表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流星のプラネタリア  作者: 嶋里 和人
14/18

二章 第六話

少年と少女が対峙する。互いを視界の中心に捉え、微細な動きさえ見逃さぬようにじっと睨み合う。

「手短にいきましょう。私にはあなたと関わっている暇なんてありませんから」

先に動いたのは弥生だった。膝を屈め重心を低くする。体重を前方にかけながら、後ろに引いた右足に力をこめる。

「『撃蹄げきてい』!」

収束させた力を瞬く間に解放し、放たれた矢の如く一直線に司へと接近する。司へと近づくその一瞬でハンマーの頭が一気に膨らむ。

弥生の予想外の速度に反応が遅れた司の腹に、右手に構えたハンマーの重く、しかし鋭い一撃が炸裂する。

「がはぁっ!」

手首に捻りを加え、そのまま司を空中へ弾き飛ばす。その体は綺麗な弧を描き、コンクリートへと叩きつけられた。

「住宅街であまり派手なことはできませんから。お家を壊してしまうと困りますしね」

空いた左手で制服の乱れを整えながら、弥生は司の飛んだ方角を見る。

「こちらとしては今ので気絶でもしてもらえると助かるのですが……もう終わりですか?」

「そんなわけねぇだろ。獣系の身体強化をなめんなよ」

よろけることもなく司は立ち上がる。服は破れていたが、言葉や立ち振る舞いからは何もなかったかのように感じられた。

「やはり頭壊さないとだめですかね。……さっさと負けてもらえませんか?」

「次はこっちから行くぞ」

『撃蹄』程ではないにしろ、普通の人間に比べれば明らかに速い動きで司は弥生へと向かう。

両手の鋭利な爪が弥生の華奢な体を狙い執拗に迫る。しかし弥生は、大きさを元に戻し身軽になったハンマーでそれを全て弾く。

隙を見て弥生は司の右手の甲、そして左手の手の平を打ち大きくバランスを崩させるた。

「くそっ!」

「翼がなくても空は飛べるんですよ!」

下から振り上げられる再度巨大化したハンマーは、一度目よりも高く司を空に上げる。

「空中なら遠慮することはないですよね!行きますよ!『祈導の羊角アジテーション・ホーン』!!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