パーフェクトブレイク1
渕上家。ブレイズアームズ干渉の同盟ファミリーである。
ブレイズアームズ開発プロジェクト組織『東京パーフェクトブレイクシャフト』。渕上盛均が友好支援していることで、東京パーフェクトブレイクシャフト(略記は東京PBS)は開発費スポンサーの役割で同盟ファミリーと提携している。
渕上リゾートアイランドである日本領の島暮しをしてきた渕上家の3女、白芭。
某国最強防衛機構『ワルキュリアル』は、日本中枢部の地方……つまり、東京と近郊を一まとめに焼き付くした。
脅威の【ワルキュリアル・インパクト】が東京じゅう、周囲地区を鎮圧したのだった。
それ以降、東京以外の被害区外の日本の地方は、ワルキュリアルが占拠して、日本は某国の2つ名国家『アイゼラーフ』の名を刻まれた。
リゾートアイランドは日本領だが、日本本土からかなり離れているので、占拠されたニュースはなにも知らない白芭だった。
「えっ? 東京がなくなってる? どういうこと?」
「よそ者か? 日本人だな。アイゼラーフ人として住民登録を書き換えよ。さもなくば、ワルキュリアル機動隊に強制編入させるぞ!!」
アイゼラーフ警備員により身柄を押さえられた白芭。しかし、渕上家の別邸は日本内でも某国介入の余地は全くなく、白芭は別邸のある氏家市まで送迎車で連れていかれたという。
氏家市住民の西部渕上ファミリーが一人、會田雄型がハイヤードライバーであって、白芭が帰宅する日程を把握していたのだ。
車上で白芭が説明を請う。
「なにがあったのだ。東京都心がはちゃめちゃに!?」
「戦争馬鹿の某国が日本をターゲットに押さえました。それも武力制圧です。圧力政治を敷き、武力防衛が某国の意志であり、日本は事実上落とされました」
「そうか、政治機能の東京を狙った訳か」
「そうです。氏家まではまだ時間が長いです。渕上ファミリー関係の宿に泊まります。他の宿舎は、アイゼラーフ領下なので、無理です」
「渕上ファミリーは、落とされない理由が全く皆無だが」
「ブレイズアームズ開発プロジェクトに関係していたので、某国にはその事実が漏洩されておらず、占拠されないのです」
「ブレイズアームズ?」
「このプロジェクトは、東京都心が失われても、無事に保管されています。ご安心ください。ブレイズアームズが組まれた半身機械化のサイボーグ……ブレイゾーグたちが稼動すれば、制圧された都市部は取り返せます。保証しましょう」
「なんか手帳みたいのを提示してたけど、警備員が怖じ気づいたわ」
「ほんの魔法ですよ、お嬢様。つまり、某国秘密開発中のブレイズアームズ開発が白紙撤回されたのに日本でプロジェクトが再開されたので、手出し無用になった。同国同士が仲間割れすると、仲間割れしたその国家内部に亀裂が入ります。そうならないための、注意事項が書かれた手帳ですから」
氏家市までは、まだ遠い。そこにたどり着くまでの宿舎に寝泊まりした會田執事とご令嬢の白芭だった。