外伝 毒物が異世界に行った場合[2]
『フォルトゥナ歴302年§月Α日』
街の住人総出による間伐並びに抜いた樹木を再利用した野焼きによる土壌再生が一通り済んだ。
アルクスは起伏の激しい土地であり、山の頂から流れてくる河川を街の中心とした水路として活用できるように築かれた場所だ。
魔物封じの結界石を四方に設置し、これを節として石壁を外壁としている以上、範囲外を開拓するには危険が伴う。
安全の保障されない土地を利用するのは誰だって躊躇う行為なのは私にも分かる事だ。
これを可能としたのもアルスの商会で近年発明された害獣除けならぬ魔物除けの有機適合素材が多大な効果を見せたおかげだ。
わざわざ材料を遠くから採取してきた私も良い仕事が出来たと言える。
草木が鬱蒼とし過ぎて日の光が射さない地面というのは本当にジメジメとしていて見ていられない。
今も昔も変わらぬ生来からの特技――土いじりは拗らせると行動が派手になるのはこの姿になっても同じ事だ。
ここまでを思い返せば、需要の起伏が激しい便利屋である私のささやかな楽しみとして、この世界における果物を栽培していたのがそもそもの始まり。
六年も経てば幼い少女だった私も成長するものだが、猫人というのは総合的に身長が低い形で大成する種族らしい。
正確に測れば142cmな私だが、小さい身なりに反してこの身体は成長するにつれて相当に燃費が悪い事が判明した。
言ってしまえば腹が減りやすいのだ。
なので暇な時間あらば持参していた果物に齧り付いてちまちまと腹を満たすのが私の行動パターンと化していた。
間食に金をかけるのは家計的にまずいと考えたが故のおやつ作り目的な農作業だったんだが、ある日の事だった。
果物畑が初めての収穫時期を迎え、楽しみにしていた所を事もあろうに空から落ちて来て“グチャリッ!”とやらかした不届きな蝙蝠蜥蜴がいたのだ。
向こう側は羽休めのために何となくな気持ちだったんだろうが、踏み潰された畑の残骸を目の前にする鋏片手な私の気持ちとしては知った事ではなかった。
その結果、蝙蝠蜥蜴――ワイバーンは私によってワイヤー付きナイフで身動きを封じられた後、直接炸裂玉を味あわせて『爆散』という末路を迎えた。
食い物の怨みは恐ろしいとは良く言ったものだ。
あそこまで力が出せる方ではないのに、どうやら私は感情によって実力が左右されるタイプらしい。
冷静さが売りとする私にとっては似つかわしくない行動だったといえるが…。
そのせいで返り血で染まったまま帰ってきた私を街の人達が見つけて引いていたのは恥部でしかない。
だが図らずも嬲ったワイバーンの素材が後にて魔物除けの素材になるとは思いもしなかった。
物事というのは誰にも予測が付かないからこそ面白い。
今日はこれから久しぶりに家族五人で集まって飲む予定だ。
ここで日記を切り上げるとしよう。
『フォルトゥナ歴302年§月Β日』
やり過ぎた。まだ頭がガンガンする。
ヘーロスめ、私にマタタビを寄越すなとあれだけ言っていたのに…。
酒とマタタビは私にとって悪魔の組み合わせだ。
何をしているのか分別が付かなくなる程に『ハイ』となる。
それにしても、朝目覚めたら壮絶な光景が広がっていたものだ。
私は全裸でテーブルの上で酒瓶抱えたまま眠っていて――。
ヘーロスは何故か私のパンツ被りながらやりっぱなしジャーマンの姿勢で気絶していて――。
アルスは服を着崩してア●顔ダブルピース風な姿勢で壁に寄りかかるように座って気絶していて――。
ウィルトゥスはコップがチ●●ケースな役割してソファに座ったまま鼾かいて眠っていて――。
ユースティアはコンドーさん被せたニンジンを咥えながら床に横たわって寝ていて――。
今更ながらに書いてて思う。
――こ れ は ひ ど い ッ ! !
