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狂った世界で  作者: 桃姫
蒼空編
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39/82

39話:偶然、あるいは、必然

Scene透

 うっわ、ホントに寝てるし。人の布団で寝るとか。

「ただいま」

「お邪魔します」

 玄関のほうから声が聞こえた。

「あ、おかっ……」

 あたしは、「おかえり」と言おうとして声を引っ込めた。起こしちゃ悪いし。そして、慌てて玄関に向かった。

「おかえり」

「あっ、ただいま。来てたのね」

「久しぶり、透ちゃん」

 姉さんと弓月姉だ。

「知らない靴あるけど、お客さん?」

 げっ、と声が出そうになるのを抑え、

「あ、うん。同じ生徒会の人が付き添いで……。今はあたしの部屋に」

「え!ダメよ!今すぐ下に呼んできなさい!あんな汚い部屋に通すなんて正気!」

 酷い!

「いや、でも、寝ちゃったし」

「えっ!あの部屋で、しかも透ちゃんの布団で寝れるような猛者が……」

 猛者って、おい!

「さっきから二人とも酷いんだけど!」

「酷くないわ」

「酷くないよ」

 あ~、もう。

「あ、そう言えば、写真」

 あたしは、思い出したように聞く。

「写真は?」

「写真。ああ、透夜さんの持ってたこれ、ね」

 弓月姉が、乾いた笑みと共に差し出す。

「裏側?」

 そう、渡された面は裏面だった。

「鳥と影……?」

 くるっと写真を裏返し、あたしの手は止まる。口が開きっぱなしだった。

「どうかしたの?」

「止まってるよ、透ちゃん」

 あたしは、戦慄していた。鳥肌が立った。こんな漫画みたいなことが、あるの?

「嘘……。だって、」

 あたしは、思わず部屋のほうへ顔を向ける。

「こいつは……」

「えっ、透ちゃん、知ってるの?」

 あたしは思わず、笑ってしまった。

「何よ、これ。偶然?わざと?誰かが仕組んだの?」

「だ、大丈夫、透」

 姉さんの声に、あたしは、引きつった笑みしか返せない。

「マジで、これは、ありえない」

 そのとき、あたしの部屋のドアが開いた。


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