↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狂った世界で  作者: 桃姫
蒼空編
PR
31/82

31話:求める者

 意味不明すぎる。いと蒼き空、一羽の鳥が羽を広げ、天を突くとき、透明な影に色が戻る。いと蒼き空は、とっても青い空。そのあとは、そのまんまの意味だし。わけ分からん。

「一羽の鳥って言うのが、何かの比喩か?」

「ええ。そう思っています」

 マリアが、俺の問いに答えた。

「でも、そんなん、何の比喩?ぜんぜんわっかんないんだけど」

 勇音の言葉にも一理ある。

「はい、それで、私、考えたんですけど、」

 マリアが一拍置いて言う。

「もしかして、異能が関わっているのではないか、と」

 と言ってから、ハッとした表情をする。

「え、っと、その、あの、い、異能と言うのは」

 どうやら、勇音のことを思って、「異能」と言うのを誤魔化そうとしたらしいが、

「ん?ああ、あたしは、別に異能について知ってから気にしなくていいよ」

「え?知っていらっしゃるんですか?」

 驚くマリア。

「うん。まあ、盗み聞きだけどね」

 あっけらかんと笑う勇音。

「盗み聞きってのは、ちょっと違うか」

「意図的じゃねぇしな」

 コイツは、あくまで偶然聞いてしまっただけだからな。

「まあ、詳しいことは知らんけど、あたしの知らないことがいっぱいあるってことだけは、わかったんだよね~。まあ、面白そうってことは、確かじゃん」

 面白そう、か。

「言っておくがよ、勇音。面白そうってだけじゃなくて、危険で、死にそうで、命がけで、普通の人間なら触ることの許されない【扉】なんだぜ?」

 そう、そして、

「その【扉】に触ってしまった者は、二つに分かれる。【扉】を開けられる者と、開けられない者。その二つの差は、歴然としている。開けられた者には、地獄が。開けられなかった者には、死が。どちらであろうと最悪の道。あなたは、そのどちらになるかは、あなたしだい。――世界真理って本の一節だよね」

 そう、俺の言葉は、ある人物の書いた本の文を抜き出したものだ。

「知ってるから、あたしは、その【扉】に触れたいのよ。凡人は、未知を欲する。それは、知らないから欲し、そして、知って絶望をする。『こんなはずではない』。それをいくら繰り返すのやら。これも、同じ本の一節」

「わかってんじゃねぇかよ。自分が、『こんなはずじゃない』って言うのがよ」

 俺の言葉に、勇音は、

「でも、それが分かっても、やっぱり未知を求めるんだから、あたしってドМなのかな~」

 なんて、のんきなことを言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。