一瞬「え、まさか乱●! 乱●パーティ勢いでやってしまったのか!?」と私は動揺したが、酒を飲む方でないユースティアが昨日の事をちゃんと覚えてくれていたので証言から文章で簡略化するとこういう事になる。
――――――――――――――――――――
「今夜はとことん飲もうぜ!」
数時間後――
「よっしゃあ滾ってきたぜ!」
(ヘーロス、何かを思いつく)
「今日は無礼講だから悪戯してしまえ!」
(隠し持ってたマタタビ私に投入)
「うわなにをするやめr――」
数分後――。
「うにゃあぁぁんにゃあぁぁん♪」
「「「やべえ逃げなきゃッ!」」」
――しかし、回り込まれてしまった!
「脱衣アタック!」
「ふんもおぉぉぉッ!?」
「性感マッサージフルコンボだドン!」
「あふえぇぇぇッ!」
「猫じゃらしパンチ!」
「アカンそれ猫じゃらし違うあぁぁぁッ!!」
「奥様うっとり極太ピストン!」
「ぁ……」
――――――――――――――――――――
うん、圧倒的に私のせいだな!
何割かはヘーロスだがッ!
ただ、18禁的な展開にはギリギリいかなかったのが一応の救いではある。
…疲れてるんだろうか。
若い方のノリでこうした内容で書いてみたが、何というか――似合わない。
それどころか見直してみれば書いた自分が逆に恥ずかしくなってくるな。
うむ、堅実にいこう堅実に。
とにかく、久しぶりのパーティーは楽しかった。
またいつかやりたいと皆に言ったら苦笑いしてたがな。
理由が上記の通りなんだから仕方あるまいが…。
『フォルトゥナ歴302年§月Ε日』
仕事明けで色んな意味で疲れた後ではあるが、ペンを取る事にする。
五日前にて表の便利屋としての仕事で久々にやりがいのある分類が入った。
いつもは子守やら修理やら掃除やらと雑用としか言いようのない仕事ばかりで退屈していた所だが、不倫調査となれば私の本領が発揮できる仕事と化す。
裏の顔では情報屋として行動する私だが、情報を得る手段としては主に二種類備えている。
一つは典型的な自分の足で聞き回るか、忍び込んで重要書類を盗み取るかの自主的行動。
もう一方は使い魔を介しての聴取か盗み見をする間接的行動。
この世界には血を魔術的媒体として動物と自身の感覚を繋ぐ――リンクさせる方法が存在する。
私にも一般人よりかは毛の生えた程度な量の魔力を身体に包括しており、呪いと一時的な身体強化程度の簡単な魔術という物を使用する事ができる。
初めて魔術という存在を知った時は流石ファンタジーだと感心したものだが、生活の中で普通に使われている背景に身を長く置いていると別段珍しい物ではなくなった。
とはいえ、前世でこんな事が出来ていればあの時は楽に事を進められただろうなと惜しむ且つ懐かしさに浸れる技術であるのは間違いない。
依頼人の奥さんたっての要望により、旦那が一言も言い訳出来ぬよう徹底的に調べてくれとの話だったので、本気を出したらさぁ大変――なんと旦那さん四股してるではございませんか。
『おめでとう、奥さんは鬼嫁に進化した!』なテロップが頭に流れてきたくらいの変貌ぶりだったよ。
不倫調停は私一人の力ではちょっと及ばない部分が出る可能性があったので、ヘーロスを呼んでから本腰を入れる事になった。
…決して奥さんの様子がおっかなかった訳ではない。
調停の場で奥さんがアイアンクローで旦那を持ち上げる光景を見ていて唐突に妻を思い出してしまったよ。
いや、妻はあれほど凶暴な性格ではなかったが…怒る時は精神的な意味でそれはもうおっかなかった。
例えばの話だが、私の娘は高校生になってもそれはもうじゃじゃ馬娘でね…。
妻に似て惚れ惚れする容姿を持つ一方で座右の銘が『退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!』を有言実行するくらいな娘だった。
高校生になってからは都会の学校に通う事になったが、中学までは私達夫婦が極力身を隠す意味合いを含めての田舎暮らしをしていた事もあってか、妻が産休明けでそのままCUREからしばらく身を引き、代わりに教員を勤めていた生徒が六人しかいない田舎学校に長男と共に通っていたのだが、ある日の事、何でも昼休みに漫画の必殺技を再現しようだとかいう事をして校長室の窓ガラスを突き破って剛速球ボールを校長本人に偶然叩き込んだという事件が起きた。
結果、校長の鼻骨が左35度程曲がって血を流すという事態を引き起こした。
これにはさすがの私や妻もカンカンとなってね、校長にお詫びに行った後で珍しく怒鳴りつけたんだが娘の方が意地を張って一歩も引かぬという態度を示したもんだから…代わりに妻が娘を一発で土下座させる行動に移ったんだ。
では想像してみよう。自分が女だという事を踏まえて――。
――無表情で手に駆動音を響かせる電動バリカンを手にしてじわりじわりと近づいてくる姿を見て、果たして強気なままでいられるだろうか?
