12.毎日が勉強です
「あめんぼあかいなアイウエオ〜」
おはようございます。朝の発生練習中です。メイドさん3人にも一緒にやろうよ~と誘ってみましたが、断られてしまいました。ちえっ。
さて、初日の授業はさっくりと終わらせたと思っていたのですが、2時間程やっていたみたいです。
お茶を飲んだ後、解散して部屋に戻ってきました。
書庫から借りてきた本とリズさんがメモしてくれた読み方と、辞書を手に部屋に帰りました。夜就寝前に復習をかねて、本の複写と読み方、意味を一つにまとめてみました。・・・あれですな、英語を初級者が勉強するみたいに書いてみた・・・と言う事です。
---どうすれば覚え易いのかは、全く分かりません・・・英語はアヒルさんだったのだ。
いくら書いても覚えられない・・・でも一つだけ分かっている事がある、幼児の記憶力は凄い!という事だ。
簡単にこの国の文字を読めるようになったのだ!きっとこの本を一冊、複写して音読して、内容をイメージして話すことが出来れば、なかなか良い線いけるのではないかと・・・。
自分は英語が出来なかったけど、これからの子供に英語は必要なんだ!と幼稚園の頃から習わせていた。その時よく言っていたのが、『文字を良く見て、読むんだよ~』だ。
何でかって・・・私が丁度高校を卒業した頃だろうか・・・もう英語は見捨てていた時期に、『”Mother”マザー”M”を取ったら”other”アザー他人です』というのをCMがやっていた!あれは衝撃的だった。---もっと早く教えてくれよ!!とTVの前で、思わずつぶやいていた・・・。そう、英語の単語は、あれ?これって、何かと何かくっついているよね?って感じになっているのとか、これ取れば・・・っていうのがあったりする。
なので、『英語の単語読めないよ~』と言っている子供に『よく見てごらん、考えてごらん~』というフレーズと共に、何かに似ているな~とか、何かと読み方似てないかなぁ~とか、前にやったよね~ってニュアンスを込めて歌っていた。
ある意味便利な歌だ・・・うちの子はなんだかんだ言って、むむ~と考えていたなぁ・・・と。
なので、同じ立場になった私も・・・『よく見てごらん、考えてごらん』と口ずさみながらノートとに睨めっこしています。何か法則が見つかりますように・・・簡単に字が覚えられたらいいじゃないか。
では、今日も大きな声で音読しよう!
さあ、3人もご一緒に!
さてさて、毎日のお勉強は、順調に進んでおります。
午前中は、書庫で語学と、歴史、が中心で、歴史は、語学勉強を兼ねているので、古語と、歴史を勉強する国の言葉で話す事になっている。
と言っても、今のやっているのは、古語と海を挟んだ遠くの国『ゼンリーン』の言葉だけだ。外交官とかにならないと使い道が無いようだけどね。私の目的は、あくまで本を読むことだからね~どーでもいいのだ。
午後は、フォードおにいちゃまの剣術の見学を兼ねた体力作り、その後は二人でダンスの練習をしている。お母様とのお茶会が1週間に1・2回が入る事があるが、それ以外はフォードおにいちゃまと一緒に過ごしている。ちなみに、運動をがんばった経験が無いので、適当にお庭で泥をいじったり花壇のお花のお手入れしたり、虫を探したりして遊んでいる事が多いかな。
---一緒に過ごすたびに、フォードおにいちゃまの凄さがよくわかる。6歳であの集中力と真剣さが!遊びたい盛りだろうに・・・と3歳さんが年寄りくさい目で見ているのは秘密だ。
それに、一緒に始めた古語も、確かに私と一緒に始めたので、戸惑う事があったと思う。私は、大人知識を使って、四苦八苦しながらどうやったら覚え易いのかなぁ・・・なんて考えながら勉強しているが、子供ってそんな事出来ないよ~。もちろん二日目は、三日目と少しずつ差が出てくる・・・頭の柔らかさがものをいったのか、私の覚えが早かったからだ。
「---お嬢様は、お部屋でどんな勉強をされているのですか?」
と素直に聞いてこられる素敵スキル。---教えられるのを嫌がったり、年下に教えてもらうなんて・・・と思う子供が多い中、これはいいよ!!むしろ、羨ましすぎる・・・そんな素直な心が我が家の子供に欲しかった!!
もちろん、教えてあげたよ!だってたいした事してないし。
「う~んとね、古語を声に出して沢山読むの。その時には、ちゃんと一文字ずつしっかり目で見て、言葉の意味を頭で思い浮かべるんだよ。それを毎日何回もやっていた」
フォードおにいちゃまなら、毎日続けて練習すれば、すぐ追いついてくると思う。・・・でも負けないよ。
さて、そんな平和な勉強時間を過ごし、充実した日々を送っていた私。
お母様が同じ年頃のお友達を作ってあげたいと、張り切りだした。
---何をどーして、今の私のどこを見たら同じ年のお友達が必要に思ったのか教えて欲しいよ!むしろ年上だよ・・・。
お見合いお茶会は落ち着いた様で、お茶会仲間のお友達に言われたらしい。
『お嬢様にも素敵な、お友達ができるとよろしいわね』と。
イヤイヤ、お子様お友達は、いりませんよ!誰だ余計なことを言ったのは!
私の平和な日々を返してくれ・・・お子様のお守はしたくないんだけど。
---お友達になれる気は、まったくしないよ。できれば、幼稚園児くらいの知能を求めます!
と、お茶会いが始まる前は思っていました・・・どうしようか、何をお話しようか・・・と悩んでいのだけど、私は絵本と私用の本をフォードおにいちゃまに預け、お茶会に参加する事にした。
---だって、お子様に相手にされなかったら、本を持って読書にしようと思ったのだ・・・お茶会中暇だったら時間が勿体ないよ。
さて、そんな心配をしながらお茶会に参加をした。---私のお相手は、5歳~3歳までの年齢を対象にしてくれていて、何とかなりそうな気がしました。
5歳さん達グループは・・・年下とは遊ぶ気が無いようで、さっさと遠くの広場に遊びに行ってしまいました。
4歳くらいの男の子と女の子達は顔見知りらしく、母親の姿が見える範囲で集まり遊んでいる。
残された私達・・・初対面で、何をしていいやら、興味のあるほうへ・・・あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。私のお付の者としてお茶会に参加する事になったフォードおにいちゃまが、慌てて連れ戻しにあっちこっちに奔走している姿を・・・どんなカオスだよ、とボーっと眺めてしまいました。
いやいや、これじゃいかん!!おにいちゃまを助けなきゃ・・・。むむ~!!
ヒラヒラ~と、目の前をよぎったのはチョウチョウ!これか!?
息を思いっきり吸い込み、声を張り上げた!!怒鳴り声にならないように・・・。
「あっ、おにいちゃま見て!いまチョウチョウが飛んでった!!早くこっちにきて!!」
---これで、ちびっ子組みが集まってくれるといいんだけど・・・。
フォードおにいちゃまが、私の方を見て、近くにいる子供達に声をかけている。
よし!!興味がこっちに移った。そのままこっちは来て~!!と念力を送る。
「ほらほら!あそこだよ!きれいでしょう~」
と私はちょうちょを追いかけて、ちびっ子組みを集合させる事に成功した。
まずは第一段階成功です。
お茶会終了まで、平和に過ごしたいと願った私。
だが、・・・一筋縄ではいかない曲者がこのお茶会に参加していた。
---そんなの聞いてないよ~と『ほうれんそう』は必要です!とお母様に言いたくなった私は悪くないと思う。