序章:異世界転生したはいいが、何かがおかしい
第1話 異世界転生〜一人目〜
カリカリカリ。
「うっ。」
俺は分からない問題が出てきたので手を止める。
「どうした?こんな問題も分からないのか?こんなんじゃ国公立なんて無理に決まっているだろう。」
塾の先生が俺に近づいてきた。
「いいか、この問題はこーやって線を引いて、メネラウスの定理を使うんだ。」
俺は、先生の話を聞いて、次の問題へと移動した。
キーンコーンカーンコーン…
授業が終わったサインのチャイムがなった。
「はあ~~~」
俺はため息をつき、帰る準備をした。
「拓海、もう帰るのか?俺も、もうすぐ終わるから少し待っていてくれ。」
そう言って、同じく塾の生徒...ではなく、先ほど俺に数学を教えていた先生、従兄弟の光希は急いで帰る支度をして俺の後を追った。
俺たちは電車で通学しているため、最寄りの駅まで歩いていた。
駅までの道に新しいゲームの電子広告板があった。
『 THE NEW WOULD
新作VRMMORPG発売予定!
新しい世界に転生して、自分の思うがままの冒険をしよう!
さあ、この世界を救う英雄になろう!
』
「へー面白そうだな。」
光希はなりやら興味があるらしい。俺たちがその広告板を見ていると、
チリンチリン!
猛スピードで自転車がこちらに走ってきて、俺は飛ばされ光希を巻き込んで電子広告板にぶつかった。
「いてぇ。光希兄大丈夫?」
俺が、光希に話しかけると、
「ああ、大丈夫だがなんかこの広告板歪んでないか?」
「え?」
俺は慌てて電子広告板を見る。
電子広告板は、波打ったように歪んでいた。
俺は気になって電子広告板に触ってみた。
すると、いきなり視界が真っ白になり、意識が薄くなっていった。
「おい!大丈夫か!どうした!なんか言えょ...あれ?...ぅぅ。」
電子広告板は、波打ったように歪んでいた。
俺は気になって電子広告板に触ってみた。
すると、いきなり視界が真っ白になり、意識が薄くなっていった。
「おい!大丈夫か!どうした!なんか言えよ...あ...ぅぅ。」
光希が意識を失った。
光希を助けないと...でも、意識が...
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気づくと俺は、ホールのような建物の中にいた。
「うぅ...」 「兄さん!」
隣を見ると、光希がいた。
「ん、ここは?」
俺は光希が近くにいて安心した。そう言えば確かにここは何処なのだろうか?
ブッ!
『あ~あ~テステステス...マイクテストマイクテストー。
...ゴホンッ!みなさんこんにちは!貴方達は我が社の製品、THENEWWOULDのβテストプレイヤーに見事ご当選されました!おめでとうございます!
...っていうのは嘘な訳で、実を言うと私はアリミシノ王国の魔法使いで、マランと言います!よろしく。
今回集まってもらったのは、ゲームをして貰うのではなく、実際に異世界に転生してもらいます。そして、魔王を倒してもらいます。
ただ魔王を倒すだけと言うのはつまらないと思いますので、一つだけ究極能力を特典として持っていけることとなります。
詳細はお手元の説明書で。では準備が整った人からこちらの列に並んで下さい!』
ざわざわと、集められた人が騒ぎ、俺も光希と話し合った。
俺と光希は、ライトノベルが好きでよく異世界に行きたいなどと話していた。
「転生した後も合流して一緒に冒険しような光希兄さん!」
「おう!おれの剣さばきに見惚れるなよ?」
なので俺たちは、異世界転生を喜ぶ人の部類だった。一方で、当然悲しむ人もいる訳で、
「おい!明日は大事な会議があるんだぞ!」
とか、
「なんで私だけなのよ!彼は何処にいるのよ!」
などと言う声も聞こえた。
俺と光希は手元の説明書を読み、転生先の世界の事を頭に叩き込んでいた。そして、アルティメットスキルのページになり、持っていけるスキルについて詳しく書かれていた。
『究極能力について
持っていけるスキルは、身体能力、剣、魔法、製作、金、状態異常のジャンルに分かれています。
ジャンルを決めたら、転生しましょう! 』
「ねえ、兄さんはどのジャンルにするの?」
俺は光希の意見を参考にしたくて聞いた。
「俺は製作だな。最強の剣を作って無双だ!...っとお前はどうすんの?」
「僕は金にするよ。金が一番実用性があると思うからね。」
俺たちはすぐにでも異世界に行きたかったので、早速列に向かった。
列にはまだ数人しかいなく、すぐに俺の番になった。
「えっと...石川拓海クンね。ここに新しい名前と、アルティメットスキルのジャンルを書いてね。」
なにーー!名前まで変えれるのか!!どうしよう?あのアニメの主人公の名前にしようかなぁ?
「あ、そう言えば種族って変えれませんか?例えば、エルフとかドワーフとか。」
これ大事だよね。なれるなら絶対なりたいもん。
「えっと、その場合はアルティメットスキルに状態異常を選んでもらう必要がありますがどうしますか?」
そっかー。アルティメットスキルが必要なのかー。金の方が大事だし、諦めよう。
「なら大丈夫です。」
名前は流石にアニメの主人公の名前は恥ずかしいので、憧れていた光希兄さんの名前を貰おう。
『名前:ミツキ
究極能力:金
』
俺はこの紙を受付の人に渡す。
「では、行ってらっしゃいませ。ご武運を。」
よし!これから俺の第二の人生が始まるぜ!
待ってろよ異世界!待ってろよケモミミっ子!!待ってろよ魔王ーー!!!
そうして俺は異世界への門へと行くのであった。
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