終いには失禁してたくらいだ。よっぽど恐ろしかったんだろう。
――とまぁ、不倫調停の結末としては旦那はきっぱりと他の浮気相手とは縁を切る事を前提に。
半年間ほど下半身に『特別性の貞操帯』を装着させる事で話は付いた。
特殊な鉱石で出来ているから壊れない。排尿以外は満足な使い道がない。
旦那の方はこの世の終わり的な顔をしていたが…何、半年の辛抱だ。
離婚して身ぐるみ剥いで街の外に叩き出されなかっただけマシだと思った方が良い。
もしくは元スゴ腕の冒険者でもあった奥さんによって『ちょん切られる』可能性もあったのだから。
やはり世界が違おうと、女性というのは可憐さも必要だが、逞しさもまた良く似合う。
『フォルトゥナ歴302年§月Ζ日』
裏の依頼――他国領民の移民誘発・最新軍事技術情報の収集を終え、これらを渡して依頼主に依頼達成の報告をし終えた後の帰りに行き倒れと遭遇した。
捻じれた角を生やした私と同じ半獣という存在だった。
保存食を渡してやると狂ったように喰らい付いてくるくらいであり、心配しながら見ていたら案の定として喉に詰まらせてむせていた。
その子はまるで餓鬼そのものな世の中全てに絶望しているような目をしていた。
警戒心が強くて隙あらば私の元から逃げ出そうとし、私がそれを探すという行動を何度も繰り返し、根気負けしたのかとりあえず私の後に着いてきてくれるまでにはなった。
私と違って攻撃魔術の扱いに手馴れている様子だったが、当たらなければどうという事はない。
魔力量が少ない私ならではの使い方として、常時強化するのではなく、瞬間的に足元を一点集中させて爆発的な推進力を発揮するというものがある。
なので速度に関しては相手にしてみれば、意識を少しでも逸らしていると私の事を見失ってしまうくらいに自信がある。
鬼ごっこを終えた後は半獣の子と共にアルクスへと帰ってきた。
ちょうど一年ほど前に新設したアルスの商会が資金提供している孤児院へと預けようとしたが、私の袖を頑なに掴んで離れようとしなかった。
私の尻尾を鷲掴みするのだけは止めてもらいたかった。
そこを握られるとゾワゾワしてしまって力が抜けてしまう。
あのガキんちょめ…強引にでも逃げようとすると尻尾を上下に擦りながら優しく握るという何とも高等テクニックを用いて意地でも私を逃がそうとしなかった。
その時の半獣の子から向けられた目を見ると「最後まで面倒見ろ」とも言わんばかりな目つきをしていて癇に障ったので、逆に私は国民的アニメキャラの母親が使う有名なお仕置き技を米神にお見舞いした。
しばらく互いの我慢比べが始まり、最後に残ったのはお互い力尽きてノックダウン寸前な私達。
ちょうど近くだった鍛冶屋からウィルトゥスが出てきて「…レミータ殿、貴方はもしや――シ⚫︎タ専だったのですね!?」と何か納得したような笑顔を向けられたりもした。
ーーその瞬間、魔力で強化したデコピンで馬鹿蜥蜴の『お稲荷さん』を弾き飛ばしてやったがな!
