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いつから?  作者: なき
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金髪で、肌が白い。その白い肌に刻まれた刺青。

男からも女からも怖れられている少年。

ただ、その中身は優しく、不安がたくさんあるただの少年。


そして、その少年を支える優しいイケメン。

怖い・・・・お父さんやめてっ!

ヤダ・・・・ヤっ!!

 --「・・・なり!かずなり!!」

「っ!」

「やっと起きたよ・・・大丈夫?うなされてたよ。」


夢・・・。くそ、変な夢見たな。


「かずなり、汗すごい。拭きな?」

「・・・さんきゅ。」


俺がボーとしていると、さっき起こしてくれた奴・・・内田 凌駕うちだりょうががタオルを渡してくれた。

(・・・ほんとうだ、かなり汗かいてる)


「きもちわるい・・・。」

「シャワー浴びてくれば?バスタオルは下にあるから」

「・・・悪い、借りるわ」

「いいよ~」


かなり汗が出てたらしく汗で服がくっついてかなり気持ち悪かった。

今俺は、凌駕の家にいて泊まりに来ている。

普段は一人暮らしで、学校からかなり遠いところにあるから、たまに凌駕んちで世話になってる。

そんでもって、明日から・・・・。


「・・・高校か・・・。いきたくねぇっ」


そう明日から俺たちの高校生活が始まる。

普通の奴らなら「やっと高校生だぜ!はじける☆」てきな?

そんな浮かれるんだと思うけどさー


「本当にやだー高校生ー」

「それなー、だるいよな」

「んー・・・。ん?!」

「・・・ん?」


俺がいろいろ考えていると急に後ろから声がして振り返ってみると

どうやら俺が考え事してるうちに数分経っていたらしく、それを心配した

凌駕が様子を見に来たらしい・・・。


「遅かったんだよ。お前の事だからたおれてんのかと」

「悪い。・・・って倒れねえだろ。そんなもろくない」

「そーかー?早くあがれよとりあえず」


高校にもなって風呂で数分で倒れるって・・・。俺ってどんだけもろいの。

凌駕は普段もこうしていろいろと心配してくれる。

夜、寄り道して凌駕の家に行くと、血相を変えた凌駕がいて、どうした?と聞くと

お前がおそいから!ってくそ怒られた・・・。

凌駕とは小学校からの付き合いで、本当に優しい奴だから、一緒にいて

俺は結構落ち着く。


「・・・?かずなり?」

「ん?いや、いつもありがとうな。」

「なんだよ急に気持ち悪いな。」


なんだよ!人がせっかく礼を言ったのによ・・・。

きもちわるいって・・・。って思っていると


「礼を言うのはこっちだよ。いつも傍にいてくれてありがとうな。これからもよろしく」

クシャクシャ


俺が心の中で不満をぶちまけていると頭をくしゃくしゃしながら凌駕が

お礼を言ってきた。ちょっといきなりすぎてびびったけど、本当に優しい奴だと思う。


「高校生活」

「ん?」


俺は、思うよ。


「凌駕と一緒だったら、楽しいのかもな。高校生活」


こいつと一緒だったら、楽しいのかもなって。

本当は不安だし、面倒くさいし、他人なんて。って感じだけど

こいつと一緒だったら少しは楽しいのかもな。


「何お前。俺はホモじゃねえよ?」

「俺だって違うわボケ。」

「俺も。」

「あ?」

「俺はお前と一緒だったから高校行く気になれたんだぞ。楽しくなかったらぶん殴る」

「まかせろ。」


凌駕はもともと先輩の下で働く予定だった。

だけど俺が、高校を卒業しないといけない。と相談したところ

急遽、働くのをやめて、俺と同じ高校を受験した。

申し訳なかった。けど、少し安心した。


「これからもよろしく。」

「ああ、よろしく」


これからどんな生活が待っているのか俺達にはわからないけど、

少しでも平穏に過ごせたらなって思っていた。






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