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狂った世界で  作者: 桃姫
雪姫編
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72/82

72話:協力

 俺は、桐谷キリエと言う少女を探していた。おそらく、鍵は対になっている。篠宮姓の二人。東雲姓の二人。雨月姓の二人。そうなると、もう一組くらい会ってもおかしくないはず。狂ヶ夜や七夜などの珍しい姓で被ることはないから、おそらく桐谷キリエの苗字に何かあるはずだ、と言うのが、俺の出した結論だ。

「キリエ。いるか」

 いつかのように、屋上にいるのではないかと思い、屋上に来た。すると、そこには、美しい銀髪の少女がいた。キリエだ。

「待っていたわ。雨月くん。鍵の一つ。そして、唄姫の子」

「なっ」

 俺は絶句した。驚きのあまり言葉が出なかった。

「何で、それを……」

「色々と、ね。だからわかっているわ。貴方が、私に何を頼みたいか……」

 分かっているなら話は早い。

「でも、あなた如き貧民が、私に何か頼むなんて一億年早いわ!」

 え、ええ?!なっ、何で?

「いや、お前、状況を理解してるんだろ。この狂った世界を」

「正常に直すんでしょ?」

 分かっててなんで?

「まあ、貴方が、どうしてもと頼むなら、協力しないでもないわよ」

「えっ、ああ、まあ、どうしても協力して欲しいんだが……」

 俺は、頭を下げた。

「ええ。じゃあ、桐谷……、いいえ、希咲霧愛。貴方に力を貸すわ」

 希咲……。哀子と対になっているのか?希咲姓が二人揃った。

「じゃあ、これで鍵が揃ったのか?」

「鍵は全部で八つ。鍵穴が一つ。そして、後は、歯車だけ」

 歯車?

「鈴蘭の少女が持ってくる歯車を手に、祠の奥、扉を開けたとき歯車を持ちし鍵穴が歯車を戻し、世界は正常に戻る」

 キリエの言葉。鈴蘭の少女?爛のことか?爛が歯車を持ってくるってことか?


 問題は祠、か。祠の奥に扉があるのなら、祠の位置を特定しなくてはならない。俺は、信也に連絡を取った。

「祠?」

「そう、祠だ。その奥に扉があるらしいんだが」

 俺の言葉に、暫し考え込む信也。

「もしかしてだが、これも【焉】とつながっているなら、ありえないことではないか」

 信也が意味深な呟きをした。

「朱野宮家の地下に社があるんだ。その奥に祠があるかもしれない」

 朱野宮家?ってあの朱野宮家か。

「その社は、俺たちと【焉】が戦った場所でもある。だから、可能性として、なくはない。そう考えれば、奴等があの社を知ってた説明もつくしな」

 なるほど。じゃあ、爛が持ってくるって言う歯車を手に、そこに行けばいいのか。


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