17.引きこもり中です
なんと、3日も寝ていたそうだ。
一回目が覚めたけど、現実逃避したからかなぁ---寝過ぎたらしい。
現実逃避も程ほどにしないとね。
みんな原因不明の昏睡状態だって相当慌てていたんだって。
・・・外出先で倒れてから、初めてのお出かけで、事故に合いそうになって精神的に疲れたんだろうと思っていたら、翌日昼を過ぎても目を覚まさないって、普通に物凄く心配になるよね。
しかもベッドに枕をしっかり抱きしめて丸まって寝て、涙を流した跡を見つけたらしい。
次の日も・・・、朝目を覚まさず、医者を呼ぶけど原因不明・・・そりゃ慌てるよ。丸一日以上、食事は勿論水分だってとってないし。
---様子を見るしかない、幼児だからこのままだと体力の心配が・・・。なんてお医者様に言われたら、ホントどうしていいのやら。
・・・私が起こした騒ぎだけど、不可抗力だから許してほしい。
家族みんなが慌てている中、何もできず翌日になり、いつ目を覚ますのか、夜も寝られずに過ごしていたそうだ。
そしたら、3日目にやっと目を覚ましたって・・・ほんとご心配お掛けしました。
私は、お父様とお母様にこれでもか!という程の涙と苦しい抱擁をうけ、疲労困憊です。
喜んで受け入れるしかないよね。
ギル様やフォードおにいちゃま、メイドさん達からも、涙ながらに安心いたしましたと、言われ本当にお騒がせしました、と現実逃避し過ぎたことを深く反省しました。
そんなこんなで、体力回復の為、この数日ゆっくりまったり過ごしています。
なんて、本当はもう調子はいいのだけど、---やっぱりいろいろなことを考えてしまっていて、他の人から見るとボーッとして調子はが悪いのではないか?と思われているようなのだ。
なので、あれから読書したり、ボンヤリ外を眺めたりと、過ごしている。
ボンヤリが、いけないと思うのだがついつい。
「---はあぁ~ぁ」
意味もなくため息をついては、庭を眺め、枝にとまった鳥を見る日々が、続いている。
勉強も私の体調が、戻るまでは参加しなくてよいらしい。
もうすぐ誕生日のガーデンパーティーもあるから、それまではゆっくりしていて良いって。
只今、やる気スイッチオフの私としてはありがたいです。
そんなこんなでダラダラしていた。メイドさん達とお茶してお菓子食べて。
「太った?」
えっ!?私?・・・違うのか~アンリの事?
確かに脇腹プニプニかもね。ひきこもりしている私がいけないのか?・・・お菓子一緒に食べようよ?と誘ってしまう私がいけないの?・・・早くも幸せ太り?
めでたく、結婚が決まりいろいろ解禁になったんだって、一応チューくらいは許されるらしいよ。
---婚約する前にチューはダメなんだね。
太ったと言いながら、幸せなんだね~と冷やかされて嬉しそうで良かったね。
もう。みんなの脇腹チェックしてやる。きゃぁきゃぁ言いながら戯れていたら、ノックの音に気がついたジルがドアを開けてフォードおにいちゃまを部屋に招き入れていたのに気がつかなかった。
「---えい!ここはモミモミしてもらうと大きくなるよ」
「きゃぁ、えっ、あっ、やめてぇ・・・ください」
アンリの控えめな胸に手を伸ばし、モミモミしているのを目撃されてしまった。
「あッ!あの・・・---僕・・・」
「あ?」
私はフォードおにいちゃまの声の方に視線を向けると、真っ赤なトマトの様になっていた。しかも、マズイ事にまだ私の手はモミモミしたままだ。
「ぼ、僕。また後でにします---」
ダッシュで飛びだしていってしまった。
そうか、もう恥ずかしい年頃なんだね。ふむふむと、一人フォードおにいちゃまお年頃に想いを馳せていると。顔を真っ赤にしたのがもう一人。
「---・・・だま誰にも触られた事ないのに・・・」
って、真っ赤になって項垂れていました。
・・・あら、それは失礼しました。でも直接触ってないのに~。
---メイドさん達は、女同士で胸が大きいねぇ~!とか、胸が小さいねぇ~とか、形がいいねぇ~とか言いながら触りっこしないのかな?女子高とかよくやっているの居たよね??
なんて・・・考えていましたが、しないようです。ジルとエリーから・・・なんでそんな事を知っているの?的な目で見られた。・・・知っていたら怖いね、確かに。
「---ごめんなさい。お詫びに皆でアンリが綺麗にやせる為に協力するよ?!・・・許してください」
「「「---宜しくおねがいします」」」
---って、みんなやるんだね。
・・・・フォードおにいちゃまご用はなんだったんだろう???また来るかな?
お勉強会がお休みしているので、フォードおにいちゃまとはあまり話をしていない・・・勉強という接点がなくなった事と、私が呼ばないからだ。今までは、フォードおにいちゃまが居る場所に行って遊んだり、お庭に出るときや、お茶の時など、おにいちゃまが暇をしていたら呼んで一緒に過ごしていた。
---でも、黒目黒髪のフォードおにいちゃまやギル様に会うと・・・ちょっと、涙が・・・。ちょっとした用事で話をするなら問題ないのだけど、一緒に過ごすのはちょっと・・・問題ありなのです。---相手も困るよね、突然泣かれたら・・・意味も無く突然涙を流し始めたらどうしたらいいのか分からなくなるよね。・・・だからちょっと距離を置いて、メイドさん達と遊んでいます。
---もう少し、時間をくださいね。