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第四十八話「一人調査の始まり」

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 パーティの準備の手伝いを始めてから、3日間は外出もなく、内部の仕事に付きっきりだった。気が付いたら、あれもこれもとわんさか仕事が回ってきて、終わる頃にはグッタリとなっている。普段なら全く疲れないんだろうけど、なにせ王宮での仕事だから、気遣いが半端ない。


 肉体的疲れと言うよりは完全に精神的なものからきていた。でもそんな頑張りもあってかなんと私もパーティに参加出来るんだ!わぁ~緊張するけど、超楽しみぃ。華やかな会場に豪華なお料理と一般人では味わえない経験だもんね。

 

 それにアンティール様にも会えるし♪そう機嫌良く思えたのだけど、すぐに別の感情が沸き起こった。シャークスの顔が浮かぶ。この間、アンティール様の話を出した時、なんとも言えない複雑な顔をしてたな。


 アンティール様はシャークスの元婚約者で、しかも今、彼女は他国の王子様の婚約者フィアンセだっていうもの。シャークス、もしかしたら、まだアンティール様に想いが残っているのかもしれない。だって彼、あんなに執着心…いや偏執病が強いし、ちっとやそっとじゃ立ち直れそうにないし。


 ん?そしたら、なんでヤツは私に異様な執着をしているのか、わけがわからん!そもそも、あの気品溢れるおしとやか彼女と私って正反対だよね?どうみても私を好きになる要素ないじゃん。……もしや、アンティール様に去られた傷を引きずって、わざと私みたいなタイプを選んで気を紛らわせているとか?


 その割には気持ち悪いほど、固執してくるからたちが悪しし!シャークス、見た目は白馬に乗った王子様なのに、実際はあのド変態のドM!アレを受け入れてくれる人っていないよね!あの病気さえなければ、今頃アンティール様と一緒に……。

 

 ―――チクン、チクン。

 

 ん?なんかさ、この間からシャークスとアンティール様の事を考えると、時折胸がチクンみたいな感じが起きるのはなんでだろう?

 

「スターリーさん、この後、買い出しをお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

 一緒にパーティの準備をしていた侍女さんから問われる。

 

「はい、もちろん!」

 

 ―――いよいよ来たぁぁああ!

 

 変に緊張して却ってハイテンションになってしまう。だって外出=調査してくるになるからね。しかも今日はシャークス、ザクロ、クローバーさんのトリオの誰一人として、付き添ってもらう事が出来ない。黒の騎士様の大事な行事があるから、調査となっても一人で行わなければならないんだ。

 

 ―――ん~、上手く行くかどうかわからないけど、やれるところまで頑張らないと。

 

 なんとか有力な情報を得らないと、ザクロになに言われるか。アイツ、何気にオールマイティだから、すぐ人を蔑む癖があるんだもん。絶対に成果出したる!と、私は大いに気合いを入れた。

 

 *★*――――*★* *★*――――*★*

 

 王宮からお借りした馬を走らせ、私はある場所へと向かっていた。買い出しの荷物を持つ前に、調査の先決を考えていた。今回は不当な徴収を余儀なくされている農夫達への聞き込みだった。

 

 彼等はある諸侯・領主から不当な税金の徴収を受けている。さらに女神への信仰の厚い彼等に、お供え物まで税金増加が生じ、生活を苦しめられていた。その原因はすべて国王にあるとそそのかされ、デモを起こした。


 そしてある日、デモの途中に大爆発事故が発生!彼等の殆どが負傷を追い、入院をしているそうだ。そんな同情すべき彼等の元へと赴き、調査行う。しかし、いくら相手が弱っている時だからといって、容易く全貌を明らかにしてくれるとは思えないんだよね。


 シャークスからは「若い娘が可愛らしく言えば、コロッとケロッと話をしてくれるさ」と、なんとも無責任な言葉しか言われてないし、自分なりに考えた策で、果たして上手くいくかどうかも心配だ。

 

 ―――とはいっても、やるしかない。

 

 目的の場所は宮殿から馬を走らせて10分ほどで着く。そこは首都で一番大きい総合病院「アクア」だ。私も初めて行くけど、マンモスの敷地を誇るからな、まずは目的の彼等を探す事から困難だろう。

 

 ―――数十分後。

 

 マンモス総合病院アクアに到着!ここに来る前、一応お見舞いという立て前で行くから、ちょっとしたお花を購入した。

 

 ―――ほぇ~。

 

 外観からだけでも圧巻させられる大きさだったけど、中は口があんぐりとなる広さだ。進む廊下が何通りもあって迷路ですか?巨大カジノ「トパーズ」といい勝負かも。まずは外科の病室を探さないと。私は廊下を歩く医師や助手さん達に尋ねながら、目的の病室へと進んで行った。

 

 ―――15分後。

 

 迷いに迷って、やっと外科の病室の前までやって来た!建物がいくつかに分かれているけど、とりあえず外科は同じ建物の中に纏まっていた。しかし、階が多すぎて目的の彼等の病室が全くわからない。

 

 一部屋一部屋を覗くわけにもいかないし、かといって知り合いがいるわけでもないしなー。うぁ~、この対策を考えておくべきだった。う~、ちょっと長丁場になるかもだけど、仕方ない。まずは患者さん達を訪ねながら探して行くか。

 

 ズラーと立ち並ぶ病室に、何処から攻めようかと悩むところだけど、手っ取り早く、一番手前の病室から聞き込みをしていこうと決めた。病室には出入口の扉がないから、中の様子が伺えて有難い。


 ―――どうか、私の作戦が上手く行きますように。


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