失敬な、元男とはいえ、そこまで倒錯的な性癖を拗らせる程飢えてはおらん。
あー妻の手料理が懐かしい。
『フォルトォナ歴302年〆月θ日』
領主から領民同士の交流会として何か良い案はないかと相談された。
全く道楽で領主やっているような輩はこれだから…前の領主よりかは幾分かマシとはいえ、しっかり仕事しろと言ってやりたい。
現実では一応目上の人間なので迂闊に手を出すのは難しい事だが、私に対して政策を半端任せするのでは領主の意味がまったくないではないか。
せっかくの休みを返上せざるを得なかった。
便利屋というのはそういう仕事をする職業ではない。
ふざけないでもらいたい。
まぁ、前金を貰ってる以上はあれこれ言える資格はないに等しいのだが…。
とりあえず店に一人住み着いたものだから早急にいくらか纏まった金額を蓄えておきたい。
ちなみに半獣の子の名前はフィリウスというらしい。
まだこれだけだ。名前以外は多くを語ろうとしない姿勢を貫いている。
私の店では居候ついでに店番兼雑用係を担わせてはいるが、人と接する事に対して心の何処かでは避けようとしている傾向が伺えた。
そのせいかちょっとしたお得意様ではあるが、粗暴な口を叩く分類の客と対面した時はちょっとしたハプニングも起きた。
彼は強い口調で話すのが特徴で、傍から見れば万年当たり散らしているような話し方をする。
実際は話をちゃんと聞いてみれば芯の通った理論を通しての会話が出来る男なのだが、私から見ればまんまドラマに出てくるような取り調べ室の刑事そのものだ。
アルクスの自警団に所属しているし、職業としては大差ないのだが…。
フィリウスは何を思ったのか、彼に向けて魔力の塊をぶつけようと掌に集中させていた。
私が慌てて手首を捻って明後日の方向へと逸らさなければ大怪我をさせていただろう。
急ぎの依頼ではない以上、彼には帰ってもらって臨時閉店した後はフィリウスと対談。
けど全然喋らない。心理学的な見解では悪い事をしたというのを理解してはいるが、それ以上に強い怒りに支配されているという心情が分析できる。
衝動的・過敏行動的・反抗的・破壊的な行動が多く見られる――。
情愛・表現能力・自尊心・相手に対する尊敬心・責任感などが欠如している――。
…虐待経験者の典型的な症状だな。
それも広範囲――家族以外にも受けた可能性が高い代物だ。
厄介な種類に入るな、心を壊した子供は幾人も見てきた私でもここまで至るのは珍しいといえるくらいに。
迂闊に接触したら痛いしっぺ返しをくらうため、今回は強くは言えずに注意程度で済ませるしかなかった。
これは永くなりそうだ――フィリウスとの付き合いは。
少なくとも成人まではなんとか…。
明日は屋根にぽっかりと空いた穴を修復する事に半日費やすだろう。
『フォルトォナ歴302年〆月Λ日』
やばいやばい――領民交流会として提案し、開催した運動会が魔界大戦と化した。
この頃アルクスが元はどんな街だったかをすっかり忘れてしまい、選手として参加した人員に対する配員ミスが原因だろう。
運動会の種目は街中のアンケート調査で収集し、抽選形式で決めたんだが…。
あんの領主め、面白がって『鼻フック合戦』やら『パンスト引き対決』やらと色物種目を多く含めて進行内容を構成しくさったから危うくアルクスが抗争時代へと戻り掛けたではないか。
娼婦館から参加のNo.1とNo.2による男も真っ青なキャットファイトやら優勝賞金並びに商品を目指して反則すれすれな行為で勝利を得ていく大人達の何ともまぁ――子供に影響の悪い汚い戦いを繰り広げたのはこの際目を瞑ろう。
だが今は停戦協定を結んでいるとはいえ、ゴロツキ共のファミリーを別々に分け、これを組織の縮小図とした騎馬戦をしたのが一番まずかった。
最終的にはボス同士による殴り合いから構成員同士による取っ組み合いが土場にて繰り広げられ、血の雨を降らすような疑似的第四次抗争が勃発してしまった。
最初は普通のニッコリ穏やかな力試しだったんだ。
そこをお互いの娘と息子が仲良さげにしていて、自分達に構う時間が少なくなったのがお前の息子(娘)のせいだと同時に言い争い始めたのが理由だとは…。
自警団にアルスの商会が最近開発した暴徒鎮圧用のネット玉と催涙玉を使って現場を押さえてもらう羽目になった。
その裏でアルスは他方からの来客に今回使用した商品の宣伝を始めていたし…。
意外と抜け目ないハーフエルフだな!
