パーフェクトブレイク2 潜行
某国防衛機構推進本部『ワルキュリアルヘッドクォート』。
本部局長ヘッドクォーターのクラフ・バリエスは、日本の一部が落とされない事情を細部まで知り尽くした。
「なんと、ムジナが潜んでいたとはな。我国もなめられたものだ。消滅した企画書と施設がそのまま日本に大引っ越しとは、前代未聞だ」
「耳に障る事で、残念でなりません」
「まぁ、裏切りの企画が次世代サイボーグ……ブレイゾーグを稼動さえすれば、戦いやすくなる。こちらもブレイゾーグ破壊戦争を考えねばな。フフフ……」
日本。アイゼラーフ領下。
しかし、ここは領下に入らない宿舎である。渕上ファミリー権力は、ワルキュリアルの武力介入が一切出来ないからだ。
宿舎施設で休息する執事とご令嬢の二人。
そのまま朝焼けを迎え、アイゼラーフ国になった有り様の世界を見渡す白芭。
「かつて、日本だったところ? こんな姿になるなんて」
「武力制圧には敵わなかった日本が無力だったのです」
「でも昨日會田さんが言っていたブレイゾーグが助けてくれるのよね?」
「白芭お嬢様、彼等の稼動は、制御キーを持つ盛均様のみが出来うる事です。盛均様……旦那様が生存していればの事ですので、こればかりは」
「嘘!? お父さん、死んだかどうか分からないだなんて……あんまりだわ」
「彼等が稼動すれば、旦那様は生きています。それは保証しましょう」
「無事でいてほしいわ」
その日の昼頃。ようやく氏家市の別邸にたどり着いた白芭たち。
「これが別邸? 秘密基地みたいだわ」
「お嬢様、ここは占領が不可能な創りの施設。いってしまえば、安全圏です」
「他の国民には申し訳が……」
「ブレイゾーグが活躍する事を祈るばかりです。こればかりは」
「ええ、お父さんが生きていれば、必ずブレイゾーグというヒーローたちが日本を救ってくれるわ」