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18.ダイエットには・・・運動だよね

 カロリー制限とダイエットの基本は運動だよね。

 これから結婚しても私のメイドを辞めないように言われているアンリは、なおさら体力は必要だね。


 今まで部屋でのんびり過ごしているのに欠かせなかったお茶とお菓子は、お茶だけにしてもらった。お菓子はたまーにご褒美に出してもらおうと考えているけど。


 さて一番お手軽な運動なのは、ランニングなんだけど・・・運動着もってないね。

 ランニングって言っても私が付き合える訳ではないのだ。さて、どうしようかなぁ。


 ふっと、窓の外を見ると、お母様がお茶会をしていた。---最近はお声がかからないから忘れていました。


 お母様のお茶会に来ている子供達はいつも、お菓子を食べたりして好きに過ごしているんだけど、良い所のお坊ちゃんお嬢ちゃんなので、大人しいね。


 ---ふむ。運動は子供がするものだよね。よし!!


「散歩にいこう!!お庭に出ますよ~」

 と、宣言し3人を連れて外にでた。ふふふふっ・・・楽しみだなぁ。本もって行きたいけど、読む時間あるかなぁ・・・。






 お母様達のお茶会のテーブルに顔を出し、挨拶を済ませると、私は子供達のいる庭園に来た。ぐるりと周りを見渡して、危ない物が無いかを確認する。・・・丁度真ん中が広場になっていて、いろんな植物が植えられている。


 ・・・危ないのはバラの植わっているあのあたりかな??


 この庭園には、数人のメイドさんたちが待機して、子供達が危ない事をしないか、困った事があったら手を貸せるようにいるのだ。


 一人は、このバラの近くにいてもらおうかなぁ。池の近くにも一人配置して、後は・・・全体を見渡せるところに数人・・・。


 私が庭に姿を現すと、2・3歳年上のお兄さんやお姉さんがご挨拶に来てくれた。・・・今日の年齢層は5歳~7歳ってくらいかな?---最初だからこれくらいの年齢がいいかもね。


 簡単に挨拶を済ませると、私はお兄さんお姉さんに『一緒に遊んでください』とお願いした。もちろん心優しきお兄さんお姉さんは、快く快諾してくれたよ。しかも好きな遊びしていいって!


 ・・・私はがんばらないけど、がんばってもらおうかな。


「---鬼ごっこして遊びたい!」

「「「???鬼ごっこ?」」」


 おう・・・通じなかった。鬼は居ないのか・・・居るわけないか?


「・・・追いかけっこ。メイド3人がわたしたち子供を捕まえるんだよ、つかまったらこの椅子に座っていて、全員捕まえたら終わり。手で触られたら捕まった事になるから、触られないように逃げてね。逃げられる場所は---・・・」

 と簡単に説明をして、メイド3人はもちろん、アンリ、ジル、エリーとなっております。がんばりすぎて、転ばせないように気をつけてね。とか色々注意をして、ゲームスタートです。


 ---警ドロをしたかったなぁ。まぁ、警察分からないから、騎士とドロボーになるけどね。今のルールはドロボー一度つかまったら逃げられないという事だけなんだけど。・・・慣れたら逃げられるルール追加する予定だけど、子供達に最初からは難しいルールは無理かな。今のメイド3人は体力的に難しそうだ。


 さてさて・・・どうなる事やら。私は、バラの傍で一人こっそりと覗き見中。だってねぇ、捕まらなければいいんだから、隠れていても問題なし。この場所、バラの刺で誰かが怪我をしないようにメイドさんが立っているから死角になっているんだよね。


 ・・・ちょっと、私に視線を向けないで、ばれちゃうでしょ!!

 と、抗議の視線を向けると、メイドさん視線をはずし、他の場所を見てくれました。あの3人もこれくらいの気配りできるといいなぁ・・・私に対して。


 さてさて・・・メイド3人に対して、追いかける子供は私を入れて12人。


 エリーは、まだ十代なだけあって身軽ですね。服が運動に適してないのでこれは子供達へのハンデだな。

 ジルは、負けん気の強さで頑張るね~足速い。

 アンリは・・・女の子中心に捕まえる事にしたようだ・・・男の子は足が速くて捕まらないと、はやくも標的を変えて、スカートで走りにくそうな女の子に、狙いをつけた。


 流石ちびっ子、日ごろ運動をしている子供はヒョイと、交わしてしまう。・・・まぁ女の子は、アンリが相手だったから逃げ切れる子供もいるけど、ジルに捕まっていた。


 最初の追いかけっこは、10分くらいで残り3人となった。・・・私と、男の子2人だ。



 ---うん、懐かしいなぁ・・・捕まるのが嫌でズーッと息子は隠れていたっけ。最後の一人になって姿、こっそりドロボーを助けに現れるヒーローのつもりだったのだろうねぇ・・・。


 そんな事を考えながら、一人の男の子がエリーに捕まった。




「---何やっていんの?」

「へっ??」


 最後の一人、赤い髪の男の子が、いつの間にか私の後ろに立っていた。あっちに気を摂られすぎたか・・・。


「---おっ、お前なんで泣いているんだよ」

「えっ・・・泣いてなんか・・・あれ??」


 あれ、泣いているつもり無いのに・・・涙が勝手に---まただ。


 うう---・・・。


 顔を見たとたんうろたえていた男の子は、はぁ・・・仕方が無いなぁと、私の横に座り込んだ。


 一緒に居てくれるつもりらしいね・・・。


「このままだと、捕まっちゃうから・・・行っていいよ・・・」

 私がそういうと、男の子は、はぁ?何言っていんだこいつ・・・的な目で見てきた。


 ガシガシと頭を乱暴に掻くと立ち上がり、私の手を引き立ち上がらせた。


「---じゃぁ、一緒に捕まるか・・・」


 と、スタスタと皆の元に歩き始めた・・・。


 えっ・・・。


 びっくりして、ちょっと涙が止まったかも。---でも、泣いたから涙でグチャグチャだ。どうしよう・・・とあたりを見渡すと、こちらを見ているフォードおにいちゃまが居た。


「---・・・、もう大丈夫。手を離して・・・」


 早く早く・・・とブンブンと捕まれていた手を振ると、スルリと抜けた。


 ---フォードおにいちゃま。


 後ろから声がかかる


「---おれはランディ。またな!」


 ・・・はやく、おにいちゃまのとこに行くんだ!振り返る時間はないんだよ。


 私は、そのままおにいちゃまの胸に飛び込んだ・・・というより激突した。


「ごほっ・・・」


 と、苦しそうな声がしたが・・・仕方ない。我慢してもらおう。


 だって、----ここが一番安心できる場所なんだから。


 ぎゅうぎゅうとしがみ付き、グリグリと胸に顔を押し当てている私の頭を、そおっと、おにいちゃまは撫でていてくれた。私が顔を上げるまでズーッとだ。



 大きく深呼吸して、ゆっくりと気持ちを落ち着かせる。うん・・・涙も止まったね、でも・・・泣きすぎです。眠くなりました。・・・久しぶり外は意外と体力使っていました。


「---フォードおにいちゃま・・・だぃ・き」

 とつぶやき、眠りに落ちた。私なりの最大限の感謝の意を示したのだ。





 ・・・ゴメンね、こんなところで寝ちゃ運ぶの大変だよね。


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