それと、誰だ賞品に『レミータたんの一日恋人体験チケット』という商品なんざ用意した奴は!
お蔭で人様に自慢できない趣味を持つ男達が一斉に私の方へとギラギラした目を向けてきたんだぞ!
恐ろしいわ! 節度ある恋愛を心掛けんかッ!
――とは言っても、この街にそれを求めるのは不可能に近いがな…。
だって変態が半数を占めますからね、この街はッ!
(追記)ユースティア…まさか君だったなんて……。
『フォルトォナ歴302年〆月£日』
娼婦館にいる知り合いが身請けされる事になった。
相手はサフィラスという国の男爵家子息との事だ。
まだ正妻を迎えてはおらず、成人(18歳)を過ぎて二年目との事で家の問題による焦りから側室を迎える話となり、男爵子息が秘密裏に色を知る事になった縁を頼りにすると、知り合いが思い浮かんだそうだ。
私としては知り合いの意思を尊重するつもりだ。
玉の輿に乗れるとはしゃぐ様子を回りに見せてはいるが、本当は身体の弱い妹さんのために娼婦として働いているからこそ、楽をさせられる可能性をそこに賭けたんだろう。
私も一緒に娼婦館総出で彼女を送り出してあげた。
願わくば、彼女の道先に幸あらん事を…。
だが念のためを考慮して使い魔を一緒に同行させておいた。
連れてく本人達は単なる子猫として可愛がるつもりだが、いざという時の生中継を可能とする通信手段として活用できる。
それに、もし私の知り合いを悲しませる事があろうならば…。
いや、飽くまで可能性の話として保留しておこう。
今は祝辞を述べるだけで良い。
後にて彼女の(元)娼婦仲間から私に「早く良い相手見つけなさいよね!」と余計な心配をかけられたが、魂としては既婚者である以前に男だ。
今年でこの世界における結婚適齢期末の18歳だが、生憎と私が女として男を迎える意志を持つ事は決してないだろう。
それに、年甲斐もなく『恋をする』という感情を燃やせる若さはとうの昔に枯れ果てている。
ヨボヨボのお爺さんが若い身体を手に入れても、結局は気持ちの問題なのだ、こういう部分というのは。
逆にウィルトゥスは「ちくしょう…ちくしょう…こんの裏切り者めぇ……」と最近結婚した友達に対して涙を流して呪詛を呟きながら剣を打っていたくらいではあるが…。
あの男にも良い縁に巡り合える事を切に願おう。
[走り書きが続いている]
武器や防具といった流通が高騰化
徴兵制度の再開
傭兵ギルドの活性化
首都から税率引き上げの宣告
国境付近に砦の増築
狙いは資金源としての塩湖
首謀者――グレゴリウス公爵の可能性73%
侵入・逃走経路を使い魔五匹で作図中
決行は四日後に決定




