プロローグ
―はて、ここはどこだろうか?
真っ暗で何も見えない、それどころか何も感じない。
起きているのか、将又眠っているのか。それすらも分からない
『―ますか……聞こえていますか?』
突然耳の奥、脳へと直接話しかけられるような感覚を覚える。
五感は全て停止したものだと思っていたが、何故かこの声だけは確実に聞きとることが出来る。
今まで聞いたどんな人々の声よりも美しく、一点の曇りもない透き通った声。俺は無性にその声を聞きたくなり、無意識のうちに返事を返していた。
「……聞こえている」
『ああ! 良かった。今回は成功したのですね!』
成功? 何の事だろうか。
この声に覚えも無ければ、何かに成功した覚えすらない。
寧ろ失敗の繰り返しで作りだされたような人生だった
(……だった?)
自らの考えに何か引っ掛かりを感じながらも声へと耳を傾ける。
『えっと、それでは読ませていただきます』
読むって……カンペか何かあるのか? だとしたら適当過ぎるだろ。
誰なのかすら聞かされていない相手に淡々と話を進められる、これに不安や燻りを覚えないとすればよっぽど人間として出来た人なのだろう。
などと思いつつも耳を傾ける
『おおミライよ、死んでまうとは……ってあれ? こんなこと書いたかしら』
待て待て待て待て、ツッコミどころが多すぎて困る。
「一体、俺に何の用だ? 俺はどうなっているんだ?」
そう尋ねると声はハッとしたように答えた
『それです! その質問を持っていました』
待っていましたって、初対面の人に何を求めているんだこの声は。
『単刀直入に言いますと、ミライ様は死んでしまったのです』
は?
『なので、"転生"というのを行っていただきます。あ、勿論記憶は残しておきますので! だって強くてニューゲームの方が嬉しいですもんね』
「ちょっと、待て! 俺が死んだって―」
『それではようこそ、私達の世界へ』
言葉は途切れ、俺の意識は闇へと飲まれた―