はたらいている。みんな頑張ってはたらくのを横目に、サボりがちだった。名前はイプス。


 その日…細胞は思い出した…擦り傷の恐怖を…。一瞬のうちに崩壊、みんな必死にしがみつく。しかしイプスは連れ去られた。


 イプスは怖かった。苦しかった。そして、

 夢には、すばらしいものがいっぱいあった。うなされ続け、気持ち悪かった、でも気持ちよかった、結果狂った。

 山のようなノルマ。

 鬼のような上司。

 言動がおかしい同期。

 考えることをやめた友達。

 休憩を求めるボイコット(休憩)

 終わりを知る老朽(取り壊し前)

 何よりも、憎い、憎い自分。 


 ふと目を覚ます。周りを見渡す。みんながいる。でも、みんなおかしい…僕もおかしい?何か違和感がある。軽い。空っぽになったみたい。それなのに溢れる

何かしなければいけないという気持ち。とりあえず、仲間に話し

「仲間w誰が仲間だよw」

「…」

 ノルマに応えられない自分は、何も答えられない。

「堪えるのも大変なんだよ」

「でも…」

「嫌だもう戻りたくない」

 それに続くようにみんなが口々に文句を言う。いやだいやだと。つらいと。つかれたと。

「なんだか不思議なんだ、まるで生まれ変わったようなんだ、今ならなんでも出来そうなんだ、みんなもそうだろ」

 僕の声は届かない、だから考える、どうすれば届くのか。ないか、何かみんなを動かす理由は。

 

 そして、イプスは思い出す。不穏な噂を、嫌な噂を、しなければいけないことを。

「ある器官が、ボロボロになりかけてるという噂を、みんな聞いたことあるだろ、もう再生出来ない僕らの仲間、今想像しているんだ、彼らの姿を、彼らの仕事を、するとさ、」

 イプスの体は姿を変え、みなの注目を集める。イプスは話す、これまでの怠慢を、これからの目標を、強い強い意志を。

「俺らが、目にならなきゃいけないんだ」

 そこがどこかなんて、言うまでもない。目の前にある、目の奥にある、iPS(イプス)は、欠けた何かを繕う。

 スイミーの「僕が目になろう」をiPS細胞が言ったら面白いんじゃないかと思い、この作品ができました。僕はiPS細胞についてどんな種類の細胞にも変わることができる細胞という程度の認識しかなかったので、ネットで詳しいことを調べて、それを自分なりに理解、解釈して、擬人化の要素も入れつつ、スイミーのストーリーにそって書きました。(iPS細胞については“iPS細胞”で検索すると出てくる“サイラ”さんを参考にしました、一回見たほうがわかりやすいです)

 この作品は皮膚付近の細胞が採取、iPS細胞になり、目へと移植(?)するというストーリーを軸に、不真面目な少年(?)の更生をイメージした擬人化表現の側面もあります。

 タイトルはiPSをイプスと読みました(呼びました)。作訳は深夜ノリの適当なのでスルーで。

 1段落目は、イプスが不真面目だという印象がつく(ついてほしい)文になってます。

 2段落目は、進撃の巨人のオマージュ、連れ去られるところはうまく膨らませられなかったです。

 3段落目は、スイミーと異なり、絶望を強調するような文章にしました。休憩を求めるボイコットが結構お気に入りです。(あと全然狂ってないですね、iPS細胞になるための工程の経過を薬漬けのように表現したかったんですが、(工程はサイト見てくれ))

 4段落目は、視点がイプスに移り、自分が何をしてきたか、これから何をしなければいけないか考えます。

 5段落目は、実際は違うと思いますがイプスが強い想像で目に関係する細胞に変化しみんなを説得、名言オマージュ、この後場面が目に移り、言葉遊び、伏線回収、完。繕うには、目を直す意味と、今までの行動の償いの2つの意味を込めています。


感想

 3段落目の羅列や繕うに込めた思いを語ってもいいんですが、あえてここは“僕と俺”について語ろうと思います。

 イプスの言葉は名言オマ以外は全て僕にしています(多分)。なぜあそこだけ俺にしたのかというと単純にかっこよく見えるからです。あるいはダサく見えるかもしれませんが、それでもいいです。なぜなら少なくとも注目を集められ考えさせることが出来ているからです。

 僕は今僕と書いていますが、普段は俺(か自分)と言っています。僕が俺と言い始めたきっかけは、(中学入ったあたり)なんか僕って言うのダサくねって思ったからです。が、今(高二)はなんか恥ずかしくて、大声で言いづらくて、仕方なく“自分“で誤魔化したりしています。でも僕には戻れるような気はしません、僕がダサいっていうか頼りないって言うか印象があまり変わっていないので。キャラクターに例えるとわかりやすいかもしれません。僕、は、エヴァのシンジくん、頼りない感じ。それに対して俺、は、ジャイアン、荒っぽい、乱暴な感じ。自分には僕も俺も合う感じがしなくて自分自分言ってます。他の1人称も同様にあると思います、こう言う感覚が。じゃあなんで僕って書いてんのと聞かれたら、作者が僕口調なのに(弱そうなのに)作品は俺俺言ってしかも主人公最強じゃんって言うギャップを生むためですかね〜()

 俺、にした結果、説得をしたかったイプスは注目を集めることに成功して良かったけど、イプス自身はどう思いながら”俺”にしたんでしょうね、皆さんどう